2023-04-26
衆議院
斎藤アレックス
政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会
斎藤アレックスの発言 (政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会)
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○斎藤(ア)委員 国民民主党の斎藤アレックスです。
本日は、昨年末に続いての自由討議が開催に至ったことに関して、与野党の筆頭の皆様、理事の皆様の御尽力に感謝を申し上げます。
本日、私からは、選挙運動期間の定めに関して、ディスインフォメーション対策に関して、そしてインターネットの活用に関しての三点で意見を述べさせていただきたいと思います。
まず、選挙運動ができる期間の定めを見直すべきとの意見を申し上げます。
選挙期間を限定することは、様々な矛盾を生み出してしまっています。
例えば、ビラの問題があります。選挙期間前であれば、政党機関紙の号外として、ほぼ専ら候補者や候補者の政策を紹介するビラを何枚でも何回でも印刷をして、ポスティングや新聞折り込み、配布をすることが可能である一方、選挙本番になると、配布できるビラの種類、枚数には制限があり、ポスティングはできなくなり、街頭演説や個人演説会の会場以外では配布できなくなり、極めつけに、全てのビラに一枚一枚証紙シールを貼らなければならなくなります。
選挙期間中は、海外の民主主義国で一般に行われている、住居などを訪問して投票依頼を行う戸別訪問が禁止されていますが、選挙前であれば、後援会への入会、紹介活動のために行う戸別訪問、個別面談はできます。
街宣車による活動も、選挙が始まる前の期間であれば、投票を呼びかけないといった点に気をつければ、選挙中は名前の連呼しか許されない一方、選挙前であれば政策を訴えて走るということができてしまいます。
SNSでの広告出稿も、そして朝八時前の駅でのマイクを使った街頭活動も、ポスターの掲出も、投票を呼びかけないということなど一定の注意をすれば、選挙前の方が選挙期間中よりも実質的に様々な活動ができてしまって、選挙が始まる頃には既に選挙結果は決まっていると言われるような状態にもなってしまっています。
一方で、選挙前はどの選挙に出るのかを明らかにすることができないので、活動を行っている候補者にどの政策分野で意見を言えばよいのか、有権者にとっても分かりづらくなってしまっているという問題があります。
このように、有名無実になっていたり、誤解を生んだり、分かりにくくなってしまっている選挙運動期間の定めに関して、なくしていく方向で検討し、時期にかかわらず、できることとできないことを時代に即した形で改めて整理をして法制化し、明確にする、そういったことをするべきだというふうに考えております。
次に、ディスインフォメーションの問題について速やかな対策が必要との意見を申し上げます。
二〇一六年のアメリカ大統領選挙に関して、ロシアのグループが、選挙の結果に影響を与えるため、情報操作等の活動を行っていたことが明らかになっています。その後は、SNS各社での対策などもあって、同様の問題は鎮静化しているとも言われますが、今後は更にこのディスインフォメーションの危険性が高まることになります。その最大の理由が、チャットGPTに代表される高度な生成系AIが実用段階に達していることにあります。
チャットGPTのような極めて自然な文章を生み出す言語生成系AIを活用すれば、これまでよりはるかに少ない人員で、様々な言語で違和感のない文章を大量に生成することができるようになり、それらをSNS上などに大量にアップすれば、偽の情報を、あたかも実在する多くの人間が持っている意見だとか、あるいは、見た、聞いた人がたくさんいる意見だとして信頼性があると誤解される、そういった情報、世論操作がより手軽にできるようになってしまいます。
より少ない人員でこういったオペレーションが実行可能になるということは、より少ないコストで大量の工作が行えるということを意味すると同時に、関与する人間が少なくなることで、工作を行っているグループなどを追跡し、明らかにすることが困難になることも意味します。
そして、高度な言語生成系AIで実現可能な、違和感のないやり取りを活用すれば、一対一で個人を説得、誘導するようなことも可能であり、また、こちらも急速に発展している画像、動画生成系AIを組み合わせることで、更にもっともらしい情報ややり取りを無限に作ることが可能となり、ディスインフォメーションの脅威の度合いというものはこの一、二年で明らかにステージが変わったことを認識する必要があります。
民主主義の根幹である選挙の公正性を守るのに加えて、他国からの干渉や世論操作を防ぐために、国を挙げて、AIの利用や規制の法制度を整えて、AIによって生成された文書や画像が判別できるようにすることを始め、様々な対策を早急に講じていかなければなりません。この点に関しては、同じ問題を抱えることになる世界の自由主義、民主主義陣営とともに、連携した取組が必要です。
最後に、インターネットの活用を進めるべきとの意見を申し上げます。
まず、有権者がブログ、ユーチューブなどの動画配信、SNSのメッセージやシェア機能を使って特定の候補者に投票を呼びかけることができる一方、メールや携帯電話のショートメッセージを用いると公選法違反になるという意味のない区分けは早急に廃止すべきです。
そして、インターネット投票に関しては、海外に居住する邦人の投票機会の確保という観点にとどまらず、全有権者に向けての実現に向けた検討、研究を更に加速させるべきです。高齢化や過疎化に伴い、投票所に行くことが困難な有権者の割合が増えることや、特に、若年層の投票率が危機的な水準であることを踏まえると、インターネット投票はますます必要性が高まっていると考えます。
以上、選挙運動期間の定めに関して、ディスインフォメーション対策に関して、そしてインターネット活用に関しての三点に関して私の意見を申し述べましたが、これらの論点を含めて、選挙制度のみならず、選挙運動の在り方に関しても議論を進め、見直しに向けて取り組んでいくことを呼びかけさせていただいて、発言を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。