塩川鉄也の発言 (政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会)

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○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 意見表明を行います。
 前回も述べたことですが、そもそも、選挙運動規制があっては、有権者が十分に政策比較できるとは言えません。有権者に候補者情勢がきちんと伝わることが必要です。国民、有権者の自由な選挙活動を妨げている規制をなくし、国民が主権者として自らの代表を選び、政治に積極的に参加していくため、選挙に気軽に多面的に参加できるよう、公職選挙法を抜本的に見直す必要があります。
 まずは、インターネット選挙運動の規制緩和について述べます。
 二〇一三年の参議院選挙から、インターネットを利用した選挙運動が可能となり、ウェブやSNSを利用して投票を訴える選挙運動ができるようになりました。ネット選挙運動の自由化は、有権者にとって、政党、候補者の政策を知る機会を拡大し、国民、有権者が主体的に選挙、政治に関わる機会を増やすことにもなります。ネット上に限定されたものではあっても、国民の基本的権利である選挙運動の自由にとって大きな前進です。
 当時、ネット選挙運動の解禁をめぐって、国会に議席を持つ全ての政党が参加する各党協議が行われておりました。各党とも、解禁では基本的に一致していましたが、その対象や範囲をどうするかで議論が続き、各党協議と並行して、民主、みんなの二党と自民、公明、維新の三党がそれぞれ法案を提出、日本共産党も修正案を提案しました。
 各党協議で大きな問題となったのは、選挙運動を誰にどこまで解禁するかという点でした。日本共産党は、選ばれる側の政党、候補者と同時に、一人一人の有権者がネット選挙運動を自由にできるようにすることが原則であり、有権者個人がウェブサイトや電子メールを選挙で利用できるようにすることは当然だと主張いたしました。今、自民党からも第三者メールの見直しが提起されていることを受け止めておるところです。
 ただし、当時も問題となった、第三者とは何かということが問題です。有権者個人のみならず、企業や団体も含めて第三者として選挙運動ができるようにすることは許されません。憲法十五条は、選挙権の行使は主権者である国民固有の権利であるとし、投票の秘密を侵してはならず、選挙人を制約してはならないとしています。選挙運動は、国民の基本的権利を成すものです。
 一方、法人企業は、有権者ではなく、選挙権も被選挙権も持たない存在です。主権者ではない、営利を目的とする企業が、その組織力や資金力に物を言わせてネット選挙運動を行い、選挙に影響を与えることになれば、国民の基本的権利を侵しかねません。
 公選法は、リアル社会では法律で認められた手段でだけ選挙運動を認め、それ以外の選挙運動を実質的に制限、規制する仕組みを取っています。ですから、現行法の体系の下では、企業の選挙運動禁止とは書いていなくても、企業は、リアル社会において実質的に選挙運動のツールを持てず、選挙運動はできません。
 これが、企業などもネット上で選挙運動ができるようになると、話は違います。企業などの選挙運動は、国民の基本的権利を侵害するおそれがあります。
 特に、メールの場合は、情報提供者が受け手の受信意思とは関係なく一方的に送信することができ、受信者の端末にダイレクトに情報が届き、密室性が高いのが特徴です。このことから、企業が選挙運動のツールとして利用すれば、個人とは比べ物にならないくらいの膨大なメールアドレスを取得している名簿などに基づいて、大量に、一斉に、一方的にメールを送ることが可能となり、その影響は大変大きいものとなります。
 したがって、メールを含めたネット選挙運動は、主権者である国民一人一人に解禁すべきです。
 なお、企業、団体が政治的発言をすることはあり得ることで、その表現の自由は認められます。しかし、有権者個人の権利に基づく選挙運動においては、企業などの自由な活動は容認できないということであります。
 また、現行では、有権者個人は、候補者、政党等から送られてきた選挙運動用メールを転送することもできず、メールと同じような機能を持つSNSは利用できるのにメールは利用できないということになり、とても分かりにくいものとなっています。有権者個人にウェブ利用もメール利用も全面自由化するという立場から、選挙運動用電子メールの送信先の規制や保存義務も簡素化する必要があります。
 次に、特定の候補者に対する誹謗中傷対策、選挙におけるディスインフォメーションの関連です。
 ネット選挙運動においては、ネット上の誹謗中傷や成り済ましが懸念されています。国民、有権者が大いに政治、選挙運動に参加するようになれば、ネット上の衆人環視が働き、誹謗中傷、成り済ましを抑制することもあるでしょう。
 また、候補者のサイトやアカウントの公式アドレス等を示す手段も必要です。選挙管理委員会のホームページで、各候補者情報の中で候補者個人のサイトアドレスを表示するようになりましたが、SNSのアカウントも掲載することも有効だと考えます。ただし、今回の地方選で、誤ったリンク先になっていたという不備も報道されております。このようなことがあってはなりません。
 先週末から、ツイッターの公式認証マークが外れたことが大きな話題となっております。課金していないのに認証バッジが復活といった状況も生まれており、ツイッターのバッジの基準が日々動いておりますが、成り済まし防止対策は今後も必要です。
 元々、二〇一三年、ネット選挙運動の解禁に関する各党協議会が行われ、その際に、各社に対して議員候補者の誹謗中傷や成り済まし防止などの要請を行い、これを受けて、ツイッター社は、候補者に対し公式認証バッジをつけたという経緯があると承知をしております。是非、ツイッター社が認証した政府機関などの公式アカウントを示すグレーバッジについて、議員候補者にもつけるよう各党そろって要請していくというのはいかがでしょうか。
 日本共産党は、ネット選挙運動の自由化を議論している当時から、ネットの世界だけをテーマにするのではなく、それ以外の現行の選挙運動の在り方も取り上げるべきだと主張してきました。その際、今後も選挙運動規制の在り方について協議を続けることで各党協議会は合意をしておりましたが、既に十年を経過をしております。
 ネット選挙運動が自由化をして、ブログに有権者自ら○○候補者に一票と載せたり、ウェブ上に候補者を集めて公開討論会を行ったり、有権者同士で選挙の争点について情報交換をするウェブイベントを開催することもできるようになりました。また、ネットの特徴である、時間と場所を選ばず双方向のやり取りが可能になるので、政党候補者が国民から寄せられる多様な疑問、質問に個別に答えることもできます。
 一方で、ネットを利用した選挙運動が自由になっても、リアル社会の選挙運動は様々な規制を設けたままです。また、ネット利用者が増えてきているとはいっても、まだ全ての国民、有権者が利用しているわけではなく、デジタルデバイドの問題もあります。
 国民が主権者として自らの代表を選び、政治に積極的に参加をしていくために、選挙制度や選挙運動の規制を見直すことは民主主義の発展のため不可欠であります。このことを申し述べて、意見表明を終わります。

発言情報

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発言者: 塩川鉄也

speaker_id: 2437

日付: 2023-04-26

院: 衆議院

会議名: 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会