務台俊介の発言 (憲法審査会)
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○務台委員 発言の機会をありがとうございます。
このところの憲法審査会の与野党のやり取りを聞いていて、他の委員会と異なる憲法審査会の特徴がにじみ出ている、玉木先生が先ほどおっしゃったとおりの状況を感じます。政府を交えずに国会議員同士がお互いの所見を述べ合い議論するという特徴は、国権の最高機関たる国会にふさわしい議論の場のように思われます。
先週の北神委員による防衛力に関する必要最小限の概念が生まれた経緯の説明は、非常に興味をそそられました。
大島委員からは、党議拘束をかけるべきでないという議論も伺いまして、議論の多様性を感じさせていただきました。
同じく先週の玉木委員の意見の中で、九条に係る憲法改正の立法事実に関し、仮に共産党が自衛隊違憲論を引っ込めたら憲法改正の立法事実がなくなるので、憲法改正に反対する共産党としては、自衛隊合憲を認めればいいんじゃないか、そういうお話がありまして、玉木委員の横に座っている共産党の赤嶺委員が、私は怒るのかと思って見ていましたら、思わずのけぞって笑われていた姿が非常に印象的でした。もちろん、その後の発言で赤嶺委員も、共産党のスタンスは変わらないという意見陳述を続けられておりました。
この点に関して、私がかねてから抱いていた疑問を、この際、改めて赤嶺委員にお伺いしたいと思います。前にも少し言いかけましたが、赤嶺委員が離席されていたものですから、中途半端になってしまいました。
共産党の赤嶺委員の意見は護憲の立場で一貫し、悲惨な歴史という背景があって護憲を主張されることに、ある意味で共感を覚えるところもあります。その一方で、私の理解では、現憲法に対する対応を最も激しく変えたのは、ほかならぬ共産党であったのではないかという思いもあります。現行憲法制定時に、唯一、政党として反対したのは共産党でした。
一九四六年八月二十四日の衆議院本会議で、野坂参三代議士は、現在の日本にとって九条は一個の空文にすぎない、我が国の自衛権を放棄して民族の独立を危うくする危険がある、それゆえ我が党は民族独立のためにこの憲法に反対しなければならないという演説をされました。
私は地元で時々憲法セミナーを開催するんですが、こうした話を地元の有権者の皆様にすると、ほとんどの皆様はそのことを知りません。共産党は一貫した護憲政党だと思っていたとの反応がほとんどで、びっくりされます。
そこで、憲法審査会委員の赤嶺委員に、自衛権放棄の条文の存在ゆえに現行憲法制定時に反対した政党が、百八十度党の方針をひっくり返して護憲の立場を取った経緯、これを是非とも伺わせていただきたいと思います。
核武装を放棄し大幅軍縮を実現した挙げ句、ロシアの侵略を招いたウクライナ戦争の始終を目の当たりにする中で、七十七年前の野坂参三代議士の指摘は、今日的観点から見て、実は炯眼のようにも思われます。
だからこそ、共産党の考え方の転換の背景を理解させていただくことは、今後の憲法審査会のかみ合った憲法議論の土台になると思います。先ほど中川幹事がおっしゃるように、国民意識を喚起する観点からも、国民の注目を集める論点だというふうに私は思います。
私も、知り合いの歴史家にこの点について取材しました。そうしたら、一昔前の共産党は、自衛のための軍隊を持つことは国家にとって当然の権利だと考えていたけれども、東西冷戦の中で米国が共産主義の脅威に対して日本を極東における共産主義の防波堤とすべく自衛隊をその実力組織として位置づける中で、当時の共産党は、自衛隊の存在は日本における共産主義革命の支障となると考え、その存在を違憲無効と位置づけるに至った経緯があるという説明を受けました。
それが果たして正しい理解なのか、それこそ当事者である共産党の見解をしっかり伺いたく存じます。
安全保障面で国連が機能しないことが白日の下にさらされた今日、ひょっとしたら、共産党が再度、百八十度解釈を翻し、自衛隊合憲論に移行することもなきにしもあらずかなと、玉木委員の話を聞いて思った次第でございます。
最後に、憲法改正に関しては、自民党のほかに日本維新の会、国民民主党、立憲民主党が憲法改正の提言等を公表し、各党は昨年の参議院選挙の際にも憲法改正に言及しています。憲法の在り方に関して国民意識がここまで高まっている今だからこそ、国民の期待に応えるべく、昨年来の精力的な憲法議論を踏まえ、具体的な検討の段階に立ち至っていると考えます。是非とも、次のステージに移行する調整を各党間でお願いしたいと思います。よろしくお願いします。