小泉進次郎の発言 (本会議)
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○小泉進次郎君 自由民主党・無所属の会の小泉進次郎です。
ただいま議題となりました国家安全保障戦略等三文書に関する報告について、自由民主党を代表し、主に三点質問いたします。(拍手)
まず、国家安保戦略が想定している脅威認識について質問いたします。
国家安保戦略においては、中国、北朝鮮、ロシアに関する安全保障上の課題について説明していますが、我が国の安全保障に最も重大な影響を及ぼすのは、言うまでもなく中国です。国家安保戦略では、中国を、我が国の平和と安全、そして国際秩序にとっての最大の戦略的挑戦と位置づけています。脅威ではなく、挑戦。私は、この言葉の選択には、強気か弱腰かといった問題を超えた、より深い戦略的意味を込めたと推察します。
中国は、言うまでもなく、我が国の抑止戦略の対象です。しかし、抑止は、最終的には相手国の為政者の心理に関わるものです。自衛隊の行動や装備だけでなく、我が国が発する言葉、つまり総理の言葉が抑止の効果に大きく影響します。中国が一党独裁から一人独裁に変容している中、岸田総理と習近平主席が向き合い言葉を交わすことがますます重要となってきます。
防衛力の強化と首脳レベルの対話の強化、この二つの強化を両立させながら、日本の国益を守るために中国とどのように対峙していくお考えでしょうか。総理、お聞かせください。
また、中国による日本人拘束について、日中外相会談による進展はあったのか、また今後に向けた政府の対応方針もお聞かせください。
次に、国家安保戦略を実現するための手段について伺います。
国家安保戦略では、この手段を総合的な国力の要素と呼び、主なものとして、外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力という五つの項目を掲げています。注目すべきは、五つの順番です。今回の三文書では、防衛力の抜本的強化を打ち出しました。しかし、総合的な国力の要素の一番に挙げたのは、防衛力ではなく、外交力となっています。
先月、横須賀にある陸上自衛隊高等工科学校の卒業式で吉田統合幕僚長が陸上幕僚長として行った訓示に、このようなくだりがありました。我々が刀を抜いたとき、我々の任務は半分以上失敗しており、我々には、刀を抜かないために日々必死で刀を研ぐことが求められている。防衛力という研がれた刀を抜かないために外交力が大事であるし、力強い外交を進めるためにこそ強い防衛力が必要であるということだと私は捉えています。
総理、長年外務大臣を務められた総理が外交力を一番目に位置づけた理由と、今後、抜本強化された防衛力を背景にどのような外交戦略を進めていくお考えでしょうか。お聞かせください。
また、国家安保戦略で明記された能動的サイバー防御の導入に向けた法改正作業の加速が必要だと思いますが、総理はどのようにお考えか、お答えください。
最後に、防衛力の抜本的強化の具体的中身について伺います。
国会では、反撃能力、特にトマホークの議論が目立ちます。しかし、もっと目を向けるべきは、ドローンなど無人アセットです。無人アセットは比較的安く、人的損耗が少なく、耐用年数が長いという利点があり、さらに、AI等と組み合わせれば、陸海空で非対称的な優勢を獲得することができます。今後は、無人アセットを幅広い任務に効果的に活用すべきです。人口が減る日本にとって、人ありきではない発想は軍事においても不可欠です。
総理、今後、無人アセット防衛能力をどのように開発、配備していくお考えでしょうか。お聞かせください。
以上、主に三点について質問させていただきました。
今後、政府に力強い外交を進めていただくには、総理や外務大臣等が外交に割ける時間を増やすことが必要であり、そのためには国会改革が不可欠です。
外務大臣が所信を述べ、その質疑の際にも出席が求められる委員会が衆参合わせて七つもあること、これはほかの大臣と比べても最多です。七委員会は多過ぎると思いませんか。
総理のウクライナ訪問など外交日程の後に行われる帰朝報告も、衆参両院で同じ報告を繰り返す必要があるのでしょうか。施政方針演説と所信表明演説も同じです。同じ原稿を一語一句間違えずに衆参両院で総理に読ませることが国会の役割なのでしょうか。開会式のように、衆参合わせて一回で何の問題があるのでしょうか。
そもそも、このような国会を変えずにいることを我々議員一人一人も望んでいるのでしょうか。本音では誰も望んでいないのではないでしょうか。
国際秩序を保てるかどうかの分水嶺にある今、我が国が力強い外交を展開するためには国会改革が不可欠であります。与野党で一致点が見出されることを期待して、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕