新垣邦男の発言 (憲法審査会)
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○新垣委員 立憲民主党・無所属会派、社民党の新垣邦男です。
今年の憲法記念日も、地元沖縄で、平和憲法を守ろうと大きな声で訴えてまいりました。
本日は、護憲の立場から発言をいたします。
四月以降、憲法九条の二を新設する、いわゆる自民党の条文イメージ、たたき台素案を文字どおりたたき台にした議論が交わされております。
これについては、公明党や日本維新の会が指摘するように、「必要な自衛の措置をとることを妨げず、」との文言では九条一項、二項の例外規定と読める余地が残されるとの意見に賛同をいたします。
というのも、自民党案では必要な自衛の措置の内容が限定されておらず、自衛の範囲が不明確なため、九条一項、二項を空文化させる可能性が排除されません。自民党は、必要な自衛の措置とは必要最小限度、専守防衛のことであると主張をいたしますが、個別的自衛権や限定的な集団的自衛権といった表現でない以上、フルスペックの制約なき集団的自衛権を認め、自衛隊が保有する装備も無制限に拡大する危険性は残ります。多くの憲法学者や弁護士会の声明も同様の懸念を示しております。
また、自民党の新藤幹事は、前回、四月二十七日の審査会で、必要最小限度や専守防衛の解釈を明文で規定したとしても、脅威の内容や程度によって相対的に判断しなければならず、その時点での解釈に委ねるのが適当との意見が多数派であるとの論点整理をされました。
昨今の国政を見ておりますと、私は、時の政権の解釈に判断を委ねることほど危険なものはないのではないかと思って、大変危惧をしております。
憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を容認し、殺傷能力のある武器輸出解禁の是非に焦点を当て、防衛装備移転三原則の運用指針見直し協議を始めた政党が現に政権を掌握する中、憲法審査会の場で自民党の委員の皆様が一様に、憲法九条一項、二項は堅持すると繰り返し発言をされておりますが、私はにわかに信じ難いものがあります。同時に、自民党の改憲案では自衛隊ができることは変わらないと主張されるのであれば、そもそも自民党の九条改憲案は必要ないのではないかと私は思ったりいたします。
自民党は、国防規定や自衛隊の明記によって現憲法の欠陥部分を補い、憲法を頂点とする我が国の法体系を完成させると繰り返し主張しますが、前回の審査会で共産党の赤嶺委員が述べたとおり、憲法の上に日米安保があり、国会の上に日米地位協定がある以上、憲法法体系を侵食する安保法体系を是正しない限り、少なくとも、日米地位協定の全面改正なくして我が国の法体系の完成と主権の確立はあり得ないと強く指摘をしておきたいと思います。
最近に至っては、台湾有事は日本有事、台湾有事は沖縄有事であるといった発言が自民党の国会議員の先生から公然となされております。敵基地攻撃能力の保有が抑止力になるとの説明を岸田総理や外務、防衛両大臣は繰り返ししますが、安保三文書改定によって、中国、ロシア、北朝鮮は日本政府を批判し、対抗措置を取ると明言をしております。むしろ安保三文書が東アジアを不安定にさせる原因になっている事実を、政権与党の国会議員の皆様には直視していただきたいなと思っております。
戦争になれば、軍隊のある場所が標的になるというのが沖縄戦の教訓です。現に太平洋戦争の際には、米軍の軍事拠点になるとの理由で、日本軍は、オーストラリアのダーウィンを六十回以上にわたって空襲しました。
住民らの避難手順を示す国民保護計画の実現性にすら疑問符がつく中、陸上自衛隊のミサイル部隊を沖縄の先島地域に配備して標準化させ、その標的を守るために迎撃用ミサイルを配備するのでは本末転倒だと思います。
日本は、憲法に基づく平和主義の下、日本の武器によって国際紛争を助長しないとの方針を継承してきました。殺傷能力のある武器輸出を認めれば、平和国家としての理念を築き上げてきた国際社会からの信頼が大きく揺らぐことを自覚すべきだろうと思います。
沖縄に暮らしておりますと、憲法九条を含む改憲論議そのものが、東アジアを始めとする諸外国に九条破棄を想起させ、疑念を抱かせるのではないかと思う場面が多々ございます。国家安全保障戦略においても、我が国の安全保障の第一の柱は外交力であることを掲げている以上、周辺諸国を無用に刺激し、平和外交の支障となり得る要素を極力排除することに政治は全力を尽くすべきだろうと思います。
そのことを最後に強く申し上げ、私の意見を終わります。