柴山昌彦の発言 (憲法審査会)
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○柴山委員 自由民主党の柴山昌彦でございます。
私は、憲法五十四条二項に定める緊急集会を任期満了時に活用するということにつきましては、その文言が、そのように定められていないこと、また、この参議院の緊急集会が、先ほど来お話があるように、権限に限定があると解されていること、また、二院制の例外となることから、極めて慎重に議論をするべきだというように考えております。
前回の参考人質疑で、長谷部参考人は、憲法五十四条二項の目的は、現在の民意を反映していない従前からの政府や政権の居座りを防ぐことだというように述べておられます。
しかしながら、議員任期の延長に際して、選挙困難事態の認定あるいはその延長について厳格な判断をすることによって、そのような濫用を防ぐことができます。私は、その認定は、司法ではなくて、例えば、中川幹事が先ほどおっしゃったような、国会あるいは国会に設けた機関などの認定によって客観的に行うという手段が考えられるのかなというように考えております。
緊急事態が終了した後には、そこで選挙が実施され、そしてまた、新たに政策の見直しが実施されることによって民主主義が健全に機能していれば、そのような居座りなどということを考えることは私は余地がないというように思います。
そして、何よりも問題なのは、長谷部参考人が、繰延べ投票を活用して、投票ができるようになったところから順次投票を行っていけばよいと述べたことであります。
これも、先ほどから議論があるとおり、比例代表選挙については、その比例ブロックの一部でも選挙を実施しないと当選人を確定することはできません。また、被災地で選挙ができないことから、そこの地域の議員が一院において空白になるということがあり得ます。緊急事態対応を講ずる上で肝腎な地域の代表者が選出できないということになるわけです。
先ほど赤嶺委員は、選挙は国民の重要な権利だとおっしゃいました。当該地域の代表においても、居座りだからどかせろということを赤嶺委員はおっしゃるのでしょうか。
この一人一票の原則、そして民意を可能な限り正確に反映すべきということは、例えば、一票の格差において、地域間における国民の投票価値の平等をあれほどまでに裁判所がしっかりと要求しているということからも明らかであるかと思います。ゆがんだ民意を使ったこのような緊急事態の対応というのは、私は極力避けるべきだというように考えております。
そして、長谷部参考人は、七十日を超えても緊急集会で対応すればよいというふうにおっしゃっていますが、これは、北神委員がおっしゃるとおり、もしそれを認めてしまうと、衆議院の多数派を取ることができない、少数の会派に信をおく内閣が、あえてこの事態を活用するために、選挙を行わず、そして、参議院の緊急集会で望む政策を行うということを恒久化してしまう可能性が避けられません。
緊急集会で対応している間は、内閣は職務執行内閣にすぎないわけです。そして、その内閣の大部分は前衆議院議員ということになります。そのような内閣が長期間にわたって緊急事態に対応するということが、果たして正当化されるのでしょうか。
そして、ちょっと考えれば分かることなんですけれども、もし議員任期延長というものを想定しなければ、例えば今日この後、直後、非常に強毒性の高いパンデミック、感染症が発生して、コロナは三年で収まりましたけれども、今後五年間選挙困難事態が継続した場合には、衆議院のみならず、参議院議員も一人も議員がいなくなっちゃうわけです。そのような場合に、緊急集会も開催されないということになりかねません。
そのような事態が本当に起きるのかどうかということはともかく、先ほど来お話があるとおり、あらゆる事態を想定して、任期の延長ということを緊急事態条項の一部として定めていくということは、私は国民にとって必要な国会の責務であるというふうに感じますので、そのことを申し上げ、私の意見とさせていただきます。