浦野靖人の発言 (本会議)

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○浦野靖人君 日本維新の会の浦野靖人です。
 会派を代表して質問いたします。(拍手)
 政府は、脱炭素の目標として、二〇三〇年度の温室効果ガス排出について二〇一三年度から四六%削減すること、二〇五〇年までにカーボンニュートラルを目指すことを掲げ、二〇二一年十月に第六次エネルギー基本計画として、二〇三〇年の電源構成比率の目標を設定しています。そこでは脱炭素の電源構成比率は五七から六一%となっていますが、その実現性について、自ら、かなりチャレンジングな目標と明言しています。
 一方、二〇二二年六月、岸田総理が出席されたG7ドイツ・エルマウ・サミットのコミットで、電力部門の脱炭素目標に関して、二〇三五年までの完全に、又は大宗が脱炭素化された電力部門という目標に向けた具体的かつ適時の取組を重点的に行うことにコミットすることを各国首脳で確認しました。原文では、完全にはフーリー、大宗はプリドミナントリーですが、当時の山口環境大臣は、記者会見で、何割がプリドミナントリーかというのは必ずしも決まった定義はないが、少なくとも半分以上というところでもって、よしと答えています。
 環境・エネルギー大臣会合ではプリドミナントリーだけだったものに、首脳コミュニケでフーリーが追加された経緯を考えれば、少なくとも半分以上でよいという認識は他国とはかけ離れているとしか思えず、事実、フランスでは現時点で既に脱炭素電源が九一%を占め、ドイツは二〇三五年に一〇〇%、他の国も八〇%近くにする目標を掲げています。
 我が国として、エルマウ・サミットでの合意におけるプリドミナントリーを何割ぐらいと認識しているのか、環境大臣の言うように電力の半分程度が脱炭素となっていればよいと総理もお考えなのか、五月の広島サミット議長として明確にお答えください。
 再エネを一層拡大するためには、自由な市場を実現するための公正な取引環境が担保されていることが必須です。
 しかし、ここ最近、大手電力会社において、事業用電気販売をめぐるカルテル事案、新電力会社顧客情報の不正閲覧、さらには小売部門社員による経済産業省の再エネ発電事業者データベースの不正閲覧といった、電力市場の公正な競争を阻害する重大な違法行為事案が次々と発覚しており、抜本的な電力システム改革は不可避です。
 今月二日に開催された内閣府の再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースでも、不正閲覧は新電力が大手電力の小売部門と競争することを著しく困難にすると指摘し、新電力が不当に撤退を余儀なくされたり電気料金が高騰したりした可能性も否定できないと、罰則の強化などとともに所有権分離を求めました。
 元々、二〇一五年の電力改革の際に、発送電分離に関する議論では、電力システム改革専門委員会の報告書で、中立性を実現する最も分かりやすい形態として所有権分離があり得るが、これについては改革の効果を見極め、それが不十分な場合の将来的な検討課題とするとされ、まずは法的分離でスタートしたところですが、今般、この法的分離では公正な競争条件の確保はできないということが明らかになったわけです。
 同様に、発電事業者と売電事業者についても、公正取引委員会が電力自由化の当初より発販分離の必要性を指摘していましたが、その後、大手電力グループ内において、変動数量契約がグループ内会社に有利な条件で設定されていたことが明らかになるなど、内外無差別の徹底が課題です。二〇二一年の四月時点で七百六社あった新電力の約三割に当たる百九十五社が今月までに契約停止や事業撤退、このうち二十六社が倒産や廃業に追い込まれているとの報道もありますが、燃料費の高騰のみならず、市場の自由化が健全に機能していないことにも一因があるのではないでしょうか。
 発電事業者と送電事業者を法的分離にとどまらず所有権分離していくこと、発電事業者と売電事業者を更に分離していくことが必要と考えますが、総理の見解をお伺いします。
 加えて、再発防止の観点から、電力・ガス取引監視等委員会を経産大臣の下に置くのではなく、公取委と同じ三条委員会に格上げすることや、法令に違反した事業者への罰則を強化するなど、市場を適切に監視、統制する仕組みの整備を推進することも重要であると考えますが、総理の認識をお尋ねします。
 本法案では、再エネの最大限の導入拡大支援として、再エネ導入に資する系統整備のための環境整備を進めるとしています。しかし、再エネの拡大を阻害している主な要因の解決にはスピード感を感じません。電源のポテンシャルを考慮し、マスタープランに基づき計画的に対応するプッシュ型系統整備を加速すること、系統混雑時に再エネを優先的に接続することを担保する制度を構築することについて、いつまでに、どのレベルまで持っていこうとしているのか、具体的な目標設定について、経産大臣、お答えください。
 本法案では、太陽光発電設備の更新や増設を促すための追加投資部分に関わる新制度を導入することとしていますが、一方で、乱開発等による被害を発生させないための立地規制の強化が求められています。
 政府は、認定申請前に、災害の危険性に直接影響を及ぼし得る林地開発許認可の取得を求める等の対応を省令で措置するとしていますが、災害面のみならず、景観などの問題も顕在化しています。認定要件として、事業内容を周辺地域に対して事前周知することを追加することとしていますが、もう一歩踏み込んで、そもそも、景観等への配慮も含めた立地規制の強化を法的に整備していくことが必要と考えますが、総理の認識をお伺いします。
 再エネをスピーディーに拡大していくには、太陽光発電や風力、特に洋上風力発電への重点投資を推進することが効果的ですが、GX経済移行債の二十兆円の使途には再生可能エネルギーに関わる項目が含まれていません。二〇二二年八月に成立したアメリカのインフレ抑制法でも、国内の再エネ拡大や生産体制の確立は最重点項目です。なぜGX経済移行債二十兆円の政府支援額の対象に再エネの拡大が入っていないのか、経産大臣にお尋ねします。
 これまで再生可能エネルギーの拡大を阻害してきた諸課題への具体的かつ大胆な対応策が必要です。太陽光や陸上風力発電を促進するため、耕作放棄地における農地転用を可能とする農地法改正、地熱発電を促進するための温泉法や自然公園法の規制緩和を速やかに進めていくことが極めて重要と考えますが、総理の見解をお伺いします。
 洋上発電の拡大について言えば、政府が進める日本版セントラル方式では、肝腎の漁業権調整段階では国の関与を求めておらず、最大のネックとなっています。補償金等に関わるルールを設定した上で、国が主導して漁業権調整段階から関与する、本格的なセントラル方式を導入すべきと考えますが、総理の見解をお伺いします。
 今後、太陽光発電を一層促進していく際、中国への依存度が過度に高まっている太陽光パネルについて、新たなサプライチェーンを迅速に構築していく必要があると考えますが、どのように構築していくお考えか、経産大臣にお尋ねします。
 今後政府が進めようとしている既存原発の運転期間の延長や次世代革新炉への建て替えを行うに当たっては、国、地方自治体、事業者の責任を法的に明確化することが不可欠であると考えます。
 現在も、設置許可等において、実態上は関連自治体の同意を得ながら進めていますが、法的にはどこにも規定されていません。また、総理大臣の関与もどこにも規定されていません。
 設置許可や重大事故発生後最初に変更許可を申請する場合には、関係都道府県知事の同意を必要とすること、関係都道府県知事は関係市町村長の意見を聞かなければならないこと、原子力規制委員会が許可をする場合には内閣総理大臣の同意を得なければならないことなどの責任を明確化することとともに、許可後は、同意した関係都道府県は円滑な設置、運営に資するように必要な支援を行うように努めることなどを法律で明確に定めることが必要であると考えますが、総理の見解をお伺いします。
 幾ら原発の運転期間を延長しても、定期検査や設置許可等において、原子力規制委員会の審査に時間がかかり過ぎていては意味がありません。原子力規制委員会は公表している標準処理期間内に審査を終わるように努めなければならないことをきちんと法律で明文化し、手続の合理化や効率化によって審査期間を短縮するよう促すことが必要と考えますが、総理の見解をお尋ねします。
 現在も増え続けている核のごみの処理の見通しが立たないまま、国が原発の新増設を行うことは、ツケを将来世代に回すことを意味し、断じて許されません。
 これまで高レベル放射性廃棄物の最終処分場の確定が進んでこなかった理由について、総理の認識をお伺いします。
 最終処分場確定を着実に進めるために、まずは、期限を明示した工程表を作成し、加えて、その工程がうまく進まない場合のプランBも同時に準備しておくことが重要です。その上で、その工程が日程どおりに進まない場合は、設置許可や運転期間の延長の認可を認めない仕組みを導入する等、国が責任を持って処分場建設に取り組むための具体的な方策が必要ではないかと考えますが、総理のお考えをお尋ねします。
 これまで原発は国策民営で推進され、廃炉費用や損害賠償などについては、第一義的には民間電力会社の責任で対応することが求められてきました。福島第一原子力発電所の事故を受け、求められる安全水準が大きく変化し、新基準への対策のために重い負担が事業者にのしかかっています。こうした流れは、技術の進展に伴い、今後も継続することが予想されます。今後、確実な原子力事業の運営を行うには、民間の責任を有限化することを検討すべきかと思いますが、総理のお考えをお伺いします。
 さらには、今後の廃炉や最終処分場確定も勘案すれば、原子力事業は国有化して、国が責任を持って事業を推進する運営体制とした方がよいのではないかという考えもありますが、こうした考えについて、総理の認識をお尋ねします。
 最後に、省エネ促進のための施策についてお尋ねします。
 二〇二二年六月に改正建築物省エネ法が成立したものの、その内容は二十年も前の基準を義務づけているにすぎず、我が国の住宅、建築物の断熱性能向上に向けた更なる法整備が必要であると考えますが、総理の認識をお尋ねします。
 学校などの公共建築で二重窓の設置と天井、壁の断熱改修を行えば、年間暖房消費電力量は約九割、ピーク時暖房出力は七割から八割削減される、あるいは、全国約三千万戸の住宅のうち一千万戸に二重窓の設置という簡易な断熱改修工事を行えば、火力発電所四基分相当の電力ピークの抑制が可能という試算もあります。
 足下の電力・ガス料金の高騰への対応も考えると、特に低所得者層の負担軽減が喫緊の課題です。省エネに資する住宅の改修や家電製品購入のための費用を政府が直接支援する制度を、例えば三年間といった集中期間を設け、低所得者層から順次導入していくという我が党の提言について、総理の見解をお尋ねします。
 日本維新の会は、今月九日にGX実現に向けた基本方針に関わる提言を西村経産大臣に手交し、一昨日の二十八日には原発責任明確化法案及び電力市場自由化促進法案を提出しました。政府には、是非、我々の前向きな提案を真摯に受け止め、自らの言葉で答弁を行っていただくことをお願いし、私の質問とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕

発言情報

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発言者: 浦野靖人

speaker_id: 16246

日付: 2023-03-30

院: 衆議院

会議名: 本会議