中司宏の発言 (本会議)
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○中司宏君 日本維新の会の中司宏です。
私は、党を代表して、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案について、関係大臣に質問いたします。(拍手)
三年余り前、世界を襲った新型コロナウイルス感染症によって、我が国では、行政のデジタル化の大きな遅れが露呈するなど、いわゆるデジタル敗戦を嫌というほど思い知らされました。この状況を挽回すべく、令和三年九月には、行政のデジタル化を牽引する司令塔として、デジタル庁が発足しました。
しかし、喉元過ぎれば熱さを忘れるという例えのとおり、今回の改正法案の内容を見ると、まだまだ政府の動きは鈍いと言わざるを得ません。
未知のウイルスの蔓延で社会経済が混乱に陥っていた令和二年六月、日本維新の会は、自民党、公明党とともに、三党で緊急時給付迅速化法案を提出し、成立させました。三年春に成立したデジタル社会の基本理念を定めるデジタル社会形成基本法では、与党と調整し、国と自治体の役割の三本柱の一つとして、公正な給付と負担の確保を追記することができました。
こうしたデジタル分野の法整備に当たって我が党が果たしてきた役割を振り返りますと、私たちは、与党とともに、この法律に責任を有するものと自負しております。ゆえに、その執行を監視し、もし政府の対応が不十分であるなら、その背中を強く押していくという覚悟と責任の下、以下、質問させていただきます。
まず、河野デジタル担当大臣にお尋ねします。
現行のいわゆるマイナンバー法では、マイナンバーの利用の対象となる業務を法律の別表として細かく定めていますが、今回の改正では、規定に準じた業務なら、法改正なしで追加できるような仕組みに改めることになっています。
この法改正によって、地方自治体が独自の住民支援策を迅速に行えるようになるなど、行政サービスの改善につながるといったメリットを広く国民に浸透させることが極めて重要だと考えますが、この点についての認識を伺います。
一方で、マイナンバーの利用対象業務が拡大することに伴い、情報漏えいのリスクが増えるとともに、万一漏えいした場合の影響も大きくなると考えます。利用範囲の拡大に伴うリスクについて、国民にどのように周知していく方針でしょうか。
利用対象業務の飛躍的な拡大及びカード普及の足かせになっているのは、個人情報漏えいなど、セキュリティー面での不安が一部に根強くあるからだと思います。デジタル化への両輪と言える国民の利便性の向上と不安の払拭をどのように並行して進めていくお考えでしょうか。
三月下旬には、横浜市内のコンビニで住民票を受け取ろうとした市民に、別の人の住民票が発行されるというトラブルが複数発生しました。これは、マイナンバーカードの信頼性を揺るがしかねない事案ですが、交付申請が集中し、システムに負荷がかかったことが原因とされています。
大臣は、カードの信頼性に影響するものではないと述べられましたが、なぜそう言い切ることができるのですか。システムを発注する自治体のチェック体制には限界があるため、国が事業者等に対して指針を出すなどの対応が必要ではないですか。
今回の法改正では、全ての行政分野についてマイナンバーの利用を促進、推進するとしていますが、行政分野以外については利用の可能性の考慮にとどまっています。今後のデジタル改革において、民間企業によるマイナンバーの活用を更に活性化させるべきだと考えますが、見解を求めます。
健康保険証との一体化を始め、戸籍の記載事項への振り仮名の追加、あるいは公金受取の口座登録のための年金受給者への通知など、マイナンバーの積極的な利用拡大に当たっては、至るところで、地方自治体、特に市町村の事務負担と財政負担が生じることになります。そこで、地方自治体にかかるコストの一部を政府が助成する措置等、しっかりとした支援策が必要と考えますが、併せて見解を求めます。
日本維新の会は、マイナンバー法を改正して使途を拡大し、マイナンバーのフル活用を推進し、マイナンバーと全ての銀行口座のひもづけを義務化すること等を通じて収入と資産とを捕捉する一方、戸籍から不動産登記、外国人在留管理までをひもづけし、ワンストップサービスの拡充、有事の際の給付金の速やかな支給など、透明で公平公正、迅速な行政施策の実施を実現すべきだと強く訴えてまいりました。
公正な給付と負担を確保していく上で、預貯金口座とマイナンバーのひもづけの義務化を急ぐべきではないですか。欧米では当然となっている預金口座とマイナンバーのひもづけが、我が国で遅々として進まない理由は何だとお考えですか。マイナンバー政策のゴールとして、最終的に我が党の主張を実現させる考えはありますか。ないのなら、その理由及び政府が目標に据えるマイナンバー政策のゴールについて説明を求めます。
デジタル社会形成基本法では、国民の利便性の向上、行政運営の簡素化、効率化及び透明性の向上、そして、我が党の修正提案により盛り込まれた、公正な給付と負担の確保、この三つが国と地方公共団体の役割として明記されました。
昨年六月に閣議決定されたデジタル社会実現に向けた重点計画には、国民の利便性の向上、行政運営の簡素化、効率化及び透明性の向上、この二点について様々な取組がうたわれています。しかしながら、公正な給付と負担の確保については、ほとんど記載がなく、なおざりになっています。それはなぜですか。公正な給付と負担の確保について、具体的に進めていく考えはあるのですか。
マイナンバーカードは行政デジタル化の核となるものであり、今回の法改正で打ち出された健康保険証との一体化は、その試金石になります。国民の目線に立って医療DXの戦略を展開することにより、ひいては医療ビッグデータの活用や医療費の適正化などにつながるものと考えます。オンライン資格確認等のシステムを導入し、マイナンバーカードを用いた本人確認を行うことにより、医療機関や薬局において特定健診等の情報や診療、薬剤情報の閲覧やチェックができるようになり、国民はよりよい医療サービスが受けられます。
マイナンバーカードの普及が行政の効率化や医療機関などの負担軽減につながることについて、この際、政府が正面から誠意を尽くして説明し、マイナンバーカードの取得及び保険証との一体化について義務化を進めるべきではないですか。
マイナポータルで支払い情報の登録ができれば、マイナ保険証で受診した医療費を指定口座やクレジットカードから引き落とせるようになり、患者にとっては窓口の待ち時間が大幅に減り、医療機関にとっても窓口業務が効率化し、未収金等の問題も解決すると考えます。医療費の支払い情報の登録について、どう考えますか。
以下は加藤厚生労働大臣に質問しますが、さらに、マイナ保険証に診察券の機能も付加するようになれば、患者は、診察後、窓口で処方箋をもらう必要もなくなります。診察券機能をマイナンバーカードに付加することも検討すべきではないでしょうか。併せて所見を求めます。
マイナンバーカードと保険証を一体化しても、電子カルテをマイナンバーに連動させることに道を開かなければ意味がないと考えます。
例えば、外出先で急に持病などが悪化し救急病院に搬送された際に、病歴から医師がすぐに適切な処置を取れるなど、命を守ることにつながります。そうした活用ができないのであれば、マイナ保険証への切替えを促しても、国民にとって利便性の向上は限定的であり、一里塚にすぎません。政府として、国民の任意により、電子カルテとマイナンバーを連動させる考えはないのでしょうか。
これを実現させる前提として、各医療機関で仕様が異なる電子カルテの標準化を進める必要があります。保険診療に係る医療についてのデジタル化は、医療機関に任せるのではなく、国が主導して、予算措置などを行い、整備を進めるべきではないですか。
国が医療界のデジタル化を主導することについて、一昨年六月の参議院厚生労働委員会で、当時の菅総理は、やらなきゃならないと思います、国全体として統一のものが必要だという思いがあったのがまさに医療ですと答弁されました。この言葉をどう受け止めますか。そして、医療分野でのデジタル化のゴールはどこに据えているのですか。
マイナンバーカードで保険資格を確認するオンライン資格確認システムの導入については、一部の例外を除いて、本年四月から運用開始が義務づけられていますが、対象となる医療機関の約三割でシステムの導入が間に合わなかったと伺っています。
厚生労働省は、医療機関任せで、全体の状況を十分に把握していなかったのではないですか。今後、経過措置を繰り返す事態とならないよう、進行管理の徹底を図るべきではないですか。併せて厚労大臣の答弁を求めます。
以下、改めて河野大臣に質問します。
繰り返しますが、公的給付支給口座の登録制度について、日本維新の会は、二年前の法制定時から、全ての預貯金口座をマイナンバーとひもづけて登録すべきであると主張してきましたが、残念ながら、かなっていません。
今回の法改正は一歩前進と言えますが、口座のマイナポータルへの登録は義務ではない上、マイナンバーと預貯金口座のひもづけも義務化に至っていません。公正な給付と負担を確保するためには、公正な給付を行うべき口座を正確に把握し、公正な負担をすべき者の所得や資産を正確に把握して、負担を不正に免れることが起きないようにする必要があります。
マイナンバーにより預貯金口座の管理を義務化することで、個人の資産、収入を正確に把握し、公金の速やかな給付や給付つき税額控除を行うことが不可欠だと考えます。なぜなら、それが、我々維新の会が目指す、税と社会保障の一体改革である日本大改革プランにつながるからです。改めて見解をお示しください。
さて、デジタル庁が発足して一年半がたちましたが、新型コロナウイルスワクチン接種証明書アプリ以外、国民が便利になったと思えるような成果を上げているとは言い難いと考えます。行政のデジタル化の司令塔の役割をしっかり果たしていると胸を張れますか。デジタル庁のこの間の成果と、浮かび上がった課題、そして今後の目標も併せて、総括をお聞かせください。
デジタル庁は、政府のデジタル政策全般を統括し、他省庁への勧告権という強力な権限を持っています。河野大臣は、必要であれば勧告権を積極的に活用する方針を示されています。
デジタル庁発足以来、この勧告権を発動した事例や、勧告権を背景として効果的な働きかけを行った事例はありますか。仮にそのような局面がなかったならば、霞が関の抵抗もなく業務は円滑に進んだと言えますか。大臣自身、縦割り行政は打破できた、弊害はないと言い切ることができますか。
マイナンバーカードは、三月末時点で、人口に対する申請件数の率はおよそ七六・三%、申請受付の累計は九千六百十四万を超え、申請ベースで運転免許証の保有者を超え、顔写真付証明書としては最多となりました。
ただ、マイナポイント事業をてこに普及が伸びてきただけに、今後は、カードが実際に活用されるかどうかに懸かっています。つまり、国民のニーズを的確に把握し、使い勝手のよい仕組みを導入することで、マイナンバーカードを使いたいと思えるサービスを不断に構築していくことが鍵だと考えますが、いかがでしょうか。
政府は、マイナンバーカードの取得を任意にし続けているために、今や少数派と言える非取得者の権利を守ることに腐心せざるを得ない悪循環に陥っているのではないですか。国民の利便性向上は、まさに公共の福祉です。諸外国では義務化され、日常生活の利便性向上に寄与しているのに、我が国ではそれができない理由は何なのでしょうか。
以上、河野大臣の明確な答弁を求めるとともに、政府に対しては、マイナンバーのフル活用及び預貯金口座のひもづけ、カードの取得義務化を早期に決断するよう強く訴え、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣河野太郎君登壇〕