中川正春の発言 (憲法審査会)
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○中川(正)委員 立憲民主党の中川正春です。
まず、国民投票法についてちょっと整理をしていきたいというふうに思います。
国民投票法が制定された二〇〇七年頃は、現状のように、インターネット利用が情報環境にこれほど大きな変革をもたらすという想定はなかったと思われます。憲法改正国民投票運動は原則自由とされて、インターネットを利用した憲法改正国民投票運動を規制するための国民投票法の規定は設けられなかったと認識をしています。
しかし、この間に憲法審査会では、情報化社会の進展とそれから諸外国の情勢を認識していく中で、二〇二一年の国民投票法の改正の際に、放送広告やインターネット広告について、附則第四条の検討条項を加えて、これを更に内容を精査しながら、この観点を組み込んでいかなければならないということにいたしました。
附則第四条に掲げられたのは、一つ目の投票環境整備のために必要な事項と、二つ目の国民投票の公平及び公正を確保するために必要な事項、これに大別をされます。
一つ目の投票環境整備については、二〇二二年四月に衆議院に提出された国民投票法改正案の審議が継続中であり、二つ目の公平公正の確保については、今まさにこの憲法審査会で議論して結論を出していくべきものであります。
その例として、附則第四条では、まず一、憲法改正国民投票運動又は憲法改正案に対する賛否の意見表明のためのインターネット等を利用する方法による有料広告の制限、その二として、憲法改正国民投票に関するインターネット等の適正な利用の確保を図るための方策というのが挙げられております。
私たち立憲民主党は、既にこの分野を含めた改正案を準備していますが、この出発点を踏まえて、ここでは特にインターネット広告についてその論点を整理し、規制の要否について、この審査会で順序立てて結論を見出していくことを改めて提案をしたいというふうに思います。
第一には、新たな情報環境に対応するためには、放送広告とは別の観点から効果的なインターネット広告規制を設けていくことが必要だという認識を共有すること。さらに、インターネット広告規制の目的が、透明性の確保、公平公正の確保、インターネット上の情報操作対策の三つであるとすれば、この目的を達成するために、どこまで個人の表現の自由に委ね、どこから規制を設ける必要があるのか。
これについて、最近、国立国会図書館から、非常に参考になる海外事例を整理した報告書が出てまいりました。国によって規制の在り方はそれぞれですが、特にEUについては、現在、インターネット広告規制の規則案の審議の真っただ中だと報告されておりまして、私たちも同時進行的に議論を進めれば非常に効果的だというふうに考えております。
インターネット広告規制の入口の議論として、この国立国会図書館で海外事情を理解するために整理された論点は私たちの議論の進捗に大きく役立つと判断して、ここに示してみたいと思います。
まず第一に、透明性の確保に係る情報のインターネット広告への表示義務、それから第二に、政治広告に係るオンラインアーカイブの設置等の義務、それから支出規制、そして外国人等に対する規制、偽情報や誤情報などの拡散規制、そしてターゲティング及び増幅の技術の使用規制、インターネットを用いた商業広告の利用の規制などであります。
ここで改めて、国立国会図書館に審査会での報告を求めるように幹事会で取り上げていただくようにお願いを、提案をしていきたいと思います。
それから、海外の情勢報告を見ていると、こうした論点は、今の私たちの議論の対象になっている憲法改正のための国民投票に限らず、一般の国民投票や選挙そのものを対象にした規制となっていることに、今更ながら日本国内の議論の遅れを感じざるを得ません。大阪などで実施された住民投票の場面も含めて、現状、業界によるガイドラインによる規制で運用されていると理解をしています。上記の海外事例に対して日本の業界のガイドラインがどれほどの位置づけになっているのか、こんなことも、是非、専門家を参考人招致して明らかにしていくべきだというふうに思っています。
令和四年に提出された投票環境整備に関する国民投票法成案だけでなくて、こうした論点の整理をした上で、具体的にどのような規制をかけていくか、各党の合意をつくることが必要であります。もう少し具体的な論点を審査会で固めていった段階で、幹事会での改正案作りを承認していただいて、具体的な国民投票法改正の案のたたき台を幹事会の場で合意形成して作っていくということを提案していきたいというふうに思います。
次に、安全保障であります。
先週、新藤筆頭から、憲法九条への自衛隊明記が提案されました。これについての私たちの考え方を述べます。
結論から言えば、自衛隊の明記は必要ないのではないかということであります。現状で自衛隊は合憲、また、その役割と必要性については国民に十分に理解されていると認識をしているからであります。九条で議論されるべき論点はここにあるのではないというふうに思います。
私たちにとって現在最重要だと思われる論点は、想定される自衛隊の運用が、従来から大切にしてきた九条の憲法解釈である専守防衛、必要最小限度の自衛力、集団的自衛権の禁止という規範をなし崩し的に超えてきているという事実であります。
私たちは、これまでの規範を大切にして、日米安保も含め、現実の安保政策をこの範疇に収めるべきだと言ってまいりました。これは国民のコンセンサスでもあると思います。私たちの推測では、政府・自民党は、安全保障の見直しに係る憲法問題では、これまでの憲法解釈を政府の安保政策の見直しに合わせる形で解釈変更していくか、又は、自民党憲法草案にあるように、憲法九条そのものを書き換えることを考えているとしか思えないのであります。私たちは、これには強く反対をしていきたいと思います。
その上で、今進めなければならない議論があるとすれば、現実の安保三文書や日米ガイドライン、中でも敵基地攻撃能力の保持や四十三兆円の膨大な予算の積み増しなどが、憲法という枠組みの中でどのように位置づけられるのか、はっきりさせていくことであります。特に、ここでも第三者の意見を聞いていくということから始めることが大切だと思いまして、改めて、ここの分野についても参考人の招致を求めていきます。
私の議論は以上であります。
ありがとうございました。