斉藤鉄夫の発言 (本会議)

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○国務大臣(斉藤鉄夫君) 城井崇議員の御質問にお答えいたします。
 まず、今般の改正法案が永久有料への政策転換なのか、また、そのことに対しての国民への説明についてお尋ねがございました。
 今般の改正法案は、笹子トンネル天井板崩落事故を受け、平成二十六年から開始した詳細な点検などにより新たに更新が必要な箇所が判明したことなどを受け、料金徴収期限を延長するものです。
 また、従来の仕組みと同様に、債務完済後は無料公開する仕組みとなっております。
 法案の提出に当たっては、高速道路会社において更新需要を公表するとともに、国土交通省において有識者委員会を通じて制度に関する議論を進め、その結果も公表してきております。
 引き続き、国民の皆様に対して丁寧に説明し、御理解を得られるよう取り組んでまいります。
 次に、現行の料金徴収期限内で債務償還ができないことに対する責任の所在や明確化についてお尋ねがありました。
 高速道路の債務償還については、関係法令に基づき、国、高速道路機構、高速道路会社が、それぞれの役割に応じてその責任を果たしております。
 今般、平成二十六年から開始した詳細な点検により新たに更新が必要な箇所が判明したことを受け、料金徴収期限を延長することとしております。この新たに判明した更新需要について、平成二十六年当時の老朽化などに関する知見においては見通すことは困難であった、このように認識しております。
 次に、料金徴収に関するこれまでの検証状況と今後の検証方針についてお尋ねがありました。
 高速道路の料金の在り方については、これまでも、国土幹線道路部会などの有識者委員会において、主に維持管理や更新などの負担の在り方について検証、評価しています。また、民営化後十年を節目として、新たな有識者委員会を立ち上げ、高速道路機構、高速道路会社における業務について点検を実施しております。
 引き続き、有識者委員会などを通じて、料金による負担の在り方について、開かれた議論を進めてまいります。
 次に、追加事業ごとに料金徴収期間を延長する仕組みに変更した理由についてお尋ねがありました。
 前回法改正を行った平成二十六年の時点では、当時の老朽化などに関する知見に基づき法改正を行っており、更なる更新箇所が次々と発生することを確実に予見できていない状況でした。
 その後、新たに更新が必要となる箇所が明らかになるとともに、新たに更新が必要と判明した箇所と同様の構造基準となっている箇所については、更新が必要となる蓋然性が高いと考えています。
 このため、今般の改正法案は、今後明らかになると想定される更新需要などに応じ、逐次、料金徴収期間を延長する制度とし、確実に更新需要などに対応できる仕組みとしたところでございます。
 次に、更新計画と償還計画が整合しない根本的な理由についてお尋ねがありました。
 高速道路については、更新などに必要となる費用を料金徴収期間内の料金収入によって賄う償還計画を作成することとしています。
 将来にわたって個別の更新事業などを正確に見通すことは困難であるため、更新事業などの見通しは、最新の点検結果や老朽化などの知見に基づき、随時修正するものと認識しております。
 このため、最新の知見に基づき更新事業などの見通しが修正された場合、それまでの償還計画と整合しないこともあり得ることから、その場合には計画の見直しが必要となると考えております。
 次に、更新事業を実施した箇所の再度の更新事業の実施可能性についてお尋ねがありました。
 更新事業については、構造物を取り替える、全体を取り替える方法や、既存の構造物を全体的に修繕する方法などがあります。
 現在の橋梁設計基準では、橋梁が性能を発揮することを期待する期間を百年としており、これに基づき構造物を取り替えることで長期の健全性が確保されると認識しています。一方、既存の構造物を全体的に修繕した箇所においては、取り替えた箇所と比べて、健全性が確保される期間が短くなると想定されます。
 構造物の正確な劣化予測は困難であるため、今後、再度更新が必要となる時期は分かりませんが、再度の更新事業の実施が必要となる可能性は否定できないと認識しております。
 次に、料金徴収期間の延長により新たに追加される事業の具体的な内容についてお尋ねがありました。
 民営化後、高速道路会社の経営判断の下、国土交通省においても客観的な評価などを行いつつ事業を追加しており、今後とも、全体の採算を確保しながら、必要性などに応じて事業を進めていくものと認識しております。
 また、二一一五年までの料金徴収期間において追加される事業規模として、例えば首都高速を挙げますと、首都高速においては、今後更新が必要となる蓋然性の高い箇所も含めて、延長約百二十キロメートル、事業費約一・三兆円の更新事業を想定しております。
 なお、いわゆる四車線化などの進化事業については、更新事業を優先した上で、各事業の必要性や緊急性などに応じて、五十年の債務返済期間の範囲で事業の追加を検討するものと考えております。
 次に、進化事業を含め、新たな事業を追加する際の判断主体などについてお尋ねがありました。
 新たな事業の追加に当たっては、各事業の必要性や緊急性などに応じて検討いたします。
 進化事業についても、必要性の高い事業を優先して進める観点から、透明なプロセスの下、客観的な評価などを実施することが必要だと考えています。例えば、高速道路会社の申請に基づき国土交通省が四車線化事業の追加を許可する際には、時間信頼性の確保、事故防止、リダンダンシーなどの観点を踏まえ、客観的な指標を基に、有識者委員会で必要性を御審議いただくこととしております。
 次に、事業を追加する際の費用対効果の基準についてお尋ねがありました。
 これまで、道路ネットワークの整備に当たっては、費用対効果の算出を含む事業評価を実施した上で事業に着手しています。一方、時間短縮効果など費用対効果による適切な評価が難しい事業は、事故防止やリダンダンシーの確保などの効果を客観的指標により確認し、事業に着手しています。
 これまで高速道路においても同様の考え方に基づく評価などを実施してきており、引き続き、同様の方法により適切に評価などを実施してまいります。
 次に、国会の関与がなく料金徴収期間を延長する妥当性についてお尋ねがありました。
 今般の改正法案は、現在の知見で今後更新が必要となる蓋然性の高い箇所も含めて、料金徴収期限を設定した上で、詳細な点検などによって明らかになった具体の更新需要などに応じ、債務返済期間を五十年以内とする規定の下、逐次、料金徴収期間を延長し、必要な更新事業などを実施するものでございます。
 これまでも、更新事業などを追加する際には、その内容を有識者委員会で御審議いただくとともに、事業許可の情報を高速道路会社のホームページで公表するなどの取組を行っています。
 今後も、料金徴収期間を延長する際には、これまでと同様に、客観性や透明性を確保しつつ、追加される事業の内容が適切なものかどうか、確認してまいります。
 次に、これまでの料金徴収期限の延長に関する国民への説明の状況についてお尋ねがありました。
 新たに更新が必要と判明した箇所と同じ構造基準の箇所については、時間の経過とともに劣化が進行し、今後更新が必要となる蓋然性が高いと考えています。
 このため、今般の改正法案は、新たに更新が必要と判明した箇所だけではなく、今後更新が必要となる蓋然性の高い箇所の更新財源も確保するものでございます。
 国民の皆様に対しては、今般の改正法案は、国民の財産である高速道路の機能を将来にわたって確保するため、道路構造物の抜本的な性能回復を図る更新事業を推進することなどが目的であることを含め、丁寧に説明し、御理解が得られるよう取り組んでまいります。
 次に、高速道路の需要見込みとその前提についてお尋ねがありました。
 高速道路の将来交通量は、GDPと人口の最新の将来推計を基に令和四十二年度までの交通需要を算出し、それ以降はそのトレンドで需要が減少すると仮定して推計しています。GDPは、内閣府の平成二十九年度推計による変化額を令和二十二年度まで加算し、それ以降は一定値とし、人口は、国立社会保障・人口問題研究所の中位推計を採用しております。
 その結果として、高速道路の交通量は将来的に減少するものと見込んでおります。
 次に、債務償還の見通しなどについてお尋ねがありました。
 今般の改正法案については、新たに更新が必要となった箇所に加え、現時点の知見で今後更新が必要となる蓋然性の高い箇所に必要な更新財源も確保するものです。
 試算においては、着手時期が定まっていない蓋然性の高い箇所の更新事業について、今後、知見の蓄積や新技術の活用などが期待されるものの、債務の償還において厳しい条件として、安全側の厳しい条件を取って、二〇七四年度までに実施すると仮定したものでございます。工事を早くやるということ、それで四十一年間が、先ほど御疑問になったような形になっているわけです。ですから、安全側に計算しているという話です。
 このため、現時点において、債務の償還に関する試算として適切なものであると考えております。
 次に、更新、修繕などの費用の推計条件についてお尋ねがありました。
 平成十七年の民営化時には、修繕などは費用に見込んでいたものの、更新が必要な具体の箇所などが明らかになっていなかったため、更新は費用に見込んでいませんでした。
 また、平成二十六年の法改正の際には、建設後五十年が経過し、更新が必要な具体の箇所が顕在化したことを踏まえ、その時点で判明した箇所の費用を反映することとしました。
 今回は、その後の点検などの結果、新たに更新が必要と判明した箇所に加え、今後更新が必要となる蓋然性の高い箇所も含めた試算に基づき、制度を見直すこととしております。
 次に、利潤制約のある高速道路会社が債務返済に果たしてきた役割に対する政府の考えについてお尋ねがありました。
 高速道路の料金については、利潤を含めず、整備に伴う債務の返済や維持管理に要する費用などを償うものと規定されています。
 この規定に基づき運営してきた結果、民営化時には三十七・四兆円あった有利子負債は、令和三年度末時点で二十六・三兆円と着実に減少しており、民営化の目的であった有利子債務の確実な返済につながっています。
 仮に利潤を含んだ場合、料金徴収期間が変わらないとすれば、確実に債務を償還するためには、利潤に相当する料金の引上げが必要となると想定されます。
 次に、料金制度の在り方についてお尋ねがありました。
 高速道路の料金の設定については、高速道路会社の自主性を最大限尊重するため、申請方式を採用しています。そのため、例えば高速道路会社が観光周遊パスなどの様々な商品を販売するなど、多様な料金設定が行われているところです。
 一方、利用者の負担が公正で、またシンプルで合理的な料金体系とすることも重要であり、引き続き、高速道路会社と連携して、有識者などの御意見も伺いながら、利用しやすい料金となるよう努めてまいります。
 次に、永久有料化の検討についてお尋ねがありました。
 永久有料化に当たっては、その対象路線や料金水準、また債務の取扱いについて議論が必要であると考えています。具体的には、将来の交通状況の見通しなどを踏まえた対象路線の設定や、将来の更新需要などを踏まえた債務保有の継続の可否及びその量などについて議論が必要です。
 議論に当たっては、道路交通を取り巻く環境の変化などを見据えながら、有識者などの御意見を丁寧に伺う必要があるため、現時点で結論を得る時期を具体的に見通すことは困難ですが、将来の有料道路制度について引き続き議論をしてまいります。
 最後に、料金徴収期間延長への国会関与について改めてお尋ねがありました。
 今般の改正法案は、現在の知見で今後更新が必要となる蓋然性の高い箇所も含めて料金徴収期限を設定した上で、詳細な点検などによって明らかになった具体の更新需要などに応じ、債務返済期間を五十年以内とする規定の下、逐次、料金徴収期間を延長し、必要な更新事業などを実施するものです。
 これまでも、更新事業などを計画に追加する際には、有識者委員会で審議を行うなどの取組を行っており、引き続き、客観性や透明性の確保に努めてまいります。
 また、道路交通を取り巻く環境に大きな変化が見込まれるなど、制度の見直しを行う必要がある場合には、改めて国会において御審議をお願いすることになると考えています。
 以上でございます。(拍手)
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発言情報

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発言者: 斉藤鉄夫

speaker_id: 16806

日付: 2023-03-28

院: 衆議院

会議名: 本会議