岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 前原誠司議員からの御質問にお答えいたします。
安全保障に対する国会議員の責務についてお尋ねがありました。
新たな国家安全保障戦略等は、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、あらゆる選択肢を排除せずに現実的な検討を行った上で策定されたものです。
同時に、安全保障環境等について国家安全保障会議が定期的、体系的に評価を行い、重要な変化が見込まれる場合には必要な修正を行うこととしております。
このように、想定外が起こらない仕組みを整えつつ、国会議員の皆様の御理解と御協力を得ながら、国民の生命や暮らしを守り抜くという最も重要な責務を果たしてまいりたいと考えております。
米国の対日防衛義務及び我が国の防衛体制の強化等についてお尋ねがありました。
米国は、本年一月の日米首脳会談の機会を含め、累次の機会に日米安保条約の下での自国の対日防衛義務を確認、表明してきており、日米同盟の重要性については、民主党、共和党を問わず、共通の認識が存在しています。日本政府として、米国が条約上の義務を果たすことに全幅の信頼を置いています。
その上で、我が国を守り抜くのは我が国自身の努力に懸かっている、これは言うまでもなく、こうした観点から、国家安全保障戦略等では、防衛力の抜本的強化を中核としつつ、国力を統合した防衛体制を今まで以上に強化していく姿勢を明確に打ち出しました。
このような我が国自身の強い意思と努力があって初めて、いざというときに同盟国等とともに守り合い、助け合うことができると考えております。
こうした我が国の取組については、バイデン大統領を始め米国各方面から全面的支持を得ており、その上で、私とバイデン大統領から具体的協議を更に深化させるよう指示をし、日米同盟を更に強化していくこととしております。
反撃能力と憲法についてお尋ねがありました。
近年、我が国周辺で質、量共にミサイル戦力が著しく増強される中で、既存のミサイル防衛網だけで完全に対応することは難しくなりつつあります。
政府としては、米国が日米安保条約上の義務を果たすことに全幅の信頼を置いていますが、これに加えて、我が国としても反撃能力を保有し、これにより、日米同盟の抑止力、対処力を一層向上させ、弾道ミサイル攻撃等に対応することが不可欠であると考えております。反撃能力の保有は、こうした状況の変化を踏まえたものであり、憲法の範囲内であると考えております。
反撃能力の運用体制についてお尋ねがありました。
まず、国産のスタンドオフミサイルを必要な数量整備するには一定の時間を要することから、それまでの間に十分な能力を確保する必要があります。このため、国産ミサイルの開発、生産のスケジュールや製造能力を踏まえて、トマホークを取得する予定です。また、スタンドオフ防衛能力の運用に際して必要となる情報収集・分析機能や指揮統制機能についても、衛星コンステレーションを活用した画像情報の取得等により、我が国の能力を強化してまいります。
その上で、反撃能力については、情報収集を含め、日米共同でその能力をより効果的に発揮する協力態勢を構築することとしております。
イージス・アショアについてお尋ねがありました。
イージス・アショアの配備プロセスにおいては、反省すべき点も多かったと認識をしています。一方で、ロフテッド軌道で打ち上げられた弾道ミサイルや同時複数の発射などに対応するための高い迎撃能力を持つイージスシステム搭載艦は、非常に有用な装備品です。省人化、居住性の向上を図り、海上自衛隊の負担軽減にも留意しつつ、整備を進めてまいります。
なお、仮にイージス・アショアを配備する場合、SM3のハードウェアを含めたシステム全体の改修を行う必要があるなど、運用開始までに相当長い期間とコストを要することとなり、合理的ではないと考えているところであります。
能動的サイバー防御と憲法その他の現行法令、専守防衛との整合性、また今後のスケジュールについてお尋ねがありました。
政府としては、国家安全保障戦略に基づき、能動的サイバー防御等の実施のため、体制を整備するとともに、法制度の整備や運用の強化を図ることとしており、憲法その他の現行法令との関係も整理しつつ、スピード感を持って具体化に向けた議論を進めてまいります。
また、武力攻撃に至らない場合の措置として実施する能動的サイバー防御が武力の行使に該当することは想定しておらず、専守防衛に反しないということは言うまでもありません。
具体的なスケジュールについては、必要となる法制度の整備等の内容がある程度具体化した段階でお示しできるよう、検討してまいります。(拍手)
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