小野泰輔の発言 (憲法審査会)

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○小野委員 日本維新の会の小野泰輔でございます。
 今国会も開会から一か月余りたちました。本日、ようやく当審査会の扉が開かれました。まずは、この場を設けていただいた関係各位に感謝と敬意を表します。
 本院の憲法審査会は、昨年の通常国会において、常会では過去最多の十六回開かれ、さきの臨時国会でもほぼ毎週の定例日に各党がテーブルに着きました。私どもが開催を粘り強く訴えてきた成果だと自負しています。
 現憲法は、施行から七十五年がたちました。今国会は、大きく変容した現在の課題や脅威に対応するための改正に明確な道筋をつけるべき極めて重要な舞台となります。立ち往生しているいとまは一秒たりともありません。
 ところが、今日に至るまで、立憲民主党が、来年度予算案の審議中は他の委員会は開かないという慣例を盾に当審査会の開催にブレーキをかけたため、二週間も空費してしまいました。
 我が党は、今国会において、さきの臨時国会同様、立憲民主党と共通課題を設定し、野党として政府の不適切かつ不十分な政策に真っ向から論戦を挑み、予算委員会においても審議拒否をすることなく、正々堂々と取り組んできました。そのことと対比すると、立憲民主党の憲法審査会に向き合う姿勢は、著しい隔たりを感じざるを得ません。
 一昨日の衆議院本会議における来年度予算案の採決では牛歩戦術を展開した議員が見られましたが、私は、この令和の時代に昭和のイデオロギー闘争のやり方を続ける政治家がまだいることに驚き、あきれました。
 我々国会議員は、国民から負託を受け、議論する時間と環境を与えられています。そして、それは無制限ではありません。さらに、それは単に議論するためだけではなく、結論を出すために与えられています。多くの会派が当審査会の開催を求めている中、一部の会派が自らの都合で審議に応じないという状況は、その内実を国民から見れば、一昨日、本会議場で展開された光景と何ら変わらないのではないでしょうか。立憲民主党には、旧弊にとらわれることなく、今後は論憲を掲げるにふさわしい審議態度を取られることを強く求めたいと思います。
 一方、憲法改正を党是に掲げている自民党は、今こそ本気であることを行動で示すべきであります。総裁たる岸田総理は、党が二月二十五日に開いた憲法改正に向けた若者との対話集会に駆けつけ、翌二十六日の党大会で、時代は憲法の早期改正を求めていると、改憲への強い決意を改めて表明されました。このように、いつもながら総理始め自民党の皆さんは、内々の会合では積極的な言葉を発しておられますが、改憲発議への主戦場であるはずの国会では、その覚悟や熱量は十分に伝わってきません。予算の審議日程を人質に取ろうとする一部野党の動きに屈することなく、また、憲法改正を本気で実現する気迫をこの場でこそ示されるよう強く訴えます。
 さて、政府は昨年末、我が国の安全保障の在り方を根本から変える新たな安保三文書を閣議決定しましたが、それらを貫く基軸は憲法改正なくして成り立ちません。改定された国家安全保障戦略は、我が国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境のただ中にあるとした上で、最悪の事態をも見据えた備えを盤石なものとし、我が国の国益を守っていくという固い決意を示しています。
 私どもは、この考えに賛同します。これら我が国の平和と安全を保つための基本的な考えは、現在の憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」というくだりが空論にすぎないということをはっきりと示しています。我々が生きる現実は理想とは大きく異なり、隣国には中国、ロシア、北朝鮮という、およそ平和や公正、信義とは無縁の専制国家も存在しています。これらの国々を信頼し、日本国民の安全を預けることを憲法が掲げていることは、現実から余りにかけ離れていると言わざるを得ません。
 防衛力の抜本的強化と憲法改正は、表裏一体の関係にあります。戦後日本の平和を守ってきたのは九条ではなく、自衛隊の存在と日米安保条約に基づく抑止力です。その自衛隊を違憲とする解釈が出るような存在のままにしてはなりません。自衛隊を憲法上明確に位置づけ、抑止のための防衛力を着実かつ迅速に整備することが不可欠です。
 無論、喫緊の改憲テーマは、九条への自衛隊明記にとどまりません。日本維新の会は、このほか、教育の無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置、緊急事態条項の創設の四項目についても既に憲法改正原案を発表していますが、いずれも議論を深め、意見集約を急ぐべきテーマだと考えます。
 とりわけ緊急事態条項の創設をめぐり、国会議員の任期延長については、前国会までに各党別の論点が整理されました。南海トラフの巨大地震や首都直下地震などの大災害やテロ、我が国有事に直結する可能性の高い台湾有事も現実味を帯びています。緊急時にも国会の機能を維持することは待ったなしです。
 国会議員の任期延長は、各党間の合意形成が最も近いテーマであると考えます。真っ先に条文案の策定に取りかかり、今国会で成案を得るべきです。今求められるのは、過去のしがらみを捨て去り、我が国を取り巻く現在の状況を冷徹に洞察し、国家国民の立場から真摯に憲法議論を行い、速やかにあるべき憲法の姿を定めることです。これまでのように、いつまでも漫然と意見を述べ合っている猶予はありません。ゴールが示されない仕事など、国会のほかには存在しません。
 岸田総理は、来年九月末の自民党総裁任期までの憲法改正実現を明言されています。国民投票の実施には国会発議後六十日から百八十日間必要であることを踏まえれば、遅くとも来年七月末までに国会発議をしなければいけません。参議院の憲法審査会とも足並みをそろえて、改憲項目を絞った上で、国民投票をいつ実施するのか、明確なゴールをまず定め、国会発議に向けて意見集約をできるよう、ゴールから逆算してスケジュールを設定することを求めます。
 森会長、どうぞよろしくお願いいたします。
 特に自民党には、この点について責任ある行動をお願いしたいと思います。私ども日本維新の会も、全面的に協力する所存です。
 御清聴どうもありがとうございました。

発言情報

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発言者: 小野泰輔

speaker_id: 13603

日付: 2023-03-02

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会