吉田宣弘の発言 (憲法審査会)

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○吉田(宣)委員 公明党の吉田宣弘です。
 本日も意見表明の機会をいただきましたことに、会長を始め皆様に感謝を申し上げます。
 国民投票法について意見表明を行います。
 まず、国民投票法改正附則四条一号に規定されている投票環境の向上についてでございます。
 この点、昨年四月に本審査会に付託されております三項目の国民投票法改正案は、投票環境の向上、有権者の利便性向上に資するものであり、公職選挙法にも既に措置されている内容でありますので、内容においていささかも問題はなく、速やかに成立をお図りいただきたく、私からもまずお願い申し上げたいと存じます。
 次に、附則四条第二号に規定されているCM規制について申し述べさせていただきますが、その前提として、偽情報ないしは誤情報に対してどのように対応していくべきかについて申し述べたいと存じます。偽情報ないしは誤情報を野放しにしてはならないことは言うまでもないことですが、国民投票に限らず、以下に述べる点に留意をすることが必要であると考えます。
 一つ目は、偽情報、誤情報に対して公権力が直接介入することは好ましくないと考えている点です。
 偽情報、誤情報、これらフェイクニュースとも呼ばれるものといえども表現行為であり、それに先立ち、公権力がその内容を事前に審査し、不適当と認める場合にその表現行為を禁止してしまうことになれば、最悪、その公権力の介入は、憲法二十一条二項が禁ずる検閲に当たりかねないからです。表現の自由は最大限尊重されなければならず、まずはデジタルプラットフォームの自主規制が基本となると考えます。
 二つ目は、昨年六月二日に憲法審査会に参考人として御出席いただいた楊井人文参考人がお述べになられたとおり、複数のファクトチェック団体が活動している状態をいかにつくり出していくのかという点です。
 複数必要であるという理由は、ファクトチェックそれ自体が価値判断に基づくものであり、二つの価値が対立している場面では、どちらの価値に重心を置くかで結論が異なってくると考えるからです。
 楊井参考人によると、世界では活発に行われているファクトチェックが日本ではまだまだのようでございますが、報道によりますと、日本ファクトチェックセンター、JFCは、先月三十一日に、楊井参考人も紹介された誤情報対策の分野で世界的に影響力がある国際ファクトチェック・ネットワーク、IFCNの加盟団体として認証されたとのことでございます。憲法審査会としてもこれからの動きに注視していくべきと考えます。
 三つ目には、正しい情報をいかに多く発信していくかという点です。
 悪貨は良貨を駆逐するというグレシャムの法則、ここに、グレシャムの法則とは、一つの社会で、名目上価値が等しく、実質上の価値が異なる貨幣が同時に流通すると、良貨はしまい込まれて市場から姿を消し、悪貨だけが流通するという法則ですが、この法則の逆のトレンドをいかに形成していくかということです。この点、国民投票広報協議会の存在が重要になると考えますが、後述します。
 四つ目は、五月二十五日の憲法審査会において我が党の國重委員の主張にもございましたが、国民のリテラシー能力の向上をどのように図るかという点で、これも重要です。私は、この点においても国民投票広報協議会がやはり重要になってくると考えております。
 そして、今申し上げた四つの偽情報ないしは誤情報対策のポイントは、国民投票についてネットの場面における公平公正を検討するに当たっても共通するように思います。まずは、国民投票における適正なネットCMの在り方や偽情報、誤情報対策を検討する際には、業界団体、事業者側や、広告主である政党などによる自主的な取組に委ねることを基本とすべきと考えます。その上で、国民投票広報協議会の在り方が極めて重要であると考えます。
 国民投票広報協議会の役割や権能につきましては、五月二十五日の新藤筆頭の意見表明の中で詳細に説明されましたので重複は避けますが、一言で申し上げれば、憲法改正に対する少数意見、反対意見と言ってもいいかと思いますが、反対意見についても実に公平公正に配慮されている点に注目したいと存じます。
 特に、国民投票広報協議会による、一、公報の原稿の作成、二、放送及び新聞広告、加えて、その他憲法改正案の広報に関する事務、これにはネットCMも含まれなければならないと考えますが、これらが賛成、反対共に公平公正に行われますので、先ほど申し上げた正しい情報の提供の観点、国民のリテラシーの観点から、大変に重要な意義を有していると考えるわけです。
 繰り返しですが、国民広報協議会の行う広報活動の役割が極めて重要です。そこで、できれば、事務方によるたたき台の案を作成していただき、その在り方を具体的に検討し、規程等の策定の議論を前に進めていただくように、森会長を始め幹事会の皆様に御要望申し上げたいと存じます。
 次に、国会図書館が作成しているレポートを参考に、立憲民主党から、欧州各国が国民投票においてオンライン広告規制を実施していることを強調する主張がなされております。しかし、この点については留意が必要であると考えます。一見すると、各国が国民投票において強度のオンライン広告規制を実施しているように見えます。しかし、レポートの掲載国は、選挙における規定を国民投票に準用するというように、選挙においても国民投票においても同様の規制を行っている国が多いように見受けられます。
 我が国は、箸の上げ下ろしまで規制すると言われるほどに強度な選挙運動規制を行うのに対し、国民投票運動は原則自由という点が特徴であり、諸外国とはベースが異なると考えます。各国で強度のオンライン広告規制を実施しているという事実だけを強調するのではなく、基礎となる仕組みが異なっていることや、各国では選挙運動と国民投票運動を同等に規制しているなどを踏まえて検討する必要があるのではないかと申し上げて、私からの意見表明とさせていただきます。

発言情報

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発言者: 吉田宣弘

speaker_id: 23085

日付: 2023-06-08

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会