岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 浜地雅一議員からの御質問にお答えいたします。
 三文書に込められた安全保障環境の創出にかける決意についてお尋ねがありました。
 国家安全保障戦略を始めとする三文書は、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、外交、防衛のみならず、経済、技術等を含む多岐にわたる安全保障上の問題に対し、総合的な国力を最大限活用し、我が国の平和と安全を含む国益を確保するために作成されました。
 その中で、まず優先されるべきは積極的な外交の展開です。同時に、外交には裏づけとなる防衛力が必要です。戦略的なアプローチとして、自由で開かれたインド太平洋のビジョンの下での外交、反撃能力の保有を含む防衛力の抜本的強化等の方針を示しております。
 こうした施策を通じて、我が国の主権と独立の維持はもちろん、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の強化、国際社会が共存共栄できる環境の実現等に取り組んでまいります。
 対中外交についてお尋ねがありました。
 日中両国間には、様々な可能性とともに、数多くの課題や懸案が存在します。同時に、日中両国は、地域と世界の繁栄に大きな責任を有しています。昨年十一月の日中首脳会談で得られた前向きなモメンタムを維持しながら、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案を含めて対話をしっかりと重ね、共通の課題については協力をする、建設的かつ安定的な関係を日中双方の努力で構築してまいります。
 この点、先週末の日中外相会談等では、林外務大臣より、我が国の立場を改めて伝達いたしました。
 なお、我が国としては、ウクライナ情勢をめぐる中国の動向についても注視をしており、国際社会に対して法の支配に基づく国際秩序の維持強化の重要性を訴えていくとともに、中国に対しても、様々な機会を通じて、責任ある対応を強く求めていく考えであります。
 防衛目標とそれを達成するためのアプローチ及び手段、日米同盟の強化についてお尋ねがありました。
 国家防衛戦略では、力による一方的な現状変更を許容しない安全保障環境の創出といった防衛目標を示した上で、その実現のためのアプローチと手段を掲げています。
 まず、我が国自身の防衛体制の強化として、反撃能力を含む防衛力の抜本的強化を中核としつつ、外交力等を含めた国力を統合し、あらゆる政策手段を体系的に組み合わせた国全体の防衛体制を構築していきます。
 また、日米同盟の更なる強化として、日米共同の抑止力、対処力や同盟調整機能の強化に資する取組を進めていきます。本年一月の日米首脳会談においても、首脳間で、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していく決意を新たにしたところです。まずは、今後の日米防衛協力の内容や日米の役割、任務、能力を含め、幅広く議論をしてまいります。政府として直ちに日米ガイドラインの見直しが必要となるものと考えているわけではありませんが、その見直しの必要性についても不断に検討していきます。
 さらに、同志国等との連携の強化として、自由で開かれたインド太平洋を実現するため、多角的、多層的な防衛協力、交流を積極的に推進してまいります。
 反撃能力についてお尋ねがありました。
 反撃能力は、一九五六年の政府見解で示された能力に当たりますが、国家安全保障戦略等に記されたとおり、相手からミサイルによる攻撃がなされた場合、ミサイル防衛網により、飛来するミサイルを防ぎつつ、相手からの更なる武力攻撃を防ぐために、我が国から有効な反撃を相手に加える能力といった考え方を端的に表すものです。その上で、必要最小限の防衛の措置として、スタンドオフ防衛能力等を活用して行使される我が国の反撃能力は、あらゆる種類の能力を有する米国の打撃力とは異なります。
 反撃能力の保有を決定した背景には、近年、我が国周辺で質、量共にミサイル戦力が著しく増強される中で、既存のミサイル防衛網だけで完全に対応することは難しくなりつつあるという現実があります。こうした状況において、反撃能力の保有により、日米同盟の抑止力、対処力を一層向上させ、武力攻撃そのものの可能性を低下させることができると考えております。
 サイバー安全保障についてお尋ねがありました。
 我が国のサイバー安全保障分野での対応能力を欧米主要国と同等以上に向上させ、国や重要インフラ等の安全を確保することは喫緊の課題です。
 政府としては、国家安全保障戦略に基づき、重要インフラ事業者等との情報共有、政府による対処調整、支援の強化を始めとする能動的サイバー防御に必要な措置の実施や、総合調整の司令塔となる新たな組織の立ち上げ、これらの実現のための法制度の整備や運用の強化について、スピード感を持って具体化に向けた議論を進めてまいります。
 お尋ねのロードマップについては、必要となる法制度の整備等の内容がある程度具体化した段階でお示しできるよう、検討してまいります。
 防衛力の抜本的強化を補完する取組についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、研究開発、公共インフラ整備、サイバー安全保障、我が国及び同志国の抑止力の向上等のための国際協力の四つの分野における取組について、関係省庁間で有機的に連携できるよう、国家安全保障局を中心に、政府一丸で取り組んでまいります。
 また、自衛隊と海上保安庁との連携については、武力攻撃事態における防衛大臣による海上保安庁の統制要領を作成し、共同訓練を行うなど、一層の強化に努めてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣浜田靖一君登壇〕

発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2023-04-04

院: 衆議院

会議名: 本会議