玉木雄一郎の発言 (憲法審査会)

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○玉木委員 国民民主党の玉木雄一郎です。
 言いっ放しを避けるために、これまで議論を積み重ねてきた緊急事態条項についてはテーマを絞って議論し、残された論点について意見集約をして、具体的な憲法改正の条文案作りに入ることを改めて提案したいと思います。
 同時に申し上げたいのは、この緊急事態条項については、是非、レッテル貼りではなくて、当審査会のこれまでの一年以上にわたる議論を踏まえた正確な情報発信を議員各位や有識者、メディアにもお願いしたいと思います。
 ちなみに、もう何度も申し上げていますが、私たち国民民主党の基本的な考え方は、緊急事態条項が危ないのではなくて、まともな緊急事態条項がない中で、緊急事態を理由に安易に権限の濫用などが発生し得る状況が放置されていることが危ないと考えます。つまり、私たちの目指す緊急事態条項は、権力の行使を容易化する条項ではなく、権力行使を統制する条項としての緊急事態条項であることを改めて強調しておきたいと思います。
 その上で、先週、新藤幹事から示された八つの論点について、前回かなりお答えさせていただいたと思いますけれども、本日は更に二つの論点、選挙困難事態の議決要件と緊急集会の位置づけについて述べたいと思います。
 まず、議決要件についてでありますが、新藤幹事からは議決要件として過半数を提起されたと思いますので、新藤幹事にまず伺いたいのは、自民党の憲法改正四項目の条文イメージ案、たたき台素案では、各議院の出席議員の三分の二となっています。そもそもこの自民党の条文イメージ案を見直すつもりなのかどうか、そのことを伺いたいと思います。
 その上で、我が党の意見を申し上げれば、選挙困難事案の国会承認は、確かに新藤幹事のおっしゃるとおり、衆参両院が正常の機能を発揮する中での議決となれば、大原則である過半数で足りるという考えも取り得ないわけではないと思いますが、ただ、憲法に規定された原則四年、六年の任期の特例を認める以上、これも新藤幹事のおっしゃる原則や現状を変更して特別な状態をつくり出すときに当たると思うので、やはり三分の二以上の議決を、当初の自民党案があるように、必要とするのが適切ではないかと考えます。
 ただ、確かに、あの後考えたんですが、三分の二を求めると任期延長が認められにくくなって、かえって国会機能の維持に支障を来す可能性も否定できないのかなというのはあり得るのかなと思います。であれば、仮に過半数でよしとするのであれば、その場合は、要件の適合性についての何らかの司法、裁判所の関与とセットで導入すべきではないかというふうに思います。
 次に、緊急集会の位置づけについて申し上げます。
 国民民主党は、仮に憲法五十四条二項の緊急集会が任期満了時にも開けると解釈するとしても、やはりそれは一時的、暫定的、限定的なものだと考えるべきだと思います。
 具体的には、最大七十日、約二か月を超えるような長期にわたる権限の行使は憲法上想定されていないと考えるべきだと思いますし、処理できる案件も内閣が示したものに限定され、権限行使にも一定の制限があるものと考えます。学説でも、緊急集会では憲法改正の発議や条約締結の承認はできないとされています。
 そこで、前回お答えできなかったので、尊敬する篠原委員に伺いたいんですけれども、篠原委員は前回、緊急事態ぐらいは参議院に花を持たせるというのが我々衆議院の情け心じゃないかと思うと発言されました。
 まず、緊急事態の話は、花を持たせるとか情け心といった情緒的な議論で判断すべきではないことを指摘をしておきたいと思います。というのは、緊急時という歴史的に見て正気を失いがちなときに情緒に流された判断を避けるためにこそ緊急事態条項が必要だというのが、私たち国民民主党の考えです。その意味で、憲法五十四条二項の緊急集会が、どのような期間、どのような案件について対応できるかを明確にした上で、足らざる部分を憲法改正によって補うべきだと考えます。情緒ではなく、法的な緻密な議論を求めたいと思います。
 そこで、篠原委員に伺いたいのは、前回も聞きましたけれども、予算案についての考えです。
 一九五三年三月十八日に二回目の緊急集会が開かれた際、年度末ですから、暫定予算の処理をした例があります。このとき、あえて本予算の処理はしておらず、二か月間の暫定予算の処理としています。このことから考えても、やはり本予算の処理は緊急集会の処理の対象としてはなじまないと考えます。
 加えて、土井真一先生の解説書によれば、内閣の経済政策をよりよく実現するために必要な補正予算を成立する必要性だけでは緊急の必要があるとは言えないともされています。こうした学説を踏まえると、やはり、緊急集会で予算案を処理できるにしても、それは二か月程度の暫定予算が限界だと考えます。
 立憲民主党の中間報告によれば、数年間は緊急集会で対応可能と思われるような記述がありますけれども、篠原委員は緊急集会で本予算の対応ができると考えるのか。しかも、複数年にわたって本予算の対応が緊急集会で可能と考えているのか。もし可能なら、その根拠と併せて伺いたいと思います。
 もう一点、前回、篠原委員が、任期延長というのは、特別法で工夫して、改正して、さっさとやって、そして、後でまとめて一緒に憲法改正をしていった方が私はいいんじゃないかと思っていますと述べておられますが、私には残念ながら全く理解ができませんでした。これは、憲法に違反する違憲立法を先にして、後で憲法改正をすればいいと主張されているのか。私の頭では到底理解できない考えですので、その真意を伺いたいと思います。
 憲法に違反するような特別法を場合によっては緊急集会だけで可決できるとすれば、まさにリベラルの方々が懸念する緊急政令以上の権力の濫用を招くのではないか。私は、立憲主義の観点から、心配で夜も眠れませんでした。任期延長を可能とするいかなる特別法が考え得るのか、篠原委員の考えを伺いたいと思います。
 最後に、国民投票法について申し述べます。
 前回も言いましたけれども、国民投票法に実効性あるネット広告規制を盛り込むための判断のためには、現場の意見をしっかり聞くことが必要ですので、二人の参考人招致を改めて森会長に提案したいと思います。一人目は、ケンブリッジ・アナリティカ事件の当事者であるブリタニー・カイザー氏。二人目は、間もなくアメリカ議会で証言を行う予定となっております、ティックトックの周CEOです。是非、森会長の取り計らいをお願いしたいと思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 玉木雄一郎

speaker_id: 29596

日付: 2023-03-16

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会