末次精一の発言 (本会議)
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○末次精一君 立憲民主党の末次精一です。
立憲民主党・無所属を代表し、ただいま議題となりました地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして質問をいたします。(拍手)
地域公共交通の確保、維持をめぐっては、頻発化、激甚化する災害時の物流維持のため、経済安全保障の観点がますます重要になっています。
経済安全保障担当大臣として地域公共交通活性化法案にも関わる高市大臣におかれましては、その政策遂行の信用にも直結する問題が話題となっていることを踏まえ、放送法の解釈について、高市大臣に伺います。
二〇一五年二月十三日の放送法に関する高市総務大臣レクについて、高市大臣は、三月八日の参議院予算委員会で、このようなレクは受けたはずもございませんと答弁し、三月九日の衆議院本会議でも、放送法の政治的公平に関するレクを受けたことはございませんと明確に否定しておられます。
ところが、昨日の参議院予算委員会において、総務省の担当局長から、二〇一五年二月十三日に放送関係の大臣レクがあった可能性が高いと考えられますとの答弁がございました。
大臣の御発言であれ、総務省官僚の御発言であれ、国民からいたしましたら、どちらも、本来、信頼、信用されるべき発言であります。しかしながら、その両者の発言が食い違っているという点は、国民に対する不要な不安、不信を与えかねません。
再度確認いたします。
高市大臣は、二〇一五年二月十三日に放送関係の大臣レクを受けられましたか。お答えをお願いいたします。
大臣レクの存在を否定されるなら、レクそのものが存在しなかった具体的証拠をお示しいただけますでしょうか。行政文書に示されている二〇一五年二月十三日十五時四十五分から十六時に高市大臣が具体的に何をしたか、御確認の上、お答えをお願いいたします。
さて、厚生労働省が二月二十八日に発表した人口動態統計の速報値において、二〇二二年の国内の出生数が統計開始の一八九九年以降初めて八十万人を下回ったことは衝撃を与えました。
出生減による自然減に加え、転出超過による社会減も相まって、とりわけ深刻な影響を受けるのは地方です。この流れの中で深刻な危機にさらされているのが、地域公共交通であり、誰もが安全で安心して移動できる社会であります。
路線バスや地域鉄道の利用者の割合は、長期的な減少傾向に歯止めがかからず、コロナ前の二〇一九年時点で、バス事業者の赤字の割合は七四%、経常収支が赤字である鉄軌道事業者は七八%に及んでいます。二〇〇〇年以降二〇二二年二月までに廃止された鉄軌道は、全国で四十五路線、千百五十七・九キロメートルに及び、これは東京―福岡間の在来線の距離に匹敵する長さです。
地域の移動の足がなくなるとき、最も大きな影響を受けるのは、通勤や通学の足を必要とする若年世代、通院の足を必要とする人々、高齢者といった移動の制約を受けやすい人々であります。この意味で、地域公共交通は、まさに誰もが安心して安全に住み続けられるためのプラットフォーム、すなわち社会インフラであります。
このような考え方に基づき、欧州では、地域公共交通は公共財に準じる公共サービスと位置づけられ、税金でひとしくその基盤を維持する仕組みが整えられています。例えば、フランスでは公共交通の特定財源として都市交通税があり、ドイツにおける公共交通への補助金はエネルギー税を財源としています。ここには、地域住民の暮らしを守る責務は国や自治体にあるという公益性の原則があります。
ところが、日本では、公共交通の運営主体は事業者であり、公的資金に頼らない商業輸送が基本となっています。それは、独立採算でやっていく公共企業体として位置づけられていた、一九八七年の、国鉄を分割・民営化した国鉄改革以来、公共輸送機関の経営は市場の動向に委ねるということが国の基本的な考えになってきたことと関係しています。
そのような中で、マイカーを中心とする自動車による輸送を中心に置いた日本の交通政策とともに、マイカー利用の急速な拡大と軌を一にし、地方部を始めとして、各地で、公共交通機関が地方任せ、事業者任せにされたまま、危機にさらされてきたのです。
こうした過去の経緯を踏まえ、少子化の中で、私たちは、改めて、地域公共交通のネットワークを通じて地域の人々の暮らしを守ることの責務を考えていかなければいけませんが、本法律案が政府の人口減少対策とどのように整合するのか、少子化対策の観点から、少子化対策担当大臣に伺います。
こうした現実を踏まえ、地域公共交通の運営主体の在り方についてはどのようなお考えか、国土交通大臣の見解を伺います。また、公共財として地域の人々の足を守る責務を果たすため、公益性の原則に基づきどのような政策変更が必要となっているのか、伺います。以上の点を踏まえた上で、本法律案における地域公共交通ネットワークの再構築とは何を意味するのか、お聞かせください。
本法律案では、協議会の在り方について、現行法においては自治体が地域公共交通活性化再生協議会又は任意の協議会を開催できるとされていたものから、鉄道事業者又は自治体からの要請に基づき、国土交通大臣が国による協議会、いわゆる再構築協議会を開催できるものとしています。
ここで最も重要なことは、地域の将来像について、住民や交通従業者、高校生などの若年世代や、買物、通院における利用者、高齢者や、マイカーを持つことが難しい人々など、移動の制約を受けやすい人々を中心に幅広い人々の意見を十分に聞き、教育や医療、福祉政策と連携しながら、地域の将来像を冷静に議論できる、地域が直面する課題に対応するための合意形成の舞台ができるかどうかであります。
地域住民の通院や通学のための移動手段の確保などの生活基盤の維持の重要性を十分考慮し、低い輸送密度や赤字路線であることなどの経済合理性のみで公共交通の存廃を判断すべきではないと考えますが、再構築協議会での検討に当たっては、どのような考え方に基づき路線の評価を行っていくのか、国土交通大臣の見解を伺います。
鉄道は、つながっていてこそ、その本領を発揮するものです。鉄道の路線が複数の地方公共団体にまたがっている場合、市町村の実情や意見が異なるために生じる温度差が課題となっているケースが、現行の協議会において既に生じております。
このとき、市町村や都道府県などとの十分な調整ができない場合には、交通ネットワークが分断されるおそれがあります。市町村、都道府県の地域の将来像の議論、そして国が果たすべき責務とが相互に連携することで初めて人々の移動の足がつながると言えます。
広域的な公共交通ネットワークの維持に関し、国が果たすべき役割や交通ネットワークの分断を生じさせないために必要な機能について、国土交通大臣の見解を伺います。
一つの地方公共団体だけであっても、再構築協議会を組織するよう要請することができるか。また、複数の地方公共団体が再構築協議会を組織することに反対している場合であっても、国土交通大臣は再構築協議会を組織することができるのか。併せて伺います。
地域や事業者、そして、何より、利用者となる住民の納得感を得るため、少数意見なども含めた幅広い意見を継続的に酌み取るための仕組みづくりについて検討すべきと考えますが、国土交通大臣の見解を伺います。
また、再構築協議会において鉄道からバス等への転換について協議を行う際に地域が直面するのは、深刻な運転手不足でもあります。本法律案では、必要な場合には実証事業を通じて対策案の実効性を検証するとしていますが、現に起こっていることとして、バス路線への転換後、一定期間の後に補助が打ち切られることで、減便に拍車がかかり、公共交通が急速に衰退する事例が後を絶ちません。
地域公共交通の持続可能な発展を図るためには、実証実験などの試行期間のみならず、それ以降も活用可能な中長期的な支援の仕組みが不可欠であり、そのために、複数年度にわたって活用可能な予算を措置すべきと考えますが、国土交通大臣の見解を伺います。
とりわけ、バスやタクシー等の自動車運転事業は、全産業と比べ、労働時間は長く、年間所得額は低くなっており、若年者ほど就業を敬遠する状況にあります。自動車運転事業の有効求人倍率は全職業平均の約二倍となっており、運転手不足は深刻です。
人員確保に向けた事業者の取組に対する息の長い支援があることで初めて冷静にモード転換の議論が行えるようになると思われますが、具体的な支援の方向性について、国土交通大臣の見解を伺います。
コロナ禍を通じ、ほとんど全てのバス、鉄道事業者が赤字経営となり借入金が膨らむ中で、鉄道、バス廃止の傾向に拍車がかかっています。コロナ禍で経営危機が深まった事業者への支援は継続されるべきと考えますが、具体的な支援の見通しについて、国土交通大臣の見解を伺います。
民営化された鉄道をめぐっては、海外では上下分離方式が普及しています。地上インフラの建設や保有を自治体が担うことで、事業者と自治体が連携しまちづくりを進めていく方策でもありますが、路線を維持するため、自治体への負担が重くのしかかっています。
広域的な公共交通ネットワークの維持のために、民営化された鉄道において、線路などの地上インフラを公共的な所有形態とし、地方任せにせず国が支援を行う考え方について、国土交通大臣の見解を伺います。
例えば、ドイツの幾つかの自治体で実施されている市民乗車券は、市民に市民乗車券として一定の負担をひとしくお願いする代わりに、公共交通機関を利用するごとの運賃はなしとするものです。これでは収益性がなくなるのではと思われがちですが、マイカー利用から公共交通への乗換えや、自動車を持たない人の社会参加を促進し、いわゆる隠れた受益者を発掘し、利用者が逆に伸びたとの報告があります。
人口減少と利用者減の数字のみを前提とした公共交通政策から発想を転換し、住民の移動の自由を守るという観点から公共交通の需要を発掘する取組の方向性について、国土交通大臣の見解を伺います。
移動手段のつながりは人のつながりであり、経済のつながり、ひいては国土の維持発展そのものであります。加速度的な人口減少社会を真正面から捉え、地域に寄り添い、人の暮らしに寄り添い、事業者、働く仲間に寄り添う、そんな地域公共交通政策が必要です。すなわち、それは、いつしか、日本の公共交通政策が公益性より収益性を重視する余り、国が公共政策の基本から長い間目を背けてしまった事実を直視し、根本にある考え方を見直すことではないでしょうか。
今まさに必要なことは、新自由主義的な経済成長至上主義からの脱却と発想の転換です。移動が困難になる人々を生じさせないこと、自由に選択し円滑に安全に利用できることのために地域公共交通はあるのだという基本に立ち返り、国の責務を果たすべきであると申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇〕