三木圭恵の発言 (憲法審査会)
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○三木委員 日本維新の会の三木圭恵でございます。
本日は、国民投票についてということですので、昨年に意見を述べました部分と重なることも多くありますが、再度、大事な論点について述べさせていただきます。できましたら、何度も同じ議論を繰り返すのではなく、一定の結果を導き出すべきと考えます。
それでは、意見表明に入ります。
まず、令和四年四月二十七日に提出されました三項目については、その内容が、開票立会人の選任に関わる規定整備、投票立会人の選任要件緩和、ラジオによる政見放送にFM放送追加という案件ですから、早急に審議に入り、結論を見るべきと申し上げます。
国民投票における公平公正に関する考え方でございますけれども、我が党の基本的な考え方が、立憲民主党の主張とかなり違う部分がございます。
立憲案の方では、先ほど階幹事の方からもおっしゃられておりましたけれども、まず、1の(1)、(2)に、国民投票運動のための広告放送の全面禁止と言われておりますが、これは、賛否の投票の勧誘である国民投票運動のための広告放送において、主体を問わず全期間禁止され、また、政党等は賛否の意見表明でも一律に禁止するという案でございますが、これこそやはり、表現の自由を侵害し、憲法違反のおそれがあるのではないかという懸念がございます。また、国会の発議に至る議論の当事者である政党による放送を通じた情報提供を一律に規制することは、国民の議論の判断の重要な資料を奪うことにつながると考えます。
民放連でございますけれども、冷静な判断を行うための環境整備を確保するため、賛否の意見表明のための広告放送についても投票十四日前から取り扱わないとの基本姿勢を示しており、その他のことは、既に考査ガイドラインも公表されておりますので、この民放連の自主的取組に加え、広告の出し手である政党の紳士協定、広報協議会による公営放送の充実や指針の策定などで対応としては十分と考えますが、いかがでしょうか。
次に、立憲案の2の国民投票運動等のためのネット等の利用に係る規制について、ネットの動画広告は、ラジオ、テレビと同様に、感情に訴える、扇情的な影響力を持つ広告であると考えられますが、立憲案のように政党等による有料広告を禁止してしまうと、政党等以外のものは賛否の投票の勧誘のための有料ネット広告が禁止されていないため、バランスを失います。政党等のみに規制をかけると、かえって言論空間のゆがみを拡大してしまうおそれがあると考えます。
ネット広告について規制をかけることは非常に難しいので、ネット業者の自主的取組や指針の策定でも全てに網はかけられません。また、ネットCMという形ではなくとも、ユーチューブで配信するなど、意見表明というのは様々な形でなされます。そういった、玉石混交のネット広告の真偽、ネットで流される情報の真偽を国民自身が取捨選択するためにも、テレビ、ラジオなどによる多角的論点の提示が必要ではないかとの見解が、昨年の憲法審査会で民放連の永原参考人より示されました。
テレビ、ラジオに規制をかけることは、ネット広告に規制がかけられないことを念頭に慎重であるべきと考えます。片方は規制しているのに片方は規制できないという状態は、公平性の観点から非常に問題です。よって、テレビ、ラジオに民放連が示している考査ガイドライン以上の規制を行うことは必要ないのではないかと考えます。
フェイクについても、情報があふれて、次から次へと雪崩のように押し寄せてくるネットの環境は、法規制ではなく、自律的な取組を通じた誤情報の自然淘汰に委ねるべきではないかと考えます。また、ファクトチェックを自発的に行う民間サイトなども出てきておりますので、そういったサイトを運営する民間企業とも広告協議会が連携することは、方策としてあり得るのではないでしょうか。
プラットフォーマーの努力も欠かせません。フェイクについて、またマイクロターゲット広告については、一定の常識的運営が望まれます。
受け手の課題もございます。情報リテラシーとして、小学生の頃から、教育現場でも、ネットの情報は玉石混交であることをきっちりと教えることが大切になってくると考えます。
しかしながら、こういった数々の課題は、国民投票のみに限られた課題ではなく、この憲法審査会で議論するのが果たしてふさわしいのかどうか、論点を整理することが必要と考えます。
次に、資金規制についてです。
どの範囲のものまで規制の対象とするかが課題となっていると考えます。政党等については規制の対象とすべきとも考えられますが、既に政治資金規正法で透明化されています。
一方、民間の団体や個人についてまで資金規制の対象とする必要があるかということは、事務の煩雑化により潜脱的な支出等が行われ、かえって不透明化するのではないかとの懸念があります。実際に国民投票が行われるとなれば、政党等以外の団体は多数に上ると予想され、一団体当たりの上限額を設けたとしても、団体数が制限できない限り無意味となるので、その意義が乏しいと考えます。また、個人についてまで資金規制の対象とする必要があるかどうかは、事務の煩雑化により、過度な事務負担が生じることとなります。
団体にしても個人にしても、収支報告書の作成や公表は国民投票の期日後に行われるため、投票結果に影響を与えづらいので、過度な事務負担が生じる割に意義が乏しいと考えられます。よって、資金規制については、無駄に煩雑な事務作業を増やすだけで、成果に乏しいのではないかと思われます。
我が党はそのような考え方ですので、立憲案に、国民投票運動に関する支出が一千万円を超える団体の届出制及び収支報告書の提出等とありますが、まず、団体の支出が一千万円を超えるかどうかを把握することが困難である上に、一千万円を超す団体の数が多数に上ると、広報協議会や中央選管、都道府県選管に過度な事務負担が生じてしまいます。
支出限度額の設定については、立憲案では五億円とありますが、複数の団体に分けて支出すると容易に規制を潜脱することができてしまい、実効性に乏しいと考えます。仮に広告規制や資金規制を設けるとしても、それらの違反行為には違反者の罰則等で対応すれば足りるのではないかと考えます。
さきにも述べましたが、収支報告書の公表は国民投票の期日後に行われることになるはずですが、その意義が果たしてどこまであるか、疑問でございます。それは、選挙の場合は当選取消しなどがありますけれども、国民投票で結果を覆すようなことはちょっと考えられないかなと思われます。
次に、外国人等からの寄附の受領の禁止等とありますけれども、外国人にも政治活動の自由は保障されており、公選法上、外国人の政治活動だけでなく、選挙運動も規制されていません。政治資金規正法上、政治活動に関する寄附を受けることは禁止されておりますけれども、それ以外の外国人等からの寄附については規制がないことを考えると、選挙制度における取扱いと整合性が図られないのではないかと考えられます。
無効事由についても、国民投票が無効になる場合として挙げておられますけれども、国民代表機関である国会と主権者たる国民の判断が明確に示されたにもかかわらず、司法判断で事後的に国民投票の結果が容易に覆ることは適切ではないと考えます。
そのため、無効起訴における無効事由をむやみに拡大すべきではないと思います。明らかな虚偽や、規制に重大な違反があった、支出、寄附行為につき重大違反があったということが無効事由として挙げられておりますけれども、それがどれぐらい国民の投票判断に影響を及ぼしたかを定量的に測ることは不可能でございます。
そのほかの考え方でございますが、一つには、国民投票と国政選挙は同時に行うべきではないとの考え方がございますが、法律で一律に禁止すると、例えば技術上の改正で高い投票率を期待し難いような場合、例えば憲法七十九条や八十九条の改正などの場合は、同時実施により投票率の向上を期することができなくなり、硬直的になってしまいます。
また、特に衆議院の解散との関係で、既に設定されていた国民投票の期日を機械的に延期することとなれば、多大な影響と混乱が生じることにもなります。また、同時実施は投票に係る経費を大幅に節約することができる利点もございます。
国民投票と国政選挙の同時実施の可能性を法律で排除することは柔軟な運用を阻害すると考えますので、そのような考え方には維新としては反対でございます。
いつまでもCM規制の件で国民投票法案が膠着状態のままなのは、非常に憲法審査会としても問題であると私たちも考えております。
新藤筆頭幹事から御発言があったように、国民投票広報協議会の組織等に関する課題、細則や規程をどうするか等の議論を深め、早急に全てのことにおいて結論を出すことをお願い申し上げまして、私の意見表明といたします。
ありがとうございます。