奥野総一郎の発言 (憲法審査会)

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○奥野(総)委員 立憲民主党、奥野総一郎でございます。
 憲法は、徹底した国会中心主義を採用し、いわゆる緊急事態条項を設けていません。つまり、いついかなる場合でも、立法機能、行政監視機能等、国会機能の維持を大前提としています。
 緊急時には、迅速な臨時会の召集、衆議院が解散中の場合は参議院緊急集会による対応を想定しています。また、武力攻撃、内乱・テロ、自然災害、感染症、それぞれにつき基本法制があり、濫用のおそれなく緊急事態等の認定が行われる仕組みもできています。緊急事態条項の概念を憲法に持ち込む必要はありません。したがって、緊急政令、緊急財政処分を憲法に規定する必要もありません。先ほどの吉田公明党委員も、恐らく同趣旨の御発言だというふうに理解しております。
 先週、新藤筆頭幹事が、論点は絞られてきたと思うと発言されていますが、緊急政令、緊急財政処分について、あくまで五会派の合意が取れているというふうにおっしゃるのでしょうか。新藤与党筆頭幹事に伺いたいと思います。
 我々は、いわゆる緊急事態条項は不要と考えますが、これまで申し上げてきたとおり、選挙困難事態の対応については議論が必要だと考えています。例えば有事の際など、日本全土で選挙が長期間にわたって行えないような場合、選挙困難事態が起きた場合どう対処するかについては、必ずしも憲法に明示されてはいないからであります。
 選挙困難事態に関し、新藤幹事の論点整理メモ、以前出されたものですが、議員任期の延長等は、緊急集会で対応できない場合の措置とあります。つまり、緊急集会で対応できない場合とはどのような場合かについて定まらないと、議員任期の延長の議論に至らないということになります。
 そこで、まず、有識者、例えば長谷部恭男先生や大石真先生による参考人質疑を求めますので、森会長にお取り計らいをお願いしたいと思います。
 また、先日私が提案したように、緊急集会について参議院と合同での議論も必要であります。
 緊急集会についての論点は、任期満了時に招集可能かどうか、あるいは、あくまで暫定的、一時的な制度ではないか、これに関連し、臨時会などと同様、フルサイズの機能を有さないのではないか、また、玉木委員がおっしゃっていたように、本予算の審議が可能かどうかという意見が各会派から出ております。有識者の意見を踏まえた検討が必要であります。
 これらについて、解釈や国会法等の改正で対応できないということが明確になれば、我々も、議員任期の延長を議論すべきと考えます。
 先ほど玉木委員の方から、繰延べ投票で議員任期を延長できるかということでありましたが、それは明文上できないと私も思っていますから、議員任期の延長をするということになれば、憲法を改正しなきゃいけないということは自明だと思います。
 その上で、議員任期の延長を考える場合、要件として選挙困難事態を定義する必要がありますが、どのような場合が該当するか、これは慎重な議論が必要だと思います。客観的な要件を定めるとともに、その認定に際しては、憲法裁判所等、これは以前から申し上げてきていますが、司法の関与、客観的な関与が必要だと考えています。
 選挙困難事態の認定が議員任期延長の要件だとすると、これを全て内閣に例えば委ねると、濫用というふうに言われます。権力分立の観点からもふさわしくありません。国会に全て委ねると、議員のお手盛りというおそれがあるためであります。組み合わせて司法の認定も必要だというふうに思います。
 先週、今週も吉田委員もおっしゃっていましたが、憲法裁判所については、大きな憲法上の課題で、多くの論点があるとおっしゃられていますが、大きな憲法上の課題であるからこそ、この場でしっかり議論していくべきだと思います。
 憲法八十一条により最高裁判所に付与されている違憲審査権は付随的違憲審査制、これは定着した考え方です。具体的な事件に関係なく、例えば、安保法制は合憲かどうかという判断を裁判で求めることはできません。
 さらに、最高裁は憲法判断を控える傾向があり、違憲判決はこれまで僅か十一例しかありません。最高裁が憲法判断を行わない結果、事実上、政府の一部局である内閣法制局に違憲審査機能を委ねてしまっているのではないか、その結果、国民の権利が十分に保障されていないのではないかといった疑念を払拭し切れません。
 私は、より広く憲法判断ができる欧州型の憲法裁判所を創設することも、三権分立の観点から立憲主義にかなうというふうに考えております。憲法裁判所について、当憲法審査会での集中討議を求めたいと思います。
 最後に、国民投票法ですが、附則四条の趣旨は、これは私は発議者でありますが、例示で挙がっている一号、二号が求めている全てについて何らかの法制上の措置その他の措置が講じられるまでは憲法改正発議はできないという趣旨だと、私は発議者として審議の中で答弁をしているところであります。そもそも、この条文は、私が原案を作り提議した経緯がありますので、立法者の意思ということも言うことができると思います。
 そして、附則四条に関して議論すべき点がまだ残っています。先週、北神委員もおっしゃっていましたが、資金規制、資金の多寡で投票結果を左右させない、とりわけ、外国政府に干渉させないための運動資金規制についてはほとんど議論されていません。
 投票結果の公平公正を期すためにも、運動資金規制について集中討議を求め、私の発言としたいと思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 奥野総一郎

speaker_id: 32692

日付: 2023-03-30

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会