小野泰輔の発言 (憲法審査会)

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○小野委員 日本維新の会の小野泰輔です。
 本日は、緊急事態条項における司法の関与について所見を申し述べます。
 先々週、先週と、各会派からの御意見で、議員任期の延長の判断に対して司法がどう関与すべきかのお考えを拝聴することができました。
 自民党の新藤幹事の先々週の御発言では、緊急事態の認定は一義的に政治が責任を負うべきであり、その信任は民主主義の根幹である国政選挙によってなされるべきとする一方、必ずしも裁判所の関与を否定するものではなく、現行司法制度においても選挙困難事態により私人の権利侵害を訴えることができるほか、客観訴訟の対象として選挙困難事態を扱うことも可能とされました。
 同党の柴山委員からも同様の御発言があり、加えて、既存の裁判所の改革にも言及をされました。
 立憲民主党の中川幹事、奥野委員からは、最高裁判所が違憲立法審査権を適切に行使していないという現状認識から、現行の裁判所の改革又は憲法裁判所の設立の議論の必要性が示されました。
 公明党の北側幹事からは、憲法裁判所は現行の司法制度を大きく変更するもので、憲法改正のみならず、権限の内容、訴訟手続、組織体制、裁判官の資格など、詳細な制度設計が必要であり、ハードルが高いのではないかという旨のコメントをいただきました。その上で、緊急事態下での議員任期延長と憲法裁判所の問題は切り離して議論すべきとの御意見も頂戴しました。
 また、自民党の皆様と同様、憲法裁判所によらず、現行の通常裁判所による選挙困難事態の判断方法として、法律で要件や手続を定めてその適法性を判断する客観訴訟の可能性についても触れられました。その際、選挙困難事態の認定は、内閣が事態の状況等を総合的に勘案して緊急に判断することに鑑みれば、内閣の判断が合理的な裁量の範囲を大きく逸脱し、極めて明白に違憲であることが必要とも述べられています。
 自民党、公明党の皆様からも司法の関与の在り方に言及されたことについては、非常にうれしく思っています。
 選挙困難事態の認定において立法府の歯止めが利かなくなることについて、私たち議員こそが、自らそのような可能性を想定し、制度上の手当てをしていくことが、歴史上、幾多の民主主義の限界を見てきた我々の責務ではないかと考えます。
 選挙困難事態を国会が認定したことに対するチェック機能を、憲法改正を行う憲法裁判所ではなく、現行制度の下での司法の関与に求める方がより合理的かつ現実的であるとの新藤幹事の御主張は、各会派が合意できる憲法改正原案を取りまとめるという観点からは理解できます。しかしながら、我が国の最高裁判所は統治行為論を採用し、高度な政治的判断を伴う法的紛争については原則として裁判所は判断を下さないという姿勢を取っています。
 選挙困難事態において、時の国会がずっとその事態認定を解除しないという可能性が全くないとは言えない中、仮に客観訴訟の制度を法律で設けたとしても、その判断が高度な政治的判断を含むという理由で審理に腰が引けるといったことも考えられます。そのようなことから、純粋に憲法問題に関する判断を行うことを使命とする憲法裁判所の創設に関して、この機会に検討する価値は大きいのではないかと思っています。
 もっとも、憲法裁判所の議論は、それ自体が大きな司法制度の変更であり、もっと議論を積み重ねる必要があります。國重委員や吉田委員が指摘されたように、我が国の法文化に照らし、フィットするのかという問題も含め、多くの検討が必要です。
 そういう意味で、今回の私の発言は、司法の形態はともかく、選挙困難事態の認定について司法自体の関与を認めるべきかという点について、議論を収束させる観点から行ってまいりました。
 全ての委員の皆様も異論がないことだと思いますが、緊急事態において本来の民主主義を回復するために何が必要かというと、可能な限り早期に議員任期の延長という特別な措置を終わらせ、総選挙を実施することであります。それを促すために司法が関与することは、何ら国会の民主的プロセスを阻害するものではありませんし、むしろ、司法による歯止めを設けておくことが民主主義を守るためのセーフティーネットとして機能するものと考えます。
 実は、私は、自公両党の皆様が、選挙困難事態の判断に司法が関与することに対し後ろ向きなスタンスを取っておられることを非常に危惧をしておりました。緊急事態における国会機能の維持という目的は一致していても、議員任期の延長の歯止めの在り方について深い溝があれば、まとまらないと思っていました。しかしながら、ここ二週間の議論で、必ずしもそうではないというふうに私としては感じることができたので、議員任期の延長について、各会派が合意できる改正案までたどり着けるのではないかと思っております。
 引き続き、他の論点についても議論を詰めていくことができるよう、委員各位の御尽力をお願い申し上げまして、私の発言といたします。

発言情報

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発言者: 小野泰輔

speaker_id: 13603

日付: 2023-04-13

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会