玉木雄一郎の発言 (憲法審査会)

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○玉木委員 国民民主党の玉木雄一郎です。
 前回に引き続き、緊急事態条項、とりわけ議員任期の延長規定について、テーマを絞って議論し、残された論点について意見を集約し、具体的な憲法改正の条文案作りに入ることを改めて提案したいと思います。
 なお、昨日、日本維新の会の皆さんと有志の会の皆さんとともに、緊急事態条項の条文案をまとめるための実務者協議をスタートさせました。できれば今月中には成案を得て、その条文案を本審査会に示し、議論の加速化に寄与していきたいと思います。
 先ほど新藤幹事から緊急事態条項に関して八つの論点が示されましたけれども、私も前回の審査会で五つの残された論点を申し上げました。
 私が示したのは、選挙実施困難要件の具体的な中身、そして任期延長期間の上限、解散時の前衆議院議員の身分の復活の在り方、そして任期延長における最高裁、司法の関与の在り方、そして参議院の緊急集会の位置づけであります。これらの論点については、今後、当審査会で各党各会派の意見も伺いながら議論を深めて合意を得ていきたいと思いますが、現時点での国民民主党の考え方を示しておきたいと思います。
 まず、選挙実施困難要件については、緊急集会では対応できないほどの長期の期間が一つの目安と考えます。例えば、憲法五十四条の規定を踏まえて、七十日間あるいは八十日間以上の長期にわたって衆議院の開会が見込めない場合には、議員任期の特例延長を認めるべきと考えます。
 二番目の延長期間の上限については、東日本大震災のときに導入された地方議員における議員任期延長の特例法の規定を参考に、例えば原則六か月とし、全国一斉の選挙の適正な実施が可能となるまでは延長できるとし、選挙が逆に実施可能になった場合には、国会の議決で任期終了できるとしてはいかがでしょうか。
 三番目の前衆議院議員の身分の復活については、解散権を行使した内閣自らが緊急事態を発することで、その判断を撤回したと考え、失われた身分を復活させることはあり得ると考えます。例えば、国民投票法十五条は、憲法改正発議に係る広報をつかさどる国民投票広報協議会は憲法改正の発議の際に議員であった者で組織するとされており、議員でなくても、一定時点で議員であった者に身分を付与するケースはあり得ると思われます。
 四の任期延長に関する司法の関与の在り方について、国民民主党案では、一番入口の、内閣が緊急事態を発令した段階で、いずれかの議院の四分の一の議員の申立てで最高裁が要件適合性を審査し、内閣と国会に勧告できるようにしています。この司法の関与を、議員任期の延長や再延長を国会が議決した際にも適用する案も考えられると考えますが、いずれにせよ、国会議員のお手盛りを防止する観点から、いずれかの段階で一定の司法の関与を盛り込むべきと考えます。
 最後に、五の緊急集会についてでありますが、国民民主党は、仮に五十四条二項の緊急集会が衆議院解散時に加えて任期満了時でも開かれると解釈するにしても、それはやはり一時的、暫定的なものでなければならないと考えます。
 まず、憲法五十四条では、解散から四十日以内に選挙を行い、選挙から三十日以内に国会を召集すること、そして、緊急集会で取られた措置は国会開会の十日以内に衆議院の同意が必要だと規定されていることを考えれば、最大七十日から八十日を超えるような長期にわたる権限の行使は憲法上想定されていないと考えるべきだと思います。
 また、前回、北神委員、そして今、浜地委員からもあったように、国会法百一条では、内閣総理大臣が示した案件に関連するものに限って議案を発議できるとされております。また、国会法百二条の二では、当該緊急の案件が議決されたときは、緊急集会は終了するものと規定されています。
 これらの規定ぶりから見ても、緊急集会は、限定された案件についてのみ取り扱うべきで、広く一般的、網羅的な案件を処理することを想定しているとは考えられません。よって、仮に任期満了時でも緊急集会で対応するにしても、あくまでその対応できる期間や取り扱える案件は限定されていると考えます。
 そこで、立憲民主党の奥野さんに質問なんですが、奥野さんから、任期満了時に選挙ができない場合は緊急集会で対応すべきという趣旨の御発言があったと思いますが、逆に、立憲民主党の考える、緊急集会が取り扱えるのは一体どれまでの期間で、どのような案件についてなら対応できると考えているのか、その考え方を伺いたいと思います。
 特に、立憲民主党が先般まとめられた中間報告では、数年にわたり選挙困難事態が継続する場合には議員任期延長によることも考えるとされておりますが、逆に言うと、一年とか二年程度であれば緊急集会で対応できるというふうに考えておられると推察されるんですが、その際、暫定予算や補正予算ではなく、当初予算についても緊急集会で対応できると考えているのか。その際、予算における衆議院の優越を定めた憲法六十条との関係をどのように整理しているのか。立憲民主党の考え方を聞かせていただきたいと思います。
 いずれにしても、こうした論点について合意を得て、当審査会では具体的な条文案の取りまとめに入ることを改めて求めたいと思います。維新の会の皆さん、有志の会の皆さん、そして我々は、改めて、今月中にも成案を得て、条文案を本審査会にお示ししたいと思います。
 最後に、国民投票法に関して、実効性あるネット広告規制をどのように盛り込むべきかを判断するに当たっての参考とするため、二名の参考人の招致を提案したいと思います。一人は、もう従来から申し上げている、二〇一六年のアメリカ大統領選挙で、フェイスブックのデータを用いて投票行動を操作したとされるケンブリッジ・アナリティカ事件の当事者であるブリタニー・カイザー氏。そして二人目は、ティックトックのCEOです。
 中国企業が運営するティックトックについては、アメリカ、カナダ、EU等でも、国家安全保障上の懸念を理由に、政府職員の端末での使用を禁止する動きが広がっています。我が党国民民主党も、昨日、議員や秘書、党職員の業務用端末でのティックトックの使用禁止を決定しました。今月二十三日には、アメリカの下院のエネルギー・商業委員会の公聴会でティックトックのCEOが証言する予定になっていますが、本審査会でも、ティックトックCEOを参考人招致し、プライバシーとセキュリティー上のリスクについて直接話を聞くことを提案したいと思いますので、森会長の取り計らいをお願いしたいと思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 玉木雄一郎

speaker_id: 29596

日付: 2023-03-09

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会