小野泰輔の発言 (本会議)

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○小野泰輔君 日本維新の会の小野泰輔です。
 会派を代表して、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案、いわゆるGX推進法案について質問いたします。(拍手)
 なお、日本維新の会は、本日午前中、GX実現に向けた基本方針に関わる提言を西村GX実行推進担当大臣に提出をいたしました。政府には、私どもの提言も是非御検討いただき、施策の着実な実現に努めていただきたいと思います。
 本法案の提出理由として、エネルギーの脱炭素化に向けた取組等と産業競争力の強化とを両立させた脱炭素成長型の経済構造への円滑な移行を推進することが掲げられています。
 その軸自体には全く異論はありません。本法案は、我が国が脱炭素を追求する一方、経済成長を両立させられるかどうかの鍵を握る非常に重要な政策をデザインするものと認識しています。
 そして、我が国が脱炭素を実現することのもう一つの重要な意義は、化石資源に過度に依存しないことがエネルギー安全保障にもつながるということです。
 二〇一八年、我が国の一次エネルギー供給に占める化石燃料依存度は八五・五%となっており、福島第一原子力発電所の事故以降、高止まりしています。資源に乏しい我が国は、戦前においても戦後においても、エネルギーの確保に常に苦労し、度々経済社会が危機に瀕してきました。GXに真剣に取り組み、成果を確実に出すことこそが、持続的な地球環境への道を開くだけにとどまらず、将来に向けた国民の暮らしの安寧を保障することにつながります。
 それでは、本法案がそれらを実現するのに足るものかどうか、その中身について質問いたします。
 まず、成長志向型カーボンプライシングのうち、化石燃料賦課金についてです。
 本法案により、政府は、五年後の二〇二八年度から、化石燃料の輸入事業者等に対し、化石燃料に由来するCO2の量に応じた炭素に対する賦課金を徴収することとしています。
 そもそも、税などの新たな負担を課すことは企業活動を阻害することにもなるため、賦課金導入の前後で可能な限り中立であるべきと考えますが、この点、考慮されているのでしょうか、それとも負担を増加させるものなのでしょうか。GX担当大臣に制度の考え方について伺います。
 仮に導入することに合理性があるとしても、なぜ開始年が二〇二八年なのでしょうか。二〇三〇年の野心的目標達成には到底間に合わず、機能しないのではないでしょうか。なぜ五年後の開始としているのか、その理由をGX担当大臣に伺います。
 また、化石燃料賦課金を課すこととなった場合には、既存のガソリン税等を抜本的に見直し、カーボンニュートラル社会に向けた明示的なカーボンプライシングとして税体系を整理すべきと考えますが、この点に関し、財務大臣及びGX担当大臣、それぞれのお考えを伺います。
 排出量取引制度についても、その導入の時期が遅いのではないかと考えます。
 法案では、排出量取引制度の本格稼働を三年後の二〇二六年度とし、発電事業者への有償オークション導入を二〇三三年度としています。民間の創意工夫を生かした形でGXを強力に進めていくためには、負担の在り方を広く薄くすることに心がけつつ、できるだけ早期に全ての業界が参加する形で排出量取引制度をスタートさせ、その財源を温室効果ガス削減の結果が確実に出る投資に振り向けることが極めて重要であると考えます。
 政府の構想では、特定の産業界に過度に配慮し、任意参加の期間が長期にわたっています。自主的に頑張っている人だけが負担する仕組みでは、取組の広がりに欠くのではないでしょうか。また、有償オークションは発電事業者のみに対象を絞る形での実施となっており、温室効果ガス削減効果という点でも、産業界の脱炭素への構造転換という意味でも、有効に機能しないのではないでしょうか。
 排出量取引制度の二〇二六年度の本格稼働の本格とは何を意味するのか、二〇三〇年や二〇五〇年に向けたスケジュールとして導入が遅いのではないか、任意参加の期間が長いのではないか、そして有償オークションを発電事業者に限っているのはなぜなのかについて、GX担当大臣に伺います。
 そもそも、これまで我が国で行われてきた各種排出量取引制度の成果や教訓が、今回のGX推進基本方針にどう生かされているのでしょうか。これまでの取組についての評価と、それをどう生かそうとしているのかについても併せて伺います。
 GX経済移行債により調達した二十兆円の使途について、専門家からも指摘されているのが、カーボンニュートラル実現に向けて効果的なものとなっているかが明確でないというものです。
 例えば、水素、アンモニアの混焼に関しては、二〇三〇年政府目標においても電源構成比にして僅か一%にすぎず、カーボンニュートラル実現にすぐに利いてくる分野ではありません。もちろん、水素、アンモニアが電力以外のエネルギー源として活用幅が広いということを考慮しているものと思いますが、国内のエネルギー供給を早急に脱炭素化することは、国際的に通用する事業環境の整備という面でも非常に重要です。
 技術的に夢のある未来への投資ももちろん必要ですが、カーボンニュートラルに向けてすぐに結果が出る、今ある技術や設備を使って投資を促進していくことに注力すべきと考えます。具体的には、導入が先細ってきている再生可能エネルギーの積極的な普及や、我が国でなかなか進まない住宅等の省エネ対策などです。
 政府は、二十兆円のGX経済移行債を活用して、十年間で百五十兆円の民間投資を呼び込むとしていますが、二十兆円のうちどれだけを民間の投資インセンティブに使う見通しなのでしょうか。方向性をGX担当大臣にお伺いします。
 先ほど触れましたとおり、民間投資を加速化させるべき分野の一つは再生可能エネルギーです。
 我が国は、この十年で、他の先進諸国に比べて導入のペースが鈍ってきています。例えば太陽光発電については、系統の能力不足や系統接続の優先順位が劣後していることなど、新規導入への課題がずっと指摘されてきました。
 送電網等への大規模なインフラ投資や再エネを最大限活用するルールの策定を早急に進める必要があり、GX実現に向けた基本方針にもその推進のための施策が盛り込まれていますが、なぜこれまで思うように進まなかったのか、そして、これからは導入のペースが加速化する見込みがあるのか、経済産業大臣の御認識を伺います。
 また、議場におられる議員の皆様もよく有権者からお聞きされることと思いますが、太陽光パネルはほとんど中国産であり、山林等において野方図な開発が行われたこともあって、太陽光発電のこれ以上の導入はやめるべきだとの御意見をいただきます。
 しかしながら、住宅等の屋根や農地にもまだまだ太陽光パネルを設置する余地はあり、政府としても引き続き推進を進めていくべきと考えます。そのためには、国民に対する太陽光発電に関してのネガティブな印象を払拭するための丁寧なコミュニケーションを図っていく必要があると考えますが、経済産業大臣の御見解を伺います。
 また、太陽光発電が忌み嫌われがちなもう一つの理由として、地域がメリットを享受できない形で設置されるケースが多いということがあります。地域に裨益する形での太陽光発電の導入の仕組みについてのお考えを経済産業大臣に伺います。
 さらに、米国等と連携し、太陽光パネルを中国に依存しないサプライチェーンを着実に構築していくことも、経済安全保障の観点からも非常に重要と考えますが、その実現に向けて施策を進めていくお考えがあるのか、経済産業大臣に伺います。
 本法案における最大の疑問は、これら脱炭素社会を実現するための手段としてのカーボンプライシングが、GX経済移行債二十兆円の償還財源として位置づけられていることです。GX経済移行債の規模や償還タイミングにとらわれて炭素賦課金や排出量取引の制度設計が左右されるようでは、主従を見誤ることになるのではないでしょうか。GX担当大臣にお伺いします。
 そもそも、GXを進めるために政府が財政支出をする目的は、国が脱炭素社会の実現に向かって政策的に主導権を発揮することにより、カーボンニュートラルの達成と我が国経済の成長を同時にもたらすためです。国が率先してGX投資を促す制度設計や規制緩和を行いつつ、自らも投資や技術開発を行うことにより民間投資や需要を喚起すれば、我が国経済は成長を果たすことができるでしょう。それに伴って、税収も大きく増加します。経済成長による税収の増加を見据えているのであれば、GX経済移行債という枠にとらわれることなく、炭素賦課金や特定事業者負担金を最適にチューニングすることができます。
 何より、経済成長とそれによる税収増を成し遂げるという意欲的な青写真を描くことなく国債の償還財源を確保するという主客逆転の考えが本法案の起点になっており、極めて残念でなりません。GXを我が国経済が再び成長するための千載一遇の好機と捉え、脱炭素と経済成長を世界の他のどの国よりも成功させるためのより大胆な制度設計を行うべきと考えますが、GX担当大臣の御見解を伺います。
 本法案において、GX経済移行債やその償還財源となる化石燃料賦課金と特定事業者負担金の収入は、エネルギー対策特別会計に区分して管理されることになっています。しかし、今述べたとおり、特定財源の枠の中で施策を考えることは、カーボンニュートラル実現のために最適化された施策を打ち出すのに不向きと考えます。それに加えて、特別会計という、より国会や財政当局のチェックを受けにくい場所に多額の資金を置くことになってしまいます。
 今年度補正予算において、経済産業省は当初予算に比べ十倍近くもの補正予算を計上するなど、その肥大化が目立つようになっていますが、このGX関連の特別会計化は、それを常態化させることにもなるのではないでしょうか。GX担当大臣及び財務大臣の見解をそれぞれお伺いします。
 また、民間企業のGX投資の支援や、化石燃料賦課金及び特定事業者負担金の徴収、そして排出量取引制度の運営という異なる重要な業務を、経済産業大臣が認可するGX推進機構に行わせることとなっています。
 そもそも、このような新たな行政機構をつくることについては慎重を期すべきだと考えますし、また、少なくとも、投資支援部門とカーボンプライシング運営部門は、施策の狙いや方針については連携しながらも、業務の枢要な部分については独立性が保たれなければなりません。さらに、GX推進機構の許認可が経済産業大臣に与えられている理由も理解できません。
 GX推進機構の組織形態やガバナンスの在り方、許認可権者が経産大臣である理由についてどのように考えているのか。経済産業大臣がGX担当大臣を兼ねているため、答弁する側もそもそも切り分けが難しいのではと思われますが、GX担当大臣としての西村大臣にお伺いします。
 最後に、私どもがGXを果たすために最も重要だと考えることについて申し上げます。
 アベノミクスに代表されるように、長らく政府の成長戦略がうまくいかず、世界各国に比べて低い成長水準にとどまっている理由は、新しいビジネス創出を可能とし、民間投資を促進する適切な規制緩和やルール作りがなされてこなかったことにあります。今回の法案によって政府が二十兆円の予算を幾ら獲得しようと、グリーン関連ビジネスに立ちはだかる障壁がなくならず、また、投資家や消費者が当該マーケットが投資に値すると納得できる仕組みをつくらない限り、脱炭素の構築も、それに基づく経済成長も実現することは困難と考えます。
 日本維新の会は、既得権益者にとらわれず、しがらみを断ち切り改革を行うことにより、あるべき社会への道を切り開く挑戦者を積極的に後押ししてまいります。その一点にしか、我が国復活の道はありません。
 これからの政府のGXへの取組をどのように行うのかは、我が国が失われた三十年から脱却する契機となるのか、あるいは失われた四十年、五十年につながる結果となるのかの大きな分かれ道になると考えています。政府が脱炭素社会の実現と経済成長に向けて適切な施策を行おうとしているのか、厳しくチェックし論議するとともに、取るべき政策について積極的に提言し続けることを宣言いたしまして、私の質問といたします。
 御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣西村康稔君登壇〕

発言情報

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発言者: 小野泰輔

speaker_id: 13603

日付: 2023-03-09

院: 衆議院

会議名: 本会議