山下貴司の発言 (憲法審査会)
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○山下委員 自民党の山下貴司です。
私も、中山太郎先生の御逝去について、心から哀悼の意を表します。
先日、立憲民主党の枝野幸男議員は、中山会長がリードした憲法調査会報告書を高く評価しており、私も同感です。
さて、この調査会報告書について、枝野議員は、先日私が紹介した文芸春秋二〇一三年十月号、「憲法九条私ならこう変える」論文で、報告書の中の論点のうち、多く述べられたとの取りまとめがなされている論点について、次のように述べています。
「多く述べられた」は大変重要なポイントです。「多く」の基準は、おおむね三分の二以上という数字です。つまり、国会での改正発議に関する九十六条を念頭に置いたものです。そこで「多く述べられた」で取りまとめられたのですから、その手の議論はもうやめましょうと区切りがついたと考えられますとしています。
ちなみに、この憲法審査会の設置も、その報告書で、憲法問題を取り扱う常設の機関を設置すべきであるという意見が多く述べられたことが理由になっています。そして、その中山調査会報告書でも、非常事態に関する事項を憲法に規定すべきであるという意見が多く述べられたともされております。
ところで、枝野議員は、その文芸春秋論文で、自衛隊の在り方についても、激しい議論が展開されたが、「自衛権及び自衛隊について何らかの憲法上の措置をとることを否定しない意見が多く述べられた。」との記述があることから、何らかの形で憲法に自衛隊の位置づけを図るべきだという見解におおむね三分の二以上が賛同したことを意味しますとし、憲法をめぐって極論のぶつかり合いばかりが続いている状況について、今こそそうした議論に終止符を打たなければなりません、そこで私は、この憲法九条、第三の道を提案しますとして、現行憲法には手を加えず、これに続けて新たな規定を追加するのが形式としては最も適切として、憲法九条の二と憲法九条の三の具体的案文を公表しています。
私がこの文芸春秋で公表された枝野議員の憲法九条改正案について重ねて紹介するのは、枝野論文が、安全保障有識者懇談会が二〇〇八年に集団的自衛権などを認めるべきとした、公海上の米軍防護のための自衛権行使やPKO時の駆けつけ警護など四類型に相当する事例について、現行憲法の解釈や憲法改正で一定程度認めようとした上、敵ミサイルが発射準備を整えた段階で自衛権行使が可能として反撃能力を容認するなど、限度はともかく、方向性において我が党と一致する部分も相当あることに加え、枝野議員が同案について、建設的な議論を行うためのたたき台ですとし、あくまで私見とするものの、本稿は従来の民主党の方針とはそごはありませんとし、党内論議を始め、これから真に国益につながる憲法論議を深めていきたいと結んでいることに期待するからであります。
従来の民主党の方針とそごがない以上、多くの立憲民主党の議員の皆さんとも議論の方向性は一致できるテーマと考えます。
ところで、報道によれば、枝野議員は、立憲民主党の憲法調査会で、憲法改正の条文案提示を目指す他党の動きを念頭に、強行に発議すれば国民投票で否決されると述べたとされています。しかし、我々は強行に発議しようとしているわけではありません。
枝野議員が憲法九条への追加修正の具体的条文案を建設的議論のたたき台として提示したように、我々自民党も、憲法九条について、特定政党の案として提示しているのではなく、たたき台素案として、各党と議論の方向性を一致できそうなテーマを議論する上で、最高裁判例に沿った自衛権及び自衛隊の明記、文民統制と国会承認等の民主的統制の明記等の条文イメージを提案しているものであり、維新や国民民主の皆様とも方向性は同様だと思います。
立民のホームページによれば、枝野議員は、先日の憲法審査会で、議論の方向性を一致できそうなテーマは何なのかという点から、全ての会派間で真摯に議論し、その合意に基づいて、会派間で段階的に方向性を確認しながら順次具体化していくべきと提案したとのことですが、枝野文芸春秋論文を読む限り、まさに憲法九条改正はこれに当たると思われます。立民の皆さんも、御党で長く代表を務められた枝野議員のこの論文の立場とそごはないと拝察します。
また、先ほど申し上げた中山調査会で意見が多く述べられたと指摘され、本日も三会派が考え方を示された緊急事態条項も含め、憲法審査会で与野党で議論すべきであります。
中山先生の御尽力がなければ、今我々が党派を超えて憲法審査会で議論することはなかなか困難であったでしょう。中山先生の御遺志に沿うためにも、小西洋之議員の、衆議院憲法審査会、猿発言を当審査会が否定する姿勢を示すためにも、当審査会での定例日の議論を続けなければならないことを述べて、私の意見といたします。