岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 政府は、昨年十二月十六日、国家安全保障会議及び閣議において、国家安全保障戦略、国家防衛戦略及び防衛力整備計画を決定いたしました。
 以下、これらについて御報告申し上げます。
 国家安全保障戦略は、国際秩序が重大な挑戦にさらされ、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、約九年ぶりに策定されたものです。
 本戦略は、外交、防衛のみならず、経済、技術等を含む多岐にわたる分野の安全保障上の問題に対し、総合的な国力を最大限活用して、我が国の平和と安全を含む国益を確保するための安全保障に関する最上位の政策文書です。
 本戦略では、我が国の国家安全保障上の目標として、主権と独立の維持、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の強化、国際社会が共存共栄できる環境の実現等を掲げております。
 まず優先されるべきは、積極的な外交の展開です。我が国は、長年にわたり、国際社会の平和と安定、繁栄のための外交活動や国際協力を行ってきました。その伝統と経験に基づき、大幅に強化される外交の実施体制の下、今後も、多くの国と信頼関係を築き、我が国の立場への理解と支持を集める外交活動や他国との共存共栄のための国際協力を展開します。
 同時に、こうした外交を展開するためには、裏づけとなる防衛力が必要です。戦略的なアプローチとして、自由で開かれたインド太平洋のビジョンの下での外交、反撃能力の保有を含む防衛力の抜本的強化等の方針を示しております。
 その上で、我が国を全方位でシームレスに守るための取組の強化等のため、宇宙、サイバー等の新たな領域への対応能力の向上、海上保安能力の強化、経済安全保障政策の促進等、政府横断的な政策を進めることとしております。
 必要とされる防衛力の内容を積み上げた上で、同盟国、同志国等との連携を踏まえ、国際比較のための指標も考慮し、我が国自身の判断として、二〇二七年度において、防衛力の抜本的強化とそれを補完する取組を併せ、そのための予算水準が現在の国内総生産の二%に達するよう、所要の措置を講ずることとしております。
 本戦略に基づく戦略的な指針と施策は、戦後の安全保障政策を実践面から大きく転換するものです。政府として、本戦略に基づき、安全保障に資する取組を着実に進めてまいります。
 次に、国家防衛戦略は、国家安全保障戦略の下、特に防衛について、目標を設定し、その達成のためのアプローチ等を包括的に示すものです。
 防衛目標として、万が一、我が国への侵攻が生起した場合、我が国が主たる責任を持って対処し、同盟国等の支援を受けつつ、これを阻止、排除するといった三つの目標を掲げております。そのためのアプローチとして、防衛力の抜本的強化を中核に、国力を統合した我が国自身の防衛体制を強化するとともに、日米同盟による抑止力と対処力や、同志国等との連携を強化する方針を掲げております。
 特に、防衛力については、相手の能力と新しい戦い方に着目して、抜本的に強化することとしております。そのため、可動率の向上や弾薬、燃料の確保、主要な防衛施設の強靱化への投資を加速するとともに、将来の中核となる能力を強化する方針の下、七つの重視分野を示し、反撃能力の意義や必要性等に関する政府の見解も示しております。
 最後に、防衛力整備計画は、国家防衛戦略の下、我が国として保有すべき防衛力の水準を示し、その水準を達成するための計画であり、おおむね十年後の自衛隊の体制や、今後五年間の経費の総額、主要装備品の整備数量を記しています。
 例えば、スタンドオフ防衛能力としての一二式地対艦誘導弾能力向上型等の開発やトマホーク等のミサイルの着実な導入、弾薬等の早期整備、部品不足による装備品の非可動の解消や可動数の最大化等の取組を示しております。
 これらに必要な事業を積み上げ、二〇二三年度から五年間の防衛力整備計画における所要経費を四十二兆円程度としております。
 また、二〇二七年度以降、防衛力を安定的に維持するための財源及び二〇二三年度から二〇二七年度までの本計画を賄う財源の確保については、歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入を活用した防衛力強化資金の創設、税制措置等、歳出歳入両面において所要の措置を講ずることとしております。
 これらの文書で示された方針は、憲法、国際法、国内法の範囲内で実施されるものであり、非核三原則や専守防衛の堅持、平和国家としての歩みをいささかも変えるものではありません。
 これらの文書の下で、国民の生命や暮らしを守り抜くという政府の最も重大な責務を果たしてまいります。
 皆様の御理解と御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
 内閣総理大臣の発言(「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」及び「防衛力整備計画」に関する報告)に対する質疑

発言情報

speech_id: 121105254X01520230404_007

発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2023-04-04

院: 衆議院

会議名: 本会議