熊田裕通の発言 (本会議)
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○熊田裕通君 自由民主党・無所属の会の熊田裕通です。
私は、会派を代表して、本法律案及びその修正案について、賛成の立場から討論いたします。(拍手)
本法律案は、現行の三つの課題を一体的に解決しようとするものであります。
第一の課題は、送還忌避問題です。現行法上、我が国からの退去が確定しても、難民認定申請しさえすれば無制限に送還が停止され、重大犯罪者やテロリストであっても送還ができません。
第二の課題は、収容の長期化であります。現行法では、収容の長期化回避には、逃亡等の防止手段が十分ではない仮放免制度を用いるしかなく、その結果、仮放免中の逃亡事案が発生し、令和二年末時点で四百十五人、令和三年末時点で五百九十九人、令和四年末時点で約千四百人と急増しております。しかも、仮放免中に犯罪行為に及び逮捕される事例も後を絶たず、我が国の治安維持に懸念を生じさせております。
第三に、現行法では、ウクライナ避難民のような紛争避難民などを確実に保護する制度が十分ではありません。
本法律案では、これらの三つの課題を解決するため、まず、難民と同様に保護すべき者を補完的保護対象者と認定する制度を創設するとともに、在留特別許可制度の一層の適正化などを図っております。補完的保護対象者の認定制度により、ウクライナ避難民のような紛争避難民に、より安定的な在留や制度に裏づけられた支援を可能とするなど、保護すべき者を確実に保護できます。
次に、難民認定申請を誤用、濫用する送還忌避者や三年以上の実刑前科のある者、テロリストなどの送還を可能とし、かつ、退去の命令制度などにより、我が国に在留を認められない者を迅速かつ確実に国外に退去させることができます。加えて、本法律案では、そもそも、退去強制事由に該当する者の約七割が、新たな出国命令制度により、直ちに出国することも期待されます。
長期収容問題については、ただいま申し上げた出国命令制度の活用により、退去強制事由に該当する外国人の大半がそもそも収容の対象とはならないこととなります。また、監理人による監理の下で逃亡等を防止しつつ、収容せずに退去強制手続を進める監理措置制度の創設により、全件収容主義などと批判される現行法の仕組みを抜本的に改め、加えて、三か月ごとの収容の見直しにより不必要な収容が防止され、長期収容問題が解消されます。
審議では、監理人に一定の義務が課されることへの批判もありましたが、仮放免中の逃亡事案、犯罪の発生、特定の身元保証人が多数の逃亡者を発生させている事態を踏まえれば、立法により、しっかりとした逃亡等の防止措置を講じることが必要であります。
本法律案につきましては、十九時間にわたる対政府質疑、二時間半にわたる参考人質疑、名古屋入管の視察、五時間のビデオ視聴を行った上で、三日間、計五回にわたる修正協議も行われました。与党からは、野党側に大幅に譲歩し、本則、附則、附帯決議及び運用上の対応など、考え得る限りの修正を提案しましたが、残念ながら、合意に至りませんでした。
本法律案は、慎重かつ丁寧な議論を経て、自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党提案の難民認定手続の一層の適正化を図るための修正案による修正も施した上で、法務委員会における採決に至りました。審議が不十分という指摘は全く当たりません。
最後に、我が国において外国人と日本人とが安全、安心に暮らせる共生社会を実現するためには、日本人が外国人への差別、偏見をなくし、人権を尊重することが必要であることはもちろん当然のことであります。一方で、必要なルールを定めること、外国人にもルールを守っていただくべきこともまた当然であります。
本法律案は、こうした共生社会実現の基盤となるルール作りであることを申し上げ、私の賛成討論とさせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)