奥野総一郎の発言 (憲法審査会)

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○奥野(総)委員 立憲民主党、奥野総一郎でございます。
 まず、国民投票法に関して申し上げますが、制定後十年以上がたって、当時想定していなかったグローバル化やAIの実装など、社会環境の大きな変化が生じています。ブレグジットやアメリカ大統領選挙、これはトランプが勝ったときということになるんでしょうけれども、見てください。
 我が国の憲法改正国民投票でもこうした事態は起こり得ます。附則四条というのは、このような状況を踏まえて、施行後三年をめどとして、投票環境向上のための措置だけではなく、公平公正確保のため、CM規制、ネット規制、そして国民投票運動等の資金規制等について、必要な法制上の措置その他の措置を講ずることを求めたものであります。
 こうした立法趣旨から、附則四条に基づく措置が講じられるまでは憲法改正発議はできません。この点は、附則四条の審議の際に、発議者そして原案作成者としての私の答弁としても残っているところであります。
 また、この施行後三年の期限は二〇二四年九月であり、来年の通常国会までに必要な法制上の措置その他の措置を講じなければならないということになります。憲法改正に真剣に取り組もうというのであれば、国民投票法改正の検討をしっかり急ぐべきであります。
 特に、附則四条二号ロの国民投票運動等の資金に係る規制については、先ほど三木委員からも発言がございましたけれども、ほとんど議論が行われていません。これは、海外では実際に資金規制が行われて、国民投票が実行されています。
 南部義典先生によれば、EU離脱の際のイギリス、ブレグジットの国民投票では、運動期間中、一万ポンド、これは今、レートが円安で一ポンド大体百七十円ですから、今のレートだと百七十万円ぐらいですね、を超える支出を見込む個人、団体は登録義務があって、登録をすると、登録運動者には支出上限額が七十万ポンドという上限が定められていました。そして、この登録運動者の中から、賛否それぞれについて主導運動者、運動を主導する者の認定を行って、主導運動者になると七百万ポンドまで支出できました。これは十数億円ですかね、支出ができることになっていました。
 そして、登録運動者は、五百ポンド以上の全ての寄附及びローン等について、これは投票期日前に、先ほど投票後で意味がないとおっしゃいましたけれども、投票期日前に寄附については分けて報告するようになっていました。そして、支出については投票期日後に報告する。それぞれ報告が義務づけられていました。そして、外国人、外国法人による寄附は原則禁止でありました。
 ニュージーランドの国民投票でも、ほぼ同様の仕組みが取られているというふうに理解しています。
 そして、オーストラリアでは、今年の三月に成立した改正国民投票法で、期間中の一定額を超える寄附、支出に関する報告書の中央選管への提出、そして、外国人の百豪ドル、オーストラリア・ドル、これは、今、一オーストラリア・ドル九十円ぐらいなんですかね、一万円弱を超える額の寄附の禁止を定めていますということであります。
 資金の多寡で国民投票の結果が左右されることは防がなければならない、これは皆さん、ほぼ共通した合意だと思うんですが、そして同時に、憲法改正に対する外国人それから外国政府の干渉が絶対にあってはならないということだと思うんですよ。そのためにどうするかということでありまして、先ほど実効性云々という話もありましたが、実際に国民投票が行われてきたこうした国々の例を参考に、どうすれば実効性のある資金規制ができるのか、きちんと議論をした上で結論を出すべきだと思います。
 運動資金規制について、集中討議及び参考人質疑を求めたいというふうに思います。
 それから、次に、先週の参考人質疑について少々申し上げたいと思いますが、まず、両参考人が意見が一致したのは、任期満了後の総選挙の実施不能の場合にも参議院の緊急集会の招集が憲法上可能であるということは、両参考人は一致をしていました。ただし、七十日を超えて緊急集会が開催できるかどうかについては意見が分かれました。
 大石先生は、参議院の緊急集会が両院同時活動の原則に対する例外を成すものであることを考えますと、その存続期間は、憲法上、やはり最大七十日という制約に服すると考えるのが合理的とおっしゃっておられました。一方、長谷部先生は、憲法はこれを容認しているとおっしゃられました。その理由というのは、七十日という制約は、現在の民意を反映していない従前の政府がそのまま政権の座に居座り続けることのないようにとの考慮からであり、その間接的、派生的な効果にすぎない。そして、従前の衆議院の任期を延長する、そしてさらに、従前の政権の居座りを認めるというのは、まさに本末転倒の議論ではないかと断じておられました。いずれの先生の議論も私は一理あると思います。
 そして、選挙困難事態に関しては、参考人質疑では余り議論になりませんでした。長谷部先生からは、衆議院の定足数を確保できないような事態が本当に起こり得るのかという御趣旨の発言がございましたが、この点に関連して、一部選挙区が選挙困難事態となった場合、北側先生なんかもおっしゃったと思いますが、全国一律に選挙そのものを延期すべきかどうか、そして、どのような場合に選挙全体の延期ができるのかという点について、もう少し詳しく議論をすべきであります。
 また、衆議院が不存在となるような選挙困難事態があるとして、それは誰が認定するのか。私は、これまでも、憲法裁判所等の司法を関与させるべきと申し上げてきましたが、この点についても議論が必要だと思います。
 選挙困難事態の議論を緊急集会と併せて深める必要がありますので、この点についても質疑を求めたい、集中討議を求めたいと思います。
 大切なことは、何が何でも緊急集会によるとか、何が何でも議員任期延長によるということではなくて、どうすれば危機に際して民主的な正統性を保ちながら国会機能を維持できるような制度をつくるか、制度論なんですよね、だというふうに思います。
 参議院と合同で議論をして、これはやはり結論を出すべきなので、長期の選挙困難事態についてきちんと議論をして結論を出すべきだと思います。しっかり議論を詰めていきたいと思います。
 私からは以上です。

発言情報

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発言者: 奥野総一郎

speaker_id: 32692

日付: 2023-05-25

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会