玉木雄一郎の発言 (憲法審査会)

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○玉木委員 国民民主党の玉木雄一郎です。
 まず、緊急事態における議員任期の延長について述べたいと思います。
 先週も、立憲民主党の篠原委員に対して、任期満了を迎えた前議員に議員並みの特別な身分を付与する特別立法は可能なのかということを伺いました。
 なぜ私がこのような質問を繰り返しているかといえば、憲法に書いてある議員任期の延長や前議員の身分復活、延長にはやはり憲法改正が必要であって、立法措置で行う場合は違憲立法にならざるを得ないと考えるからです。しかし、もし立法や解釈で一時的、臨時的、限定的とされている緊急集会の射程を延ばしたり拡大できるのであれば、具体的にどのような立法や解釈で行うのか、その対案を是非、立憲民主党の考えを伺いたいからであります。
 また、期間や対象について限定なく緊急集会で対応できると主張する憲法学者などがいらっしゃれば、是非参考人として来ていただきたいと思います。これは森会長に是非お取り計らいをお願いしたいと思います。
 その上で、やはり立法や解釈では対応が難しいということになれば、これは中川先生も前回おっしゃったと思います、そのときは、立憲民主党さんにも是非憲法改正の議論に入っていただきたい。そうすれば、非常に幅広い成案を得ることができると期待をいたしております。
 加えて申し上げたいのは、やはり、議論を拡散することなく、まずは一致点の多い議員任期の延長について成案を得ることに集中して議論してはどうかということであります。
 せっかく議員任期の延長については意見がまとまりつつあるのに、まとまる前に次のテーマに行くことは避けるべきではないかと思います。はっきり申し上げて、現実的に憲法改正を実現したいのであれば、まずは議員任期の延長規定に絞って議論を深めるべきだと考えます。九条改正については、前回の議論を聞いていても、とてもすぐにはまとまりそうにないと感じます。余り欲張り過ぎない方がいいと思います。
 特に、自民党の九条改憲案では、自衛隊ができることは変わらないと主張されています。一方、議員任期の特例延長は、これは憲法を改正しないとできないので、必要性の度合いが全く異なると考えています。また、自民党の国防規定、自衛隊明記論は、改憲理由が抽象的で分かりにくい印象を受けます。改めて、この具体的な課題について意見を申し上げたいと思います。
 まず、最大の問題は、憲法を改正して国防規定を設けたとしても、違憲論が解消されないことです。
 自民党の言う国防規定を設けた場合、自衛隊の組織としての違憲論は解消されても、自衛権の行使という行為についての違憲論は解消されません。これは前回も申し上げましたが、例えて言えば、お父さんの勤め先についての違憲論は消えても、お父さんが行っていることの違憲論は依然として消えません。行為についての法的安定性が担保されないからです。
 新藤幹事は、前回、誰がどのように国を守るのか、これが国防規定だと述べられましたけれども、自民党案では、誰がは明確になっても、どのようにの部分についての違憲論が消えないわけです。その結果、新設される国防規定は違憲論がつきまとう不安定な国防規定にならざるを得ず、命を懸けて国を守る自衛隊の皆さんに対して誠に申し訳ない内容となる可能性があります。これでは、まさに労多くして益なしの改憲となる可能性があります。
 九条改正を検討するのであれば、やはり情緒論ではなく論理的帰着として、戦力不保持を定めた九条二項を削除するか、あるいは残す場合であっても、少なくとも、九条二項の範囲内ではなく、例外として戦力の保持を正面から認める書き方にしないと、違憲論は消えません。
 さらに、国防規定が必要というのであれば、自衛隊を戦力として位置づけなくていいのか、この本質的な議論を避けるべきではないと考えます。
 なお、本日示された新藤幹事の資料で、一番上ですが、九条の現行解釈を維持すべき、そして解釈の明文化は不要という記述は、改憲に向けた大きな矛盾を明らかにしていると感じます。つまり、現行の解釈は維持します、そしてその解釈は書かなくていいということであれば、まさにそのままでいいのではないかということで、まさにこの整理は、自衛権の行使に関して言えば憲法改正が不要だと言っているように見えます。
 それと、法体系の完成という言い方も気になります。逆に言うと、現行憲法の規定は未完成ということになりますが、先ほどの説明では、現行の解釈の下で整合性の取れた法体系が完成しているからこそ、解釈を維持した上で、その解釈の明文化は不要としているのではないでしょうか。未完成というなら、組織に対する違憲論のみならず、行為に対する違憲論にも終止符を打つ改憲とする必要があるのではないでしょうか。そもそも、違憲論の残る国防規定は、とても法体系の整備、完成とは呼べないと考えます。
 最後に、チャットGPTについて申し上げます。
 私、実際、チャットGPTに、憲法九条は改正した方がいいですかと聞いてみました。そうしたら、聞いてください、以下のとおりです。
 憲法九条を改正する必要性については意見が分かれています。一方で、国際情勢やテロリストの脅威が増大する中、自国の防衛力を強化する必要性があると主張する人もいます。また、こうした立場の人々は、九条を残したままでは自国の防衛ができないとして改正を求めています。一方で、九条を改正することが平和主義に反するとして改正に反対する人々もいます。個人的な意見としては、憲法九条は大切な価値観を体現していると思いますが、時代の変化に合わせて議論し、必要に応じて適切な改正が行われることも必要かと思います。ただし、その際には、多様な意見が尊重され、丁寧な議論が行われることが重要ですとの答えが返ってきました。
 これは三十秒ぐらいで返ってくるんです。正直、バランスが取れていて、驚きました。ただ、一つ問題だと思ったのは、改憲論者が、九条を残したままでは自国の防衛ができないとして改憲を求めているという部分です。
 今の議論、自民党の改憲案は、実は自国防衛の強化を目的としていませんね。つまり、国防規定を設ける、解釈はそのまま、書くことは必要ないということは、何か、できないことを追加的にできることをする、つまり、防衛力を強化することを目的としていないんですが、少なくともチャットGPTさんは、この自民党の改憲案の本質をまだ理解していないんですね。
 何を言いたいかというと、もっともらしい答えが返ってくるんですが、このチャットGPTを含む生成AIの答えの正確性、公平性、中立性をどう担保していくかということは極めて重要だと思います。前回、階先生にも申し上げましたが、階先生が提起された情報環境権、これは非常に大事だと思うんですが、人間のみならず、AI自身がどれだけバランスの取れた情報を食べることができるか、入手することができるかという環境整備をどのような規制の下で実現していくのかということが非常に重要だというふうに思います。
 その意味で、私たちが適切に思想、良心の自由を形成できるよう、チャットGPTと憲法十九条との関係についても当審査会で幅広く議論をしていきたいと思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 玉木雄一郎

speaker_id: 29596

日付: 2023-04-27

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会