務台俊介の発言 (憲法審査会)

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○務台委員 安全保障環境の激変により、国民の皆様の間でも、憲法に関する関心は確実に高まってきています。
 最近の各種世論調査でも、六割以上の方が憲法改正の必要性の認識を持っており、もっと憲法議論をすべきだという人は更に多くて、七割を超えています。
 私の地元でも、折に触れ憲法セミナーを開催していますが、社会環境や安全保障環境の変化に対応した憲法議論の必要性について、多くの皆様がその意識を高めているという実感を受けています。私の地元でも、自分の生きているうちに憲法改正の国民投票をさせてほしい、国会では、そのための論点を整理し、賛否の議論の差異をしっかり明らかにしてほしい、そして、そのための憲法審査会の審議の活性化を求める声が寄せられています。
 憲法改正の主役は国民です。憲法が国民投票を経た憲法改正の手続を規定し、国民が国民投票という民主主義の象徴とも言うべき手段を通じて自分たちの意思を示したいと希求しているのに、肝腎の国会がその機会を阻み、発議に至らないということは、国民の国民投票の権利行使の機会を奪っているとも言えます。こうした状態は、国民主権、民主的観点からも適当ではありません。
 憲法審査会の場でも、今の憲法がよいのだから国民の意思を聞くことは不要だ、国民は憲法改正を求めていないという一部委員の発言が頻繁に聞かれますが、その意見は、世論調査の結果から見ても、実際の国民の意識から見ても、乖離しているというふうに思います。少なくとも、実際に国民のその意思を確認せずして、そういった指摘はできないはずです。
 そうした中で、過日、米国でAIの脆弱性をチェックするロバストインテリジェンスという企業を運営している若手経営者の方から、AIの導入に向けての日米の意識の違いについて興味深い示唆を伺いました。
 その経営者は、AI導入について様々なリスクが伴う、しかし、米国はAIの導入に慎重かというと、何らかの問題が生じても、それを修正して進歩していくのがアメリカの流儀だ、日本はリスクを恐れて導入に慎重になっているのではないか、いわば、米国が攻めのガバナンスで対応するのに対して、日本は守りのガバナンスで対応する傾向がある、これでは最先端分野での社会実装の遅れが生じ、競争力に差が出てしまう、日本も攻めガバに転換すべきだという趣旨のことを語っておられました。
 この話を聞いていて、例えば、マイナンバーカード導入に向けての漠然と心配があり、ここまでマイナンバーカードの普及に時間がかかってしまった、このこともその一例ですし、制定後七十七年間、一度も改正されていない日本国憲法の現状こそが、その最たる例ではないかと感じられます。
 過日、イスラエルのサイバーセキュリティーのソリューションの紹介を受けましたが、そのイスラエルの当局者は、世界で備えが進んでいるサイバーセキュリティーの分野に対して、日本は黒船が到来してびっくりしている状態との評価が心に刺さりました。
 今の現状を何か変えると、それがどのようなマイナス効果を生むかということが気になって、現状維持の選択に傾く国民的心理状態が長い間続いてきたと思います。その状態が閾値を超えて、デジタル対応の遅れから生じたコロナ禍対応の反省、ウクライナ戦争、中国の現状変更の大胆な試みを目の当たりにして、今のままではいけないという国民意識の底流変化につながっているのではないかと感じられます。
 今の時代は、明治維新時の変革、敗戦時の変革に次ぐ、時代の大きな変革のうねりの局面に立っていると言ってもいいのではないでしょうか。新たな大失敗を経験しないとこの変革に対応できないのか、大失敗に至る前に自己変革ができるかが問われていると言えると思います。その意味では、この時代に国民の代表を務めさせていただいている我々国会議員の役割は極めて大きいと自己認識しなくてはなりません。
 昨年中に衆議院憲法審査会は二十四回開催されました。これは年間の開催回数としては過去最多でございます。参議院の憲法審査会は十二回開催され、平成二十六年に並び過去最多となりました。民意の変化に対応したすばらしい実績だとは思いますが、意外にも、野党の委員の中には、予算委員会の開会中は他の委員会の審議を行うべきではないという主張をする方もいらっしゃいました。
 こうした内向きのルールに納得する国民はどのくらいいるでしょうか。憲法審査会に大臣出席は求められていません。予算委員会開会中に憲法審査会を行ってどのような不都合が具体的に生じるのか、示す必要もあろうかと思います。先週の憲法審査会でこの旨を主張した階委員に、具体的な不都合としてどんなことを考えておられるのか、伺いたいと思います。
 安全保障に関しても、反撃能力について、相手方の発射の有無が判定できないのに反撃ができるのかという認定の問題がクローズアップされていますが、反撃能力の趣旨は、日本を攻撃したら攻撃した側にも多大の被害が生ずるというメッセージを相手方に送ることに意味があり、それにより相手方の攻撃を思いとどまらせる抑止力にこそ本質的意義があると考えるべきです。攻撃の認定などの技術的な課題は、そうした中での解決を図っていくことが可能ではないでしょうか。
 ましてや、仮に相手方に明確なミサイル発射の兆候があり、反撃をちゅうちょした結果、日本が攻撃され多大な死傷者が出た場合に、何と言って釈明するのでしょうか。日本国憲法は日本国民の生命財産を守るために存在するのであり、日本国民の安全、安心を損なう状態に置く日本国憲法の在り方は本末転倒です。
 防衛費が、今後五か年で四十三兆円とすることが政府で決定されました。その結果、自衛隊は世界有数の実力組織となります。本来であれば、そのような対応をしなくて済むにこしたことはありませんが、今、それを、その環境が許さない状況にあります。今の憲法解釈のままでいいのかは議論すべきです。
 ところで、憲法審査会の議論を聞いていて、共産党の委員の意見は護憲の立場で一貫し、なるほどと思う理屈で護憲を主張される、感心することさえあります。一方で、私の認識では、現憲法に対する対応を最も激しく変えたのは、ほかならぬ共産党であるとの思いもあります。
 一九四六年八月二十四日の衆議院本会議で、野坂参三代議士は……

発言情報

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発言者: 務台俊介

speaker_id: 17981

日付: 2023-03-09

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会