岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 浦野靖人議員の御質問にお答えいたします。
 G7での合意内容についてお尋ねがありました。
 昨年のG7声明で合意された二〇三五年までの電力部門の完全又は大宗の脱炭素化に向けては、各国が自国のエネルギーをめぐる状況や技術動向を踏まえ、適切に対応していくものであり、大宗についての定量的な定義はないと承知をしています。
 我が国は、第六次エネルギー基本計画において、二〇三〇年度に脱炭素電源の比率を約六割とすることを目標としておりますが、このG7の合意内容にあります二〇三五年に向けては、更に脱炭素化を進めていく、こうしたことになると考えております。
 所有権分離や発販分離、そして電力市場監視の機能強化についてお尋ねがありました。
 相次ぐ電気事業者をめぐる不祥事は、電気の適正な取引を害するもので、極めて遺憾であり、現在、経済産業省において、事実関係の厳正な調査が行われていると承知をしております。
 そして、御指摘の所有権分離については、送配電事業の中立性の確保の一つの手法ですが、一方で、安定供給との関係や再エネ大量導入に伴うネットワーク環境の変化への対応など、法的分離のメリットもあり、まずは事実関係の確認を十分に行った上で、送配電事業の中立性確保のための再発防止策の検討を行ってまいります。
 また、発電部門から小売部門への卸取引の公平性を確保するために発販分離を行うべきとの御指摘については、電力卸取引市場の活性化や取引条件の適正化等により、公正な卸取引の環境整備は着実に進んでいるものと承知をしております。
 また、電力・ガス取引監視等委員会については、安定供給や保安の確保、そして再生可能エネルギーの普及などの観点から、経済産業大臣直属の八条委員会として、エネルギー政策の枠組みの中でその業務を行うこととしております。その上で、現在、経済産業省の有識者会議において、同委員会による監視機能の強化策について議論が開始されていると承知をしており、今後、検討結果を踏まえて、適切な対応を行うものと考えております。
 再エネの立地規制についてお尋ねがありました。
 再エネの導入促進に当たっては、安全面だけでなく、景観への配慮も含めて、地域と共生した形で進めることが重要です。
 本法案では、住民説明会の開催など、事業内容の事前周知を認定要件化する措置を盛り込んでおり、事業者に対し、景観等への影響を含めて、適切な説明を求めているところです。
 また、再エネ特措法の認定については、自治体の定めた景観条例を含む関係法令の遵守を求めており、仮に違反した場合には、本法案で措置するFIT交付金等による支援の一時停止措置なども含めて、厳格に対応してまいります。
 再エネ拡大における規制緩和と、洋上風力発電に係る漁業との調整についてお尋ねがありました。
 再エネは、重要な国産エネルギー源であり、地域との共生と国民負担の抑制を図りながら、主力電源として最優先で最大限導入してまいります。
 御指摘いただいた各種規制については、これまでも規制緩和や運用の見直しに取り組んできたところですが、これに限らず、再エネに関する規制については、引き続き、必要な検討、見直しを行ってまいります。
 洋上風力発電については、まず、国が海域における洋上風力発電のポテンシャル調査を行う段階で必要となる漁業者との調整については、国が行っております。さらに、有望な区域として、事業計画の段階では、再エネ海域利用法に基づき、政府と自治体、漁業者等の利害関係者が参加する法定協議会を設置し、地域や漁業との共生策の検討や、そのための基金の設置に向けた調整などを行っています。
 このように、国が調査段階から実際の事業段階まで主導的に調整に関与することにより、効率的な案件形成を実現してまいります。
 原発利用に関する責任の明確化についてお尋ねがありました。
 原発の利用は、地元の理解が重要である一方、各地域の事情は様々であることから、国が一方的、一律に進め方を決めるのではなく、地域ごとに丁寧に相談した上で対応することが必要です。そのため、知事の同意等を法律で一律に定めることは適当ではないと考えております。
 また、原子力施設の安全規制に関しては、高い独立性を有する原子力規制委員会が、あくまで科学的、技術的見地から行うべきものであると考えております。
 原子力規制委員会の審査についてお尋ねがありました。
 原子力の利用に当たっては、安全確保が大前提であり、安全の追求に妥協は許されません。原発の審査については、高い独立性を有する原子力規制委員会が、科学的、技術的見地から、法に基づき厳格に行っているところです。
 その上で、審査に際しては、規制委員会において、できるだけ早い段階で確認事項や論点を提示するといった取組を行うとともに、公開の会合で指摘事項を事業者と双方で確認し、共通理解を得るなど、コミュニケーションの強化が図られているものと承知をしています。
 今後とも、原発の審査は、規制委員会において、審査プロセスの改善を図りつつ適切に対応されるものと考えております。
 高レベル放射性廃棄物の最終処分場についてお尋ねがありました。
 最終処分の確定が進まない要因としては、最終処分事業の必要性に関する理解が広がらず、関心を持つ自治体が限定的なものにとどまってしまっていることなどが挙げられると考えております。最終処分の実現に向け、先行する諸外国では十件程度の関心地域から順次絞り込んでいるように、我が国でも、最初の段階である文献調査の実施地域の拡大が課題と認識をしております。
 そのため、有望地点の拡大に向けた活動の強化、自治体における判断のバックアップ、関心自治体への省庁の垣根を越えた支援体制の構築など、具体的方策を進めるべく、最終処分関係閣僚会議を開催し、最終処分に関する基本方針の改定案を取りまとめました。
 基本方針を踏まえて、従来の公募方式と市町村長への調査実施の申入れに加えて、手挙げを待つのではなく、地域に対し政府から調査の検討などを段階的に申し入れるなど、政府として責任を持って取組を進めてまいります。
 原子力事業の運営責任についてお尋ねがありました。
 原子力の利用に当たっての様々な課題に国が責任を持って取り組むという考え方は共有しており、特に、廃炉や使用済燃料の最終処分といった課題については、将来世代に先送りせず、我々の世代で解決に向けて取り組むことが必要です。
 先月、最終処分関係閣僚会議を開催し、最終処分に関する基本方針の改定案を取りまとめたところであり、政府一丸となって、かつ政府の責任において取り組んでまいります。
 また、原子力損害賠償制度については、平成三十年の原子力損害賠償法の改正の検討に際し、事業者と国の責任の在り方についても検討し、有限責任とすることには様々な課題があることから、事業者の無限責任を維持することが妥当とされたところです。同法を中心とした枠組みに基づき、被害者に対する賠償が迅速かつ適切になされるよう、責任を持って対応してまいります。
 現段階において原子力事業の国有化が必要とは考えておりませんが、政府として、事業者が安定的に安全対策や廃炉等に関する取組を行うことができるよう、引き続き、事業環境の整備に努めてまいります。
 住宅等における省エネ促進についてお尋ねがありました。
 新築住宅の省エネ化については、まず、昨年改正した建築物省エネ法において、これまで住宅等においては義務とされていなかった省エネ基準への適合を二〇二五年度から全面的に義務化することといたしました。また、二〇三〇年度までに、適合すべき省エネ基準自体も強化いたします。
 また、既存住宅も含めて住宅の省エネ化が重要との観点から、令和四年度第二次補正予算において、断熱窓への改修や給湯器の高効率化などを支援しているほか、自治体においても、地方創生臨時交付金を活用した省エネ家電買換え支援が実施されています。
 こうした省エネ投資を継続的に実施していくべく、支援策の執行状況や効果、低所得者も含めたニーズを精査しながら、引き続き、必要な支援を進めてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣西村康稔君登壇〕

発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2023-03-30

院: 衆議院

会議名: 本会議