井上英孝の発言 (本会議)
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○井上英孝君 日本維新の会の井上英孝です。
私は、会派を代表して、総理に質問いたします。(拍手)
ウクライナに侵略したロシア、力に任せて現状変更に動く中国、核・ミサイル開発に突き進む北朝鮮と、いずれも核を持つ三国を隣に抱え、トリプル危機の最前線にある我が国の安全保障環境は、この一年で大きく変化をいたしました。
日本維新の会は、我が国の防衛能力を積極的に強化することには大いに賛成をするものですし、そのために一定の追加の財源が必要であることにも理解を示すものであります。
しかし、その財源を増税で賄おうとする岸田政権の姿勢は全く理解できません。我が党は、昨年十二月十六日、いち早く、増税方針の撤回を求める緊急声明を発出し、増税方針の撤回を求めてきました。
去る二月二十一日、財務省が発表した令和四年度の国民負担率は、四七・五%でした。国民所得のほぼ半分が公的負担に奪われる事態に、SNS上では、江戸時代の年貢に例えて五公五民という言葉がトレンド入りし、令和の時代に江戸時代と同じように年貢を取るのかなどの批判が噴出しました。
昭和四十五年には二四・三%だった負担率が、約二十年後の平成元年には三七・九%、その約三十年後に四七・五%と急上昇し続け、このままいけば、五〇%を超えるのも時間の問題です。
そうした中、政府は、先週、今後の少子化対策のたたき台を公表しましたが、その財源として、今度は、公的医療保険の月額保険料の上乗せの検討に入ったとの報道がなされています。
国民負担率がこれだけ上昇している中、税金や社会保険料、借金という国民負担を増やす手段だけでしか財源を確保しようとしない岸田政権には、もはや唖然とするばかりです。
江戸時代初期には四公六民だったのが、享保の世以降、五公五民となり、その後、六公四民となったことで百姓一揆が多発したのが歴史であります。国民はまさに今一揆の寸前かと思いますが、こうした国民の感情について、どのような認識をお持ちですか。
国民の怒りはまだ続きます。
歳出のほぼ全ては安定財源が必要な恒久的支出ですが、そこには国債発行で財源を確保しながら、防衛費だけは安定財源として増税が必要であるという政府の説明では理屈が通らないからです。
再度、総理に伺います。
そもそも、予算上の歳出はその全てが個別に特定財源を有しているわけではないのに、防衛費増の財源に限って特定財源を確保しようとするのはなぜでしょうか。総理は、防衛力は将来にわたって維持強化していかなければならず、これを安定的に支えるために国債でというのは未来に対する責任として取り得ないと国会で答弁されていますが、ほかの歳出は維持強化する必要のない歳出ということですか。防衛費を特別視する明確な理由をお答えください。
財源が足りないからといって、税金や社会保険料を値上げして財源を確保するのであれば、そんなことは誰にでもできることです。今後、岸田政権は、新たな施策を導入するたびに、増税や社会保険料増あるいは借金増を行うという方針なのでしょうか。増え続ける社会保障関係費の抜本的な見直しを含めて、歳出全体の中で組替えを行うという選択肢をなぜ取らないのか、理由をお答えください。
更に国民は怒っています。
防衛力強化のために、今後、年に四兆円の恒久財源が必要とし、うち三兆円は税外収入などで恒久財源を確保したものの、それでも足りない一兆円分は増税で対応せざるを得ないとの説明に納得できないからです。政府が確保したとする三兆円は、本当に恒久財源でしょうか。
決算剰余金については、政府は、直近十年間の年平均で一・四兆円の実績があるとして、財政法で認められた上限の〇・七兆円を毎年の財源として積み上げていますが、これは恒久財源ですか。お答えください。
税外収入についてお伺いします。
政府が確保した四・六兆円のうち、三・一兆円は外為特会からの繰入金です。そのうち、令和四年度余剰金の上振れ一・五兆円は、金利上昇や円安進行で外貨建て債券が上がったことによるものですが、これも恒久的に見込めるとお考えですか。
また、たまたま税外収入として四・六兆円が令和五年度に積み上がったからといって、令和九年度以降、それを五で割った毎年約〇・九兆円が恒久財源として確保できるとするのは、余りにいいかげんではないですか。併せて認識をお伺いいたします。
今後発生する国有財産の売却益については、全て防衛力強化資金に繰り入れるから恒久財源となるということですか。お答えください。
歳出改革についてお伺いします。
単なる増抑制を歳出改革と言っているだけで、増えた支出に見合う分の予算を削っているわけではなく、まやかしではないですか。
歳出改革で令和五年度は真水で幾ら財源を確保したのですか。具体的に、どの事業を幾ら減らして恒久財源を確保したのですか。令和五年度の歳出削減として計上している〇・二兆円の根拠は、何度聞いても理解できません。国民が理解できるように、分かりやすく御説明ください。
しかも、令和五年度で〇・二兆円程度しか積み上がっていないのに、令和九年度以降は毎年一兆円を恒久財源として計上していますが、現時点で具体策がないのに、安定財源と言い切れるのはなぜですか。お答えください。
総理、結局、決算剰余金の活用も、税外収入も、歳出削減も、どれも恒久財源ではないじゃないですか。鈴木財務大臣は、予算委員会で、我が党議員の質問に対して、防衛費、整備費以外には一切使えない防衛力強化資金そのものが恒久財源であると理解不能な答弁を行いました。なぜ、恒久的に確保できるめどの立っていない、ワンショットの財源の積み上げである防衛力強化資金そのものが恒久財源となるのか、総理、分かりやすく御説明ください。
そもそも、財源は、岩盤規制を始めとする規制改革などを行い、経済成長による増収で確保すべきとの我が党の主張に対して、総理は、経済再生に取り組む中で、その結果として見込み以上に税収が伸びれば決算剰余金にも反映され、防衛力強化の財源として活用されることになると答弁されています。
総理、お気づきですか。政府がまず確保すると言っている三兆円も、経済再生による税収増も、現時点ではどちらもまだはっきりと見通せていないというのは同じではないですか。なぜ先に増税が来るのですか。初めから、財務省の税制措置を財源に組み込むという方針ありきで一兆円の増税が決められたのではないですか。見通せていない三兆円を財源として利用するのであれば、残りの一兆円も経済成長による税収増を利用すればいいではないですか。そんなに御自身の描く成長戦略に自信がないのですか。認識をお伺いいたします。
少し観点を変えて質問します。
令和五年度の剰余金等を今後数年間プールするために防衛力強化資金の設置が必要という考えは理解できます。また、外為特会の進行年度からの繰入れ、財投特会からの繰入れ、積立金や基金の不用分の国庫返上など、現在の法律では実施できないことを実施できるようにする特措法として本法案が必要ということも理解できます。
しかし、わざわざ具体額を確定的に盛り込む必要はありません。例えば、外為特会について、令和五年度の剰余金見込みを一・二兆円と確定する必要はなく、例えば一・二兆円以上とすれば、もっと剰余金が発生する見込みが立った場合、年度内に資金を繰り入れることが可能となります。
百歩譲って、本法案が予算と並行して審議されているのであれば、本法案に令和五年度予算に計上されている額に関する内容が含まれているのは理解できますが、既に予算が成立しているタイミングで審議している本法案で額を確定する必要はありません。
年度内に想定以上の繰入れが可能と見込めるようになると一兆円の増税が必要なくなるという議論になるのを避けるためではないですかと勘ぐってしまうわけですが、既に成立した令和五年度予算に計上している額をわざわざ本法案に盛り込むことの必要性につき、お答えください。
岸田政権下での予算は、補正予算、予備費、基金といった例外的措置を大規模に乱発していて、財政規律を失っていると言わざるを得ません。その中で、歳出は無尽蔵に増え続け、政策効果や優先順位が不明確なばらまきに使われています。
総理、歳出削減を本気で進める気はあるのですか。人に負担を強いるのであれば、まずはそれを決める国会議員が自ら襟を正すことから始めるのは当然です。政治家が自らの身を切る改革ぐらいできずに、国民に痛みの伴う歳出削減なんてできるはずはありません。財源が必要になったら取りやすいところから取って、自分たちの身や既得権は守るという姿勢を、日本維新の会は断じて容認できません。総理の見解をお伺いします。
二〇一二年十一月、安倍元総理は、二〇一三年の通常国会までに衆議院定数を大幅に削減すると確約しました。しかし、いまだに実現されていません。復興特別所得税導入の際に行われた国会議員歳費二割カットは僅か二年で終了しましたが、今回、国民には復興特別所得税の期限延長を求めています。昨年の通常国会に結論を得ると自民党が約束した、いわゆる旧文通費の使途公開や残金返金についても、先送りになったまま実現していません。
総理は、毎回、各党各会派の間で御議論いただくべき事柄であり、議論が進むことを期待しますと他人事のような答弁を繰り返していますが、旧文通費にしても、議員定数削減にしても、与党自民党がやると覚悟すればすぐにでもできることです。
特に文通費については、我が党が中心となって既に議員立法で具体案を提示し、既に案がまとまって、与野党協議会を行ってきている案件にもかかわらず、昨年の国会での与野党の約束を自民党が一方的にほごにしているものです。総理、少なくとも文通費改革ぐらいは、国会で決められることなんですから、今すぐにやりましょう。国民に負担を強いようとしている岸田総理が、岸田総裁として自民党に指示すればいいだけなんですから。歳出削減というなら、まずは国会議員が覚悟を示しましょうよ。今、まさに統一地方選挙の真っただ中です。総理、国民に向かって、文通費の使途公開と残金返還について今すぐ党に指示すると、この場でお約束してください。
総理がこの場で約束できないということであれば、我々日本維新の会は、岸田政権の基本方針に真っ向から対立し、旧文通費改革の問題を先送りにする岸田総理の姿勢に対し、与野党超えて意見を同じくする政党、政治家と大きな固まりをつくり、あらゆる手段を講じて、徹底的かつ無制限に糾弾し続けます。また、今後の岸田政権のあらゆる政策について、財源と国民負担の観点から徹底的に追及してまいります。覚悟を持ってお答えください。
この十年で消費税が二回も増税され、コロナ禍で国民は疲弊し、ようやく回復基調となっているこの段階での増税は、せっかくのムードに水を差す愚策です。
国債の償還ルールの期間の見直し、外為特会に積み上がっている百六十兆円を超える外貨資産の活用、円安介入で外債を売って獲得した円の活用など、まだまだ財源として検討できるメニューはたくさんあります。
日本維新の会は、増税ありきの方針には最後まで反対をし、国民感覚に寄り添った政策提言を続けていくことをお約束して、私の質問を終わります。
御清聴どうもありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕