岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 田嶋要議員にお答えいたします。
電力会社における不適切事案や電気料金の改定申請、電力システム改革についてお尋ねがありました。
大手電力会社における不適切事案は、電気事業の公正な競争を損ない、電力システム改革の趣旨に反するものであり、極めて遺憾であります。今後、事実関係の究明や再発防止策の検討など、厳正に対応することが重要です。電力システム改革の趣旨徹底に向けて、不正閲覧が起きないような情報システムの物理分離を始め、しっかりとした検証と再発防止策の策定を、経済産業省において、有識者の意見も聞きながら行ってまいります。
電気料金の改定申請については、燃料価格の高騰などを背景としたものであり、電気事業法に基づいて定められた手続や審査ルールに従い、厳格かつ丁寧に審査を行ってまいります。その際、国民の理解を得るため、真に必要な費用のみ織り込まれているか、経営効率化が徹底されているかなど、期限ありきでなく、厳正に審査をしてまいります。
原発依存度低減についてお尋ねがありました。
第六次エネルギー基本計画では、原子力について、必要な規模を持続的に活用していくとともに、原発依存度を可能な限り低減と記載しているところです。二月に閣議決定したGX基本方針においても、エネルギー基本計画を踏まえて原子力を活用していくことを明記しているように、この方針に全く変更はありません。
来年度の骨太の方針や次期エネルギー基本計画の内容については、今後、検討を行ってまいります。
原子力規制委員会の独立性及び電気事業法の改正についてお尋ねがありました。
原子力規制委員会は、令和二年に、原発の利用をどのくらいの期間認めることとするかは、原子力の利用政策の判断にほかならず、原子力規制委員会が意見を述べるべき事柄ではないとの見解を決定いたしました。
これを受けて、今般の制度改正では、これまでの運転期間に係る定めを利用と規制の観点から峻別し、電気事業法と原子炉等規制法の二つに再整理するものであり、原発事故の反省の趣旨を徹底するものであります。安全規制を緩める方向に改悪するとの指摘は当たりません。
新たな高経年化規制では、より高い頻度で、より厳格な審査を行うこととなると考えております。利用政策の観点からの運転期間の判断がどうであろうとも、高い独立性を有する原子力規制委員会が厳格な安全審査を行い、規制基準への適合性が確認できなければ、運転は一切認められない大前提に変わりはありません。
なお、原子力規制庁と資源エネルギー庁のやり取りについては、国会や会見での説明、情報公開法にのっとった対応が行われており、今後とも、必要に応じ、所管官庁において適切に対応されるべきものであると考えております。
いずれにせよ、原子力に対する国民の信頼確保が不可欠であり、原子力規制委員会の独立性が重要である、これは言うまでもありません。国民の皆様に更に御理解いただけるよう、適切に対応してまいります。
発電コストについてお尋ねがありました。
二〇二一年の発電コスト検証結果によると、今後の燃料価格の動向、悪天候時における火力発電による再エネのバックアップコストなども踏まえますと、再エネと原子力のどちらが安いと一概に言うのは困難であると承知をしております。
国によるエネルギー分野での支援としては、原子力以外にも、再エネ導入に向けた賦課金、研究開発支援などを講じており、これは、資源の乏しい我が国においてエネルギー安定供給と脱炭素を両立させるために、省エネ、再エネ、原子力などあらゆる選択肢を追求するためのものであり、引き続き、必要な支援を行ってまいります。
原子力政策と安全保障についてお尋ねがありました。
今般お示しした原子力利用の方針は、国民生活や産業の基盤となるエネルギーの安定供給と気候変動問題への対応を両立すべく、脱炭素電源である原子力を含めたあらゆる選択肢を確保すること、これを狙いとしたものであります。
我が国は非核三原則を堅持しており、また、原子力基本法第二条では、原子力利用は平和の目的に限ることが明記されており、今般の方針が我が国の核武装の可能性を視野に入れているということは全くありません。
核融合についてお尋ねがありました。
核融合炉については、核分裂炉と異なり、燃料の供給や電源が停止することで反応が速やかに停止するとともに、メルトダウンも起こらないことから、核分裂炉に比べて、事故等により多量の放射能が地域社会に拡散するリスクは低いと認識をしております。
また、核融合では高レベル放射性廃棄物は生じないことから、核分裂に比べて処分が容易であると承知をしております。
再エネの社会実装や省エネの取組の加速についてお尋ねがありました。
再エネ導入に当たっては、様々な制約がある中でも、国民負担を抑制しつつ、地域と共生しながら、二〇三〇年度に再エネ比率三六から三八%という目標の実現に向けて最大限導入していくことが政府の基本方針です。
引き続き、建築物の屋根への太陽光発電の設置促進や、洋上風力発電の導入拡大など、関係省庁がしっかりと連携をし、再エネの最大限導入に向けて取り組みます。
加えて、住宅の断熱強化などの省エネ分野においても、断熱窓への改修などに合計二千八百億円の支援を実施するなど、関係省庁間の連携を強化しています。
また、地方自治体主導の再エネ導入を推進するため、地域脱炭素の推進のための交付金も活用した脱炭素先行地域の創出等を行うほか、地球温暖化対策推進法や農山漁村再エネ法に基づき、再生可能エネルギーを促進する区域の設定、これを後押ししてまいります。
太陽光発電の廃棄とサプライチェーンについてお尋ねがありました。
現在導入されている太陽光パネルについては、二〇三〇年代後半に大量廃棄が見込まれており、計画的に対応を進めることが必要であると考えています。
環境省、経済産業省が中心となり、太陽光パネルの廃棄やリサイクルに関して、制度的措置を含め、検討を行ってまいります。
また、ペロブスカイト太陽電池は、日本発の技術で、軽量で柔軟性を有するという特徴があり、建物の壁面などにも設置可能なものです。また、主要な原料であるヨウ素については、日本が世界第二位となる約三〇%のシェアを有するなど、サプライチェーン構築の上でも優位となることが期待をされています。国内サプライチェーンの構築も見据え、グリーンイノベーション基金などを活用し、早期の実用化に取り組んでまいります。
再エネの出力制御と送電網の整備についてお尋ねがありました。
再エネの出力制御は、安定供給のため、電力需給バランスを維持するために行うものであり、火力の最大限制御、揚水発電等による需要創出、他地域への送電などを行ってもなお供給が需要を上回る際に限定的に行うものであります。
可能な限り出力制御を低減するため、蓄電池の導入や地域間連系線の整備などを進めてまいります。
なお、御指摘の、地域間連系線の容量を八倍とすることについては、GX基本方針では、これまで作成した計画に基づき、現在増強に取り組んでいる東京―中部間の周波数変換設備などに、今後計画を策定していく北海道からの海底直流送電なども加え、八倍と掲げたものであり、さらに、資金調達が円滑に可能となる仕組みを本法案により整備し、取組を加速してまいりたいと考えております。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣河野太郎君登壇〕