岩谷良平の発言 (憲法審査会)

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○岩谷委員 日本維新の会の岩谷良平です。
 緊急事態条項の各論点については、立憲民主党、共産党を除く各党派の立憲主義を守る観点からの積極的な議論により、一致点と相違点が明確になってきました。相違点について掘り下げた議論をしていくべきだと考えます。
 特に、議員任期延長について、大きな論点である国会の議決要件と裁判所の関与の二点について、先ほどの我が党の三木委員の発言に加えて私の考えを述べ、また、自民党及び公明党にこれらの点についてお伺いいたします。時間の関係もありますので、お答えは次回以降にいただければと思っております。
 まず、一点目の国会の議決要件について、自民党の新藤幹事にお伺いをいたします。
 新藤幹事は、先週の本審査会において、憲法上、三分の二以上の特別多数によるとされているのは、議員の除名など、原則や現状を変更して特別な状態をつくり出すときであることなどから、お手盛り的議決を防止するような視点ではなく、二院制の原則なのか例外なのか、議論を深掘りする必要があるという趣旨のことを述べておられます。
 この点、議員任期延長は、衆議院議員四年、参議院議員六年とされている原則を、衆議院でいえば四年半とか五年とか、参議院でいえば六年半とか七年とするものであり、仮に新藤幹事の区分によるとしても、まさに、緊急事態に対処すべく、原則を変更して特別な状態をつくり出すことに当たるのではないでしょうか。また、お手盛り的議決を防止するとの観点も必要であることは、先ほど我が党の三木議員が述べたとおりです。
 さらに、憲法五十八条二項に規定されている議員の除名は議員の身分を議決によって失わせる場合ですが、原則四年や六年とされている議員の身分を例外的にその任期前に失わせる議決について、慎重を期す必要性などから特別多数とされています。そうであるならば、同様に、原則四年や六年とされている議員の任期を延長する場合にも特別多数とすることが、除名の場合と比べて均衡が取れると考えます。
 以上、議決要件は三分の二以上の特別多数とすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、二点目の司法の関与について、新藤幹事にお伺いをいたします。
 新藤幹事は、先ほど、緊急事態認定と議員任期延長について、高度な政治的判断であることから政治が責任を負うべき、また、国民の審判は緊急事態が解除された後に行われる国政選挙の結果によって示されるため、それこそが最大の統制であり、裁判所の関与は不要ではないかという趣旨の御発言がありました。
 しかし、緊急政令や緊急財政処分などを認める場合はもちろん、仮に議員任期延長だけを認めるとしても、憲法上の原則に対する例外的措置であるため、要件が満たされていたか否か、選挙での審判を受けるのみならず、司法によるチェックも受けることが慎重を期す意味において必要だと考えます。また、裁判所において公開で審査が行われることは、国民が事後的に選挙で判断する際の材料を提供するという意味でも有益だと考えますが、いかがでしょうか。
 さらに、確かに、緊急事態の認定や議員任期の延長の可否について国会の議決を求めることで、国会が内閣の暴走に対する歯止めとなり得ます。それでは、その国会が暴走する可能性はないのでしょうか。特に、議院内閣制を取る我が国では、与党が圧倒的多数を取った場合、国会が内閣に対する歯止めになり得ない、あるいは内閣と一体となって暴走する可能性は十分にあり得ます。このような場合、民主主義、多数決の論理ではなく、法の論理によって司法が政治権力の暴走や濫用を止める仕組みが必要になると考えます。
 次に、これは自民党と公明党にお伺いをいたしますが、議員任期の再延長の際の裁判所の関与も不要とお考えでしょうか。また、再延長の際に国会議決などの要件も不要とお考えでしょうか。お伺いできればと思います。
 続いて、公明党北側幹事にお伺いをいたします。
 緊急事態について、裁判所は詳細な事実関係を把握しないので判断できないという趣旨の御発言がありましたが、通常の裁判でも、裁判所は原告、被告が提出する証拠あるいは職権に基づいて事実関係を把握し判断を下しており、緊急事態についても同様、裁判所が判断を下すことは可能だと考えますが、いかがでしょうか。
 なお、先ほど、公明党吉田委員が、国会の特別多数という統制があるじゃないかというようなこともおっしゃったかと思いますが、それだけで濫用を防止するには不十分であることは今述べたとおりです。
 なお、憲法裁判所については、先ほど新藤幹事や吉田委員から、付随的違憲審査制を取る現行憲法の体系と大きく異なるものであるといった御発言がありましたが、ドイツやアメリカ、フランスなどがこの数十年で下した違憲判決の数はいずれも四百件以上ある一方、日本ではこの七十五年間で僅か十一件しかありません。これで、今の最高裁がいわゆる憲法の番人と言えるでしょうか。
 また、このような状況で付随的違憲審査制を維持することが日本の立憲主義にとってよいことなのでしょうか。憲法を改正せずに現状の付随的違憲審査制を維持することは、私は、立憲主義の観点から大きな問題だと考えます。
 以上で私の発言を終わります。ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 岩谷良平

speaker_id: 33412

日付: 2023-03-16

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会