小林鷹之の発言 (憲法審査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○小林(鷹)委員 自由民主党の小林鷹之です。
 国家安全保障戦略には三つの国益が明記されています。そのうち最も中核的な国益は、「我が国の主権と独立を維持し、領域を保全し、国民の生命・身体・財産の安全を確保する。」ことだと考えます。この国を守るという国家として最も重要な点について国の最高法規に実効的な規定が存在しないのは、国のガバナンス上、大きな問題だと考えます。
 内閣政府広報室が昨年末に実施し今月公表した自衛隊・防衛問題に関する世論調査によれば、自衛隊に対して三二・三%の方がよい印象を持っている、五八・五%の方がどちらかといえばよい印象を持っていると、九割を超える方が肯定的に回答しています。なお、どちらかといえば悪い印象を持っているは四・四%、悪い印象を持っているは〇・六%です。
 こうした状況においても、合憲という憲法学者は少なく、中学校の大半の教科書が自衛隊違憲論に触れています。
 また、自衛隊を違憲としながらも、急迫不正の主権侵害が起こった場合には、自衛隊を含めてあらゆる手段を行使し、国民の命と日本の主権を守り抜くと、立憲主義と相反するような主張をする政党もあります。
 防衛は国家権力の発動の最たるものだからこそ、私は、憲法上、明文の規定があるべきと考えます。
 自民党案は、自衛隊の役割を位置づけるとともに、内閣総理大臣を自衛隊の最高の指揮監督者とすることでシビリアンコントロールが利くようにしていますし、法律の定めるところにより、国会の承認等の統制に服するようにしています。
 憲法九条について、自民党が直ちにフルスペックの集団的自衛権の実現を目指して改正しようとしていると懸念する声もあるようですが、自民党が示している条文イメージ、たたき台素案は、憲法九条一項及び二項の解釈を変えることなく、徹底した平和主義を維持することが前提となっています。
 東日本大震災当時、統合幕僚長として自衛隊の指揮に当たった折木良一さんは、近年、自衛隊の憲法上の地位についてコメントしています。自衛隊の活動を根本で支えるものは二つある、一つは国民の理解と信頼、もう一つは国の支えである、真剣に議論して、最終的に国民の判断を仰ぐプロセスを私は絶対に進めるべきだと考える、このように指摘しています。
 論点が整理されてきた緊急事態条項に加えまして、憲法九条の在り方についても憲法審の場でしっかりと議論していくべきと考えますので、会長、幹事の皆様にはお取り計らいをよろしくお願いをいたします。
 次に、国民投票法に関してですけれども、これまでの議論におきまして、立憲民主党は法的規制による対応が必要であると主張されていて、先日、階幹事からも、立憲民主党案について資料が配付され御説明がありました。
 これに関し、階幹事に質問させていただきたいと思います。次回以降の審査会でお答えをいただければと思います。
 まず、立憲民主党案では、放送CMについて、勧誘CMを、主体を問わず、そして発議後の全期間にわたり禁止するとされていることが特徴の一つだと思います。ただ、このような主体を問わない全期間にわたる禁止は、表現の自由や国民投票運動の自由の過度な制約となるおそれはないか、慎重に検討する必要があるように思われます。
 また、立憲民主党案では、意見表明CMについて、政党のみ禁止するとされています。しかし、国会における審議、発議を経て、政党は憲法改正案の内容を最もよく知る立場にあります。その政党についてのみ規制をかけることは、国民に対する情報提供の観点から問題はないのか、議論が必要なように思われます。
 以上、述べましたように、私は、この問題を考えるに当たりましては、国民投票運動の自由と国民投票の公平公正とのバランスを取ることが大変重要であると考えています。この点、先ほど新藤幹事からもありましたが、国民投票運動は原則自由という理念は、元々は制定時に旧民主党が強く主張されていたことであるとも承知しています。
 そこで、階幹事に、国民投票運動の自由と国民投票の公平公正とのバランスについてどのようにお考えか、立憲民主党案でこのバランスは崩れていないのか、次回以降の審査会で構いませんので、御見解を伺えればと思います。
 以上、CM規制につきましては、さきに述べたバランスに留意しながら、引き続き丁寧な議論が必要であることを申し述べまして、私の発言を終わります。

発言情報

speech_id: 121104183X00320230316_016

発言者: 小林鷹之

speaker_id: 27647

日付: 2023-03-16

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会