米山隆一の発言 (憲法審査会)

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○米山委員 発言の機会をありがとうございます。
 まずもって冒頭、私も、我が党からちょっと言葉が過ぎた発言があったということは非常に残念に思っていると申し上げさせていただきたいと思います。
 ただ、私は今、代打で来ておりますので、開催機会について何か言える立場ではないんですけれども、私は上品な言葉で議論をするのは非常に大好きでございますので、開催が一年に一回だろうが、一か月に一回だろうが、一週間に一回だろうが、一日に一回だろうが、お呼びをいただければいつでも議論をする、そういうつもり、護憲の立場から議論をさせていただくということを冒頭申し述べさせていただきたいと思います。
 それで、今ほど話題になっていた任期延長につきましては、私は、選挙困難事態ということは、それはあり得るんだと思います。ただ、今までの御議論の中で、割に自民党の方々、新藤委員や柴山委員などから、司法を関与させるのはよろしくないといいますか、ひたすら、それは選挙でやるべきだというようなお話があったんですが、それは私は違うと思います。
 そもそも、民主主義というのは、選挙だけで済むのであれば、それは共産主義国家だって民主主義なわけですよ。それは、ちゃんと三権分立というものがあって、選挙で選ばれていない裁判官がコントロールする部分があるからこそ、民主主義というのは成立し、継続するものなので、是非そこは司法をもっと信頼していいのではないかと思います。
 しかも、これは法律で選挙困難事態というのを決めてしまえば、別にそれは憲法判断でも何でもない、単なる普通の法律判断です。例えば宗教法人法などは、解散に対して、検察官が裁判を提起して、そして裁判所が命ずるということができるわけですから、特段、司法が関与することは何の問題もないと思います。
 次に、今ほど石破委員からもお話がありました敵基地攻撃能力についてお話をさせていただきたいと思います。我が党の本庄委員の前回の発言もございましたので、それも踏まえてお話しさせていただきたいと思います。
 昨年策定された防衛力整備計画でスタンドオフミサイルによる反撃能力の整備が打ち出されるとともに、国家防衛戦略において、相手からミサイルによる攻撃がなされた場合、ミサイル防衛網により、飛来するミサイルを防ぎつつ、相手からの更なる武力攻撃を防ぐために、我が国から有力な反撃を相手に加える能力、すなわち反撃能力を保有する必要があるとして、敵基地攻撃能力若しくは反撃能力が規定されて以来、これが自衛のための必要最小限度の実力若しくは武力の行使、まさに必要最小限と言えるか、武力の行使と言えるかが問題になってまいりました。
 私は、おっしゃられたように、軍事の現状として、軍事というのは恐縮ですが、現状として、長距離精密誘導弾が決定的に重要になっている現在の防衛においては、スタンドオフミサイルの保持は認められるべきであるし、現実問題、その認定は非常に困難だと思います、技術的に非常に困難だということは前提として、論理としては、我が国に対する武力攻撃事態に対して、我が党の枝野議員が衆議院予算委員会で述べたように、我が国の領土、領海等に着弾することが不可逆的になった場合に、つまり着弾する前にということですけれども、他国の攻撃拠点に対して必要最小限度の武力を行使することは、憲法九条の範囲で認め得ることだと思います。
 ただ、一方で、政府解釈をそのまま考えますと、いわゆる存立危機事態もそのまま同じになってしまう。しかし、これは違うのではないかということを述べさせていただきたいと思います。
 といいますのは、存立危機事態の中で、もちろん、我が国に対してというならロジックは同じだと思うんですけれども、これが他国に対してということでありますと、他国に対する攻撃もまだ実現していない、当然ながら我が国に対する攻撃は実現していない、その段階で反撃ということは、それは幾ら何でも最小限度でもない。幾ら何でも、それは、憲法第九条一項の「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」、二項「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」という、憲法九条が全く空文化してしまうと思います。
 我々が持っているのは自衛隊で、あくまで自衛のための必要最小限の実力ですので、武力行使というのは、やはり、こちらがそれを使うのは、相手からの武力の行使が、それもかなり確定的に、我が国に対するものが確定的になったときに限るべきだと思います。
 よくウクライナのことが例に出されますけれども、二〇二二年二月二十四日のロシアのウクライナ侵攻前にウクライナが反撃することはかなり難しいなりに、まだそれは論理的にあり得ると思うんですが、アメリカが例えば軍事同盟を結んでいたとして、アメリカがもし事前にこれをやっていたら、とてもそれは、その後の国際的な結束すら不可能となっていたと思います。
 もちろん、現実の場面で、武力攻撃の場面での判断は極めて困難だ、画一的判断や画一的規定を置くことは困難であるにしても、長距離精密誘導弾という技術の進歩によって、防衛のための武力と、他国に侵略的、攻撃的脅威を与える武力とを区別し難い現状においては、憲法九条に定められた日本の専守防衛を守り、同時に、他国への脅威をなくすというのが大事だ。先ほど、文民統制、軍事の現実は大事だと言いましたが、それを言葉でカバーするのが政治の役割だと思うんです。それを解釈という言葉で解釈するのが、私は政治家の仕事だと思うんです。
 ですので、憲法解釈において、これは、そのようなことはしないと。我々は他国への攻撃可能なスタンドオフミサイルは持つけれども、その武力を行使するのは、我が国の領土、領海等に着弾することが不可逆になった場合に限り、特に我が国に対する武力攻撃が存在しない、そういった他国に対する存立危機事態においては、これは行使しないと政府が明言するべきであると申し上げさせていただきたいと思います。
 ちょっと時間が来て恐縮ですけれども、なお、それに追加して、長距離精密誘導弾を持った状態で、どのような形であれ核弾頭を保有すれば、他国に大きな脅威となり、他国での核軍拡競争を惹起して、NPT体制が崩壊する事態になりかねません。アメリカとの関係でも、国際的な関係でも、およそ現実味のない核共有について言い募ることは、たとえそれが実現を期さない自己PRの目的であったとしても、言葉のやいばとなって、我が国の防衛に支障を来すことになりかねないことであり、厳に慎むべきだと申し添えさせていただきます。
 大変ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 米山隆一

speaker_id: 7731

日付: 2023-03-30

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会