門馬和夫の発言 (財務金融委員会)

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○門馬和夫君 南相馬市長の門馬和夫であります。
 私は震災当時、市の職員で、経済部長でありました。あの大震災のとき現場で復旧作業に当たってきたわけでありますが、その後、市会議員になりまして、平成三十年から、復興に寄与したい、百年のまちづくりを実現したいという思いで市長に挑戦させていただいて、今、市長二期目、五年となっております。
 今回の意見聴取の主目的と理解しておりますが、防衛力強化に係る財源確保の措置が復興事業に影響を与えるかどうかという点について、被災地の自治体として意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 まず、結論を申し上げさせていただきます。
 被災地として大切なことは、必要な復興事業が必要な時期に着実に実施できることです。また、そのために必要な裏づけがなされていることも重要です。
 これまで、東日本大震災の地震、津波被害、さらには原子力災害からの復興事業については、復興財源の総額が確保され、必要な事業が、一歩ずつではありますが、着実にできてきているものと認識しております。
 今後の原子力災害からの復興についても、予算確保も含めて国が前面に立ち、責任を持って事業を行うと政府が発言されており、このように進むものと期待しております。
 復興財源の確保についても、引き続き国の責任において確実に確保することをお願いするところでありますが、今回の所得税の措置においても、復興財源の総額を確実に確保する、さらには、加えて、税制改正大綱には、住民の帰還、居住、あるいはF―REIなど息の長い取組をしっかりと支援できるよう、東日本大震災からの復旧復興に要する財源については引き続き責任を持って確実に確保するとの旨が盛り込まれており、いわゆる復興財源は国で責任を持って確保するものと承知しておるところであります。
 次に、こうした発言に至る背景や被災地の現状について、若干御説明させていただきたいと思います。
 東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故から十二年が経過する中、改めて、関係機関の皆様には、これまで様々な形で南相馬市始め被災地の復興に御尽力いただいていることを、改めて御礼申し上げます。
 一方で、復興は進んでいるものの、まだまだ途上のところもたくさんあり、かつ、一歩、一つ改善すると、また新たな別の課題も発生するというのが現状でもあります。
 若干具体的に申し上げます。まず、復興が進んだ点、分野ということで申し上げさせていただきます。
 大前提といたしまして、今回の大震災は、地震、津波、原発被害、こうした大きく三つの分野があります。その上で、比較的進んだ分野としては、地震、津波被害からの復興だと捉えております。
 今日、お手元に、「南相馬市の現況と発展に向けた取組」という、このような資料をお持ちいたしました。この七ページに記載されておりますが、南相馬市では、市の面積の一〇%が津波で冠水しました。また、地震、津波で、住家の全壊が千二百七十七世帯、全体の五・三%が全壊いたしました。また、被害世帯は五千三百世帯を超えておりまして、二二%が地震、津波で被害を受けたという状況です。
 こうした地震、津波被災地域については、東日本大震災復興交付金等を活用させていただき、防災集団移転促進事業あるいは災害公営住宅整備事業などが完了し、公共インフラの復旧や住まいの再建など、一定のめどがついた状態と理解しております。
 一部、こうした地震、津波で残っている点は、農業再開に関する点などとなっております。
 一方で、もう一つの、原子力発電所の事故に係る復興については、全体としてようやく緒についた状況で、また一方で次々と新しい課題も出ている、こんな状況でおります。
 原子力事故の状況については、市全体で申しますと、事故後、農地や居住地域の除染やインフラの復旧などが行われ、徐々に住民帰還が進んでおります。
 同じく九ページから十ページに人口の推移を記載しておりますので、御覧いただきたいと思います。震災前七万一千に対して、現在の居住者は約五万七千人となっております。
 復興が進捗している、人口が回復しているとも思われますが、実は、構造的に大きな問題が起きております。少子高齢化が一気に進んだ点です。十ページとかを御覧いただければと思います。全体的に、この十年間で、国全体から見ると三十年ぐらい少子高齢化が進んだのではないのかなというふうに捉えているところです。
 高齢者は帰還が進んで、実は、高齢者の人口は震災前より増えております。そうした一方、若い人が戻らないため、生産年齢人口が急激に、大幅に減少し、例えば介護や福祉など労働条件が悪い分野で深刻な人手不足が生じるなど、地域経済や生活関連サービスに支障を来している状況でございます。
 また、十六ページにありますが、子供たちや出生数は震災前の半分です。このため、市では現在、子育て世代が暮らしやすいまちづくりや、雇用の創出や、移住者増などにより、生産年齢人口回復に努めているところであります。
 そして、復興途上、あるいはまだまだこれからだというのが、旧避難指示区域であった小高区等です。
 震災前、一万二千八百人おりましたが、現在、新規居住者を含めても三千八百人です。高齢化率は五割に達するなど、原発立地地域である双葉郡と同様です。あるいは、比較的解除が早い分、二十八年七月に解除しましたが、帰還が早い分、その後新しい課題も次々発生している状況であり、双葉郡のこれからの復興、あるいは、復興状況の先進的なといいますか、一つの指標にもなるのかなというふうに考えているところであります。
 いずれにしても、これから本格的な復興段階だと捉えております。また、市内には、市の面積の六%、二十四平方キロメートルの帰還困難区域も残っております。
 こうしたことから、市としては、これからも、例えば環境放射線の測定やモニタリング、これはまだまだ継続が必要です。あるいは、帰還はしたんだけれども孤立しがちな高齢者の見守りや生活支援事業、これも必要です。また、農業の復興。農地、圃場の復旧に加えて、野菜や花卉などの園芸作物の振興とか、あるいは農業の担い手育成を行いたいと思っております。
 二次産業、三次産業の雇用の場の確保も急務です。小高区に産業用地がありませんので、整備が必要だと思っております。あるいは、自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金あるいは実用化開発等促進事業補助金等による企業の誘致や新規創業者の支援に努めてまいりたいと考えているところであります。
 改めて申し上げますが、市民がこの地で生活するためには、まだまだ、様々な復興事業が必要です。被災地としては、復興状況に応じた各種事業を着実に実施すること、必要な時期に必要な財源手当てをしていただくことが大変重要であります。加えて、これから中長期にわたる対応も必要であり、今後、復興のステージが進むにつれて新たな課題も出てくることが想定されることから、被災地の復興が停滞することのないように、息の長い取組についても、引き続き国で責任を持って財源を確保し、しっかりと支援していただきますことをお願い申し上げまして、意見を終了いたします。
 以上です。

発言情報

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発言者: 門馬和夫

speaker_id: 31466

日付: 2023-06-21

院: 衆議院

会議名: 財務金融委員会