北神圭朗の発言 (憲法審査会)

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○北神委員 有志の会の北神圭朗です。
 ここ数回にわたり、立憲民主党さんから国民投票法に関連する多くの発言がありました。本日は、有料広告の制限、資金規制、それからインターネット規制の三点について、私たちの意見を表明したいというふうに思います。
 まず、有料広告の制限についてです。
 この問題の本質は、報道の自由や表現の自由などの要請がありながら、他方では国民の判断形成にも関わる公平公正性の原則の要請があります。こうした中で、私はやはり、法的規制には頼らずに、報道機関やインターネットプラットフォーマーなどの自主的取組を重視する方向が適当だと考えます。
 実際、先ほどもお話があったとおり、民放連は参考人質疑で、賛成、反対、それぞれのCMの量や時間などについて公平公正に調整する意向を表明していると私は理解しています。一方で、政党の広告については、自分たちが国民投票広報協議会において自主的に上限を設定するなど対応する方が現実的ではないかというふうに思います。
 次に、国民投票運動の資金面での規制については、立憲民主党も主張しているとおり、資金力が大きい方がより多くの宣伝ができるといった野方図な自由は制限してしかるべきだと考えます。そのために、支出や寄附行為の金額について一定の上限を課すことについては賛成です。また、実際に行われた支出行為等を事後的に検証可能とするために、収支の透明性を確保し、支出する者の登録並びに収支報告書の提出を義務化することも必要でしょう。
 なお、外国人が国民投票に及ぼし得る影響については当然監視の目を光らせるべきであり、外国人からの寄附や、国籍等が不明となる匿名寄附については全面禁止にすべきです。
 三点目は、インターネットの規制についてです。
 せっかく玉木委員から、カナダが中国の選挙介入について抗議をしたという話がありましたので、少し詳細にお話をしたいと思います。
 外国政府の一部がインターネットなどを通じて、あからさまに情報工作を行っている事例が頻発しています。サイバー攻撃でロシアが得意とする認知戦というものがあります。これは、情報や国民の心理、認知への侵食を目的としています。
 手法としては、外国政府の公式メディアによる宣伝、偽情報を取り上げるサイトの立ち上げ、ネット上の不特定多数による言説の書き込み、インフルエンサーによる宣伝行為等があります。これらが同時並行的に展開され、偽情報等によって投票行動をその外国にとって有利なものとするように工作することであります。
 こうしたことに対して我が国は、これまでは、日本語の壁に守られていることもあり、危機感が広く共有できていません。しかし、最近は、自動翻訳の進化により、比較的自然な日本語で情報発信ができるようになってきているのも事実であります。今後は、外国政府からの偽情報がインターネット空間に侵入することに備える必要があるというふうに思います。
 対策としては、これは国内の広告規制についても言えることでありますが、やはり、言論の自由を最大限尊重して、可能な限りファクトチェックを行っていくことが重要となります。現時点で、インターネット上のファクトチェックについては、民間機関が一定の成果を上げています。
 他方で、アメリカ、イギリス、ドイツ等では、民間機関だけでなく、政府としても、偽情報による干渉、特に選挙干渉について何らかの対策を講じていることも事実であります。
 例えば、ドイツでは、内務省の連邦選挙管理委員会が選挙過程全般に関係する偽情報を特定し、これに対処する責任を負っています。特定した情報については、ファクトチェックサイトを通じて公表しています。また、台湾では、選挙干渉に限らず、全ての省庁にファクトチェックのチームを設置しています。これらのチームは、偽情報や誤報を発見した場合に、その情報に対する正しい解説を二十分以内に二百字以内で二枚の画像をつけてSNSに公開することになっています。これは二・二・二の原則と言われています。
 我が国でも、民間に任せるだけではなく、政府か、あるいは公的機関か、例えば国民投票広報協議会において、こうしたファクトチェックの機能を担う必要があるのではないか。同時に、偽情報を植え付ける外国からのサイバー攻撃に対しても、政府の関係部署との連携も併せて確保すべきだというふうに思います。さらに、国民投票広報協議会の機能として、各政党の主張を大量にインターネットに流すことにより正確な情報を広く頻繁に普及させることも検討すべきだと考えます。
 我が国では国や公的機関の関与を忌み嫌う向きもありますが、民間機関だからといって思想、信条的に公正中立とは限りません。諸外国では、官と民とで偽情報を公表し説明することを通じて、多様性のあるファクトチェックの言論空間がつくられています。この多様性が確保され、正確な情報が幅広く流通して初めて、言論市場の見えざる手が適切に働くのではないでしょうか。
 こうしたことから、我が国でも、外国からの選挙介入を検知する能力向上や有権者への正確な事実を伝達する体制が強く求められます。公正な選挙の実現、とりわけ憲法改正に関する国民投票は民主主義の根幹であります。国民の自律的な意思が阻害されないために、我々も責任を持ってより積極的な姿勢で臨むべきことを申し述べて、私の意見とします。
 以上です。
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発言情報

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発言者: 北神圭朗

speaker_id: 4662

日付: 2023-03-23

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会