吉田宣弘の発言 (憲法審査会)

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○吉田(宣)委員 公明党の吉田宣弘でございます。
 先週行われた憲法審査会において、自民党新藤筆頭幹事から、緊急事態条項の論点整理と、残された論点に関する議論の方向性について意見表明がございました。国会議員の任期延長を含む緊急事態条項の論点につきましては、昨年から活発な議論が行われておりますが、この度、新藤筆頭から論点整理を行っていただいたことに感謝と敬意を表します。
 民主主義は、多様な民意の反映とともに、多数決による民意の集約機能を内在的に有しています。これまで、この憲法審査会において、緊急事態条項については、多様な意見について広く議論の対象とされてきましたので、残された論点について議論を集約する時期に入ってきているのではないかと感じています。
 そこで、私からは、自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党、有志の会でほぼ共通認識がある論点も含まれますが、新藤筆頭が言われた残る論点について、改めて意見表明を行わせていただきたく存じます。
 まず、選挙実施困難要件ともいうべき任期延長に関する要件の付加に関する論点についてです。
 新藤幹事から、地域と期間の要件化が必要ではないかとの指摘がございます。この点は、東日本大震災の事例が参考になると考えます。東日本大震災を、選挙の実施の観点から文言を抽象化すれば、我が党の北側幹事が繰り返し述べられた、広範な地域での国政選挙の適正な実施が長期間困難であることが客観的に明らかな場合と言えるのではないでしょうか。
 この点、広範な地域という文言の中身については、国政選挙の性質から、選挙の一体性、不可分性、平等性等を勘案し、判断されるべきではないかと考えます。この点、繰延べ投票が可とされる時間的許容性との関連で、北神委員が指摘された選挙の一体性を加味することは、極めて傾聴に値すると存じます。
 さらに、長期間とはどのぐらいの長期間かと考えれば、多くの会派から意見が出ているように、解散から四十日以内の選挙、選挙から三十日以内の特別国会の召集を規定した憲法の規定からして、優に七十日を超える長期間と考えるべきだと存じます。
 次に、決議要件について、新藤筆頭の先週の分析を改めて確認すれば、議決は、衆議院、参議院が維持された状態で議決するものであり、二院制の原則から結論を導けば、過半数で足りるとも考え得るし、四年、六年の規定の例外を生み出すものと考えれば、三分の二が必要とも考えられるとのことでございます。いずれも論理的に導けるものであると推察いたします。
 では、どのように判断されるべきかを考えれば、結局、価値判断ということになるのではないでしょうか。現行憲法が国会議員の任期を例外なく四年、六年と定めている趣旨、すなわち、国会議員の身分について、その任期を憲法上明記することによって国民による民主的統制の下に置こうとした憲法の趣旨に鑑み、憲法を改正しても、その例外を導くためには特別多数が必要であると考えます。
 次に、裁判所の関与についてです。共通項の多い五会派の中でも、要否の結論に差が見られる論点です。
 自民党の新藤筆頭のお考えは、任期延長に対する国民の審判は緊急事態が解除された後の国政選挙の結果で示されると考えるならば、これこそ最大の民主的統制であり、そのことを担保に、任期延長に対する判断は国会と内閣が責任を持って判断すべきであるとして、裁判所の判断は不要であるとの御主張であると理解をいたしました。
 また、我が党の北側幹事は、実体判断に必要な情報は内閣に存在し、迅速に判断されるべき事態認定を裁判所が迅速に行えるか疑問であるとし、決議要件に特別多数を必要とすることや、後ほど述べますが、任期延長の期間に上限を設けることで濫用防止は担保できると指摘されておられます。私は、新藤筆頭、北側幹事の認識と共通の認識を有しております。
 この点、日本維新の会の岩谷先生から、行政府、立法府による緊急事態条項の明らかな濫用と言える場合が考えられるから、やはり司法の判断が必要ではないかとの御主張がなされました。国家権力を監視する観点からの御主張には敬意を表するところでございますが、今申し述べましたとおり、制度的に担保していると考えますし、最終的には国民の判断が示されるところでございますので、手続面で司法が介在する必要はないと考えます。
 なお、日本維新の会、国民民主党、有志の会による条文案を策定するという積極的なお取組には、深く敬意を表するところでございます。
 この点、日本維新の会からは、憲法裁判所の設置が提唱されていると承知をしております。私の拙い理解からすれば、憲法裁判所の設置は、現行憲法の統治機構の在り方に少なからず影響を生じるところだと理解しています。違憲審査権の発動の方式や形式、裁判官の任命、特に違憲判決の効果について、現行の付随的違憲審査制とは異なる統治体系が予想されます。御党のお取組からはこれからも多くを学んでまいりたいと存じますので、どうか今後ともよろしくお願い申し上げます。
 その上で、現行の司法裁判所を前提とした国民民主党玉木代表と有志の会の北神委員、そして憲法裁判所の設置を求める日本維新の会、ここには馬場代表も御在席でございますけれども、三会派からどのような条文案が出されてくるのかについて強う関心を持っておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
 次に、任期延長期間の上限等についてでございます。
 この点、新藤筆頭が御指摘のとおり、各会派から、七十日程度、六か月、一年といった考え方が述べられています。この論点は、論理的には、選挙実施までどれくらいの時間を要するかという、現実に起きた緊急事態の状況に左右をされます。しかし、そのような事実状態を文言化することはできず、法的安定性を欠くわけでございまして、我が党の北側幹事の主張どおり、東日本大震災の地方選挙延期期間の実情を考慮して、六か月程度とすべきであろうと考えます。
 その際、最大八か月延長の実例があることから、念には念を入れて一年という御主張もあろうかと思いますが、例外規定にはそれなりの謙抑的な姿勢を示すことにより、国民の理解を得るべきと考えます。再延長の規定を設けておけば六か月を超える延長も可能となることから、六か月を妥当と考えます。
 時間の関係で、前議員の身分復活の論点と緊急政令、緊急財政処分の論点に触れることができませんでしたが、改めて意見表明の機会を賜ることができますれば、これらの論点についても意見表明をさせていただきたくお願いを申し上げ、私からの意見表明を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 吉田宣弘

speaker_id: 23085

日付: 2023-03-16

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会