岩谷良平の発言 (憲法審査会)
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○岩谷委員 日本維新の会の岩谷良平です。
本審査会において、緊急事態条項については、多くの党派がその必要性については一致しており、各論点について引き続き議論を前に進めていくべきと考えます。
そこで、緊急事態条項、とりわけ議員任期延長に関する各論点について、順次、日本維新の会の考えを述べつつ、各党派の皆様にも御質問させていただきます。
まず、議論の前提として、参議院の緊急集会との関係についてですが、日本維新の会と自民党、公明党、国民民主党、有志の会は、緊急集会の規定があっても議員任期延長は必要とのお考えだと認識しておりますが、この点、先週の本審査会において、立憲民主党の委員から、衆議院議員の任期満了の場合に緊急集会を開催できるか否か、解釈を確定する必要があること等の理由から、任期延長について改正条文を起草するのは時期尚早との趣旨の発言がありました。
しかし、緊急集会の規定が仮に任期満了時にも適用され得るとしても、よりよい仕組みはないのかどうか、あるならば、現行憲法にこだわらず、憲法を改正して改善していくべきと考えます。そして、有事など緊急事態の際に、参議院のみが機能するよりも衆参両院が機能する方がよりよい仕組みだと考えられますので、やはり、憲法を改正し、有事の際の議員任期の延長規定を設けることが必要です。
次に、要件についてですが、緊急事態の実体的要件としては、維新及び自民、公明、国民、有志は、大規模自然災害、テロ・内乱事態、感染症蔓延事態、国家有事・安全保障事態という四つの事態を対象とし、さらに、これらにその他の事態も対象として加えるという方向性について一致しています。この点について、その他の事態として具体的にどのような事態が想定し得るのかについて、議論を深める必要があると考えます。
さらに、議員任期の延長については選挙実施困難要件を付加すべきとの方向性も維新、自民、公明、国民、有志は一致していますので、どのような場合に選挙実施困難と認めるのか、先ほど自民党の新藤幹事からもあったように、具体的な要件の議論、調整に入るべきだと考えます。
続いて、手続的要件についてですが、維新、自民、公明、国民、有志は、いずれも、緊急事態の認定主体は内閣とし、国会の関与については国会の事前承認が必要という方向性で一致しています。また、その際の国会の議決要件については、維新、公明、国民、有志は、出席議員の三分の二以上の賛成が必要という点でも一致しています。自民党さんは、今、議論が必要ということでした。
この点、議員の身分を延長する特別な場合であること、また、二分の一以上とすれば濫用に対する歯止めとして弱過ぎるので、この点からも三分の二が適正だと考えますが、いかがでしょうか。
裁判所の関与については、維新の会は憲法裁判所による事後統制を、国民と有志は最高裁判所による事後統制を考えています。公明党は裁判所の関与について疑問ありとし、自民党さんも今、不要だということかと思います。
この点、公明党から、詳細な事実関係について材料がない限り司法だって判断できないや、実体要件の充足の有無を緊急事態に裁判所が果たして迅速に判断できるのか等おっしゃっておられますが、行政府、立法府による緊急事態条項の明らかな濫用と言える場合に、司法が判断できないとは言えないのではないでしょうか。
与党が国会の議席の三分の二以上を占める可能性も当然にあるので、立憲主義の観点から、内閣や国会から独立して司法が合憲性の判断を行う仕組みが必要です。特に、緊急事態においては特例的な国会権能の維持などが認められるからこそ、むしろ、その特例的な権限が立法府や行政府に濫用されることがないよう、司法による統制の必要性が一層高いと言えます。
なお、我が党が考える憲法裁判所については、最高裁に加えて衆議院、参議院も裁判官の任命権者としており、民主的正統性にも配慮しています。
次に、緊急事態の認定の効果についてですが、議員任期延長期間については、維新の会は、任期延長期間が六月を経過したときは憲法裁判所の職権審査が可能としています。この点についても、これまで、自民、公明、国民、有志からは、一年以下とか六月程度など、様々な御発言がありました。
期間については、論理的に絶対的な答えは導き出せませんので、一年以下若しくは六月以下をベースに議論をして決めていけばよいと思いますが、問題は、緊急事態が継続しているか、また、選挙実施困難な状況が継続しているかのチェックをいかに行うかです。
維新は、先ほど申し上げたとおり、憲法裁判所による職権審査を提案しておりますが、国民と有志は、選挙が可能となった時点で国会議決により任期を終了させるとおっしゃっておられます。この点、公明党さん、いかにお考えでしょうか。
また、解散や任期満了によって議員の身分を失っていたときはその身分が復活するか否かについては、維新、公明と有志は復活させるとの方向の考えで、国民民主党もあり得ると述べておられます。この点、自民党も今、同様のことをおっしゃったのではないかと思いますが、緊急事態においても国会を正常に機能させるべきなので、議員任期延長等を可能とする緊急事態条項の新設が議論されている趣旨を踏まえると、議員の任期が満了又は解散により失われている場合も、その身分を復活させて衆参両院を機能させるべきと考えます。
次に、緊急事態における議員任期延長や身分の復活以外の国会権能維持策として、緊急事態における国会の即時召集については、維新と公明が自動集会、自民と国民が召集義務を提案しています。一分一秒でも早く国会を開くべき状況を想定すると、自動集会とする方が迅速性という点では優れていると考えます。また、国会の閉会禁止や衆議院の解散禁止、内閣不信任決議案の議決禁止については、維新、自民、公明、国民、有志は、全て必要との認識で一致しています。
以上のように、議員任期延長については、国会の議決要件と、裁判所の関与の有無と関与の在り方以外は、維新の会と自民党、公明党、国民民主党、有志の会の方向性に大きな違いはないため、細部について詰めの議論を行い、考え方を集約していくべきです。
なお、維新の会と国民民主党、有志の会は、この緊急事態条項についての各論点の意見を集約すべく、実務者協議を開始したことを御報告いたします。
なお、緊急事態全般に関するその他の緊急政令、緊急財政処分などの論点についても、引き続き議論を前に進めていくべきと考えます。
以上で私の発言を終わります。