岩谷良平の発言 (憲法審査会)

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○岩谷委員 日本維新の会の岩谷良平です。
 緊急事態条項についての日本維新の会の案の特徴の一つは、憲法裁判所による司法的統制を図っている点です。
 そこで、本日は、そもそもなぜ憲法を改正し憲法裁判所を設置する必要があるか、また、憲法裁判所の設置に対して挙げられている懸念点について見解を述べます。
 まず、現行の最高裁判所には以下のような問題があります。
 先週も本審査会で述べましたが、運用上の問題としては、日本の違憲審査制については司法消極主義とも言われる運用の実態があり、ドイツやアメリカ、フランスなどがこの数十年で下した違憲判決の数がいずれも四百件以上ある一方、日本ではこの七十五年間で僅か十一件しかありません。これで、いわゆる憲法の番人として最高裁が日本の立憲主義を守っていると言えるでしょうか。
 この点、現行の最高裁判所には裁判官の任命に対する議会の関与がないため民主的正統性が薄く、それが違憲審査の場面における司法消極主義につながっていると見ることもできますが、日本維新の会の案では、憲法裁判所の裁判官の任命に議会が関与することとしています。これに対しては、裁判官の任命が政争の具になるとの批判もありますが、むしろ、裁判官の任命が内閣の自由裁量に任されている現行の最高裁判所の方がよほど問題ではないでしょうか。
 例えば、アメリカの最高裁判所では、裁判官の任命に上院が関与し、上院の反対で任命されないこともあります。諸外国の憲法裁判所でも、裁判官の任命に議会が関与することは普通のことです。政争の具となることを避けたいのであれば、ドイツのように議会の特別多数を承認要件とすることや、与野党に推薦枠を割り当てる方法もあります。
 次に、制度上の問題として、付随的違憲審査制を採用していることによって、最高裁で終局的な憲法判断が下されるまでに時間がかかり過ぎることや、平和安全法制の合憲性など統治機構分野の法律が違憲審査の対象となりにくいこと、臨時国会不召集や衆議院の解散権の行使の合憲性など、国家機関間の憲法問題を判断できない等があります。
 これらの問題や一票の格差の問題は、日本維新の会が主張する形で憲法を改正し、憲法裁判所を設置して抽象的違憲審査制を導入すれば、合憲か違憲かが決着し、解決することになります。
 次に、緊急事態における司法の役割について述べます。
 これも先週述べましたけれども、議院内閣制を取る我が国では、与党が圧倒的多数を取った場合、国会が内閣に対する歯止めとなり得ない、あるいは内閣と一体になって暴走する可能性は十分にあり得ます。このような場合、民主主義の多数決の論理ではなく、法の論理によって司法が政治権力の暴走を止める仕組みが必要となります。
 この点、司法は国会や内閣に比べ民主的正統性が薄いため、政治部門による高度な政治的な判断を覆させてよいのかとの批判もあり得ます。しかし、憲法裁判所は、憲法という国民の意思に基づいて判断を下すのであり、むしろ国民のために権限行使をしていると考えられています。また、民主主義は間違えることがあり得る以上、民主制を統制する手段も用意されてしかるべきと考えます。
 また、頻繁な憲法裁判が起きるのではないかとの指摘もありますが、これはむしろ望ましいことだと考えます。日本では、事前審査も抽象的審査もないために適時に裁判所の判断が下されず、このため、先ほど述べた平和安全法制など、本来法的に解決されるべき問題が放置され、政治問題へと転化してしまうという問題があり、その方が立憲主義の観点から問題であると考えます。
 以上、本日述べたような理由から、憲法裁判所の設置が必要であり、また、緊急事態認定や議員任期延長についても憲法裁判所による司法的統制が必要と考えます。
 以上で発言を終わります。

発言情報

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発言者: 岩谷良平

speaker_id: 33412

日付: 2023-03-23

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会