藤岡隆雄の発言 (本会議)
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○藤岡隆雄君 立憲民主党・無所属の藤岡隆雄でございます。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました鈴木俊一財務大臣不信任決議案に賛成の立場から討論をいたします。(拍手)
まず冒頭、先ほど自民党から満身の怒りということが表明をされましたが、私は、満身の怒りではなく、満身の大きな怒りをもって反論させていただきたいと思います。
先ほど、採決が決まっていたという話がございました。この場において形式論の反論に固執する時間があったら、防衛財源のフレームワークをチェックするべきではないでしょうか。先ほどの討論を聞いておりましても、破綻している防衛財源フレームに対する十分な説明はありませんでした。
改めて、こうした破綻した防衛財源のフレームをそのままにしていることが国民に対する信義にもとるのではないでしょうか。まずそのことを申し上げまして、私は、不信任案の討論をさせていただきます。
さて、まず指摘したいのは、鈴木大臣による防衛増税という重大な誤りでございます。
防衛増税により四年後の令和九年度以降に必要となる毎年約四兆円の追加財源のうち、約四分の一強を手当てすることになっております。しかし、なぜ四分の一を増税で賄わなくてはいけないのか、納得できる説明はありませんでした。
政府は、行財政改革やあらゆる工夫を最大限行うのが防衛増税の大前提であると答弁をしております。国民が物価高に苦しみ、その視界が晴れない中で、この大前提として行うことのぎりぎりの成果が判明する前に、増税ありきで、増税割合まで決めて一方的に突き進む財務大臣の姿勢を到底容認できません。まず、一方的な防衛増税の方針を撤回するべきであります。
次に、被災地出身の財務大臣でありながら、いわば復興所得税を流用するスキームを組んだこと自体、被災地の心情を踏みにじるものであり、その政治家としての感覚が信じられません。
これにより、復興所得税の二十五年間という期間限定の約束がほごにされますが、国民に負担してもらう課税期間が長く継続することが、被災地の立場に立って考えると、心理的な御負担になることを、大臣、もっと気にするべきじゃないですか。
政府は、防衛財源に関して、将来世代に先送りすることなく、今を生きる我々の将来世代への責任として対応すべき課題と答弁をされております。二〇五〇年頃まで十四年程度の課税期間の延長は、将来世代に対する負担の先送りそのものではないですか。
復興所得税をめぐる一連の対応だけでも、財務大臣の資質を欠くと言わざるを得ません。
次に、防衛財源確保法案自体に大きな欠陥があることも明らかになりました。
かつての東日本大震災の復興財源確保法を見ると、税外収入だけではなく、決算剰余金、歳出削減、税制措置による財源確保なども規定され、何より、十五年間の復旧復興に必要な三十二・九兆円が一〇〇%カバーされた、フルカバー、フルスペックの法案でありました。
ところが、今回の法案は、財源確保と銘を打ちながら、本法案で確保される財源の金額はたったの三・四兆円であります。今後五年間の防衛費増額分の十七・一兆円に占める割合は僅か二〇%にすぎないばかりか、その他の財源及び今回の約二〇%部分の令和十年度以降の財源は、中身がすかすかで、持続可能性がないものであります。財源確保とは名ばかりの欠陥法案ではないでしょうか。
この法案を直ちに取り下げて、精査した必要な財源を一〇〇%カバーする、フルカバー、フルスペックの法案を出し直して審議すべきであります。しかし、これをしないということは、今の財源確保の全体フレームに自信がない表れではないでしょうか。
鈴木財務大臣は、財政運営全般に責任を負う立場です。問題ある全体フレームを放置したまま、欠陥法案を国会に提出する態度は、極めて無責任であって、十分解任に値します。
その全体フレームの問題を丁寧に指摘します。
まず、決算剰余金において、過去十年の平均値である一・四兆円のうち、財政法に基づき二分の一を除いた毎年七千億円の財源を見込まれております。
しかし、コロナ禍の令和二年度における、過去に類を見ないような税収見積りの誤りによって生じた約四・五兆円といった決算剰余金の異常値をこの平均値から除かないまま算定しているという、単純かつ重大な問題が明らかになりました。令和二年度前の過去二十年間の平均を取ると九千二百九十億円であることも鑑みれば、令和九年度までの五年間で一兆円程度の過大計上と言えます。
決算剰余金の防衛財源としての見積りは極めて甘いことが明らかであるにもかかわらず、鈴木大臣はこの問題を放置し続けました。
本来、防衛財源に穴が空くこの誤りについて、自民党サイドからも正す声を上げるべきではないでしょうか。政府の提案する防衛財源の全体フレームに対してまともな審査、チェックをサボって、法案の強行採決にひた走るとしか言いようのない姿勢は、真に国を守る気概が欠けていると言わざるを得ません。
次に、決算剰余金を見込んだように確保できなかったらどうするのかという質問に対し、鈴木大臣は、しっかりと確保できるよう努力をすると答弁をされました。
毎年度の決算において、歳出の不用が発生したときに、税収の動向等を勘案し、歳入欠陥にならないよう配慮しつつ特例公債の発行額の減額に努めた結果として、決算剰余金が発生すると考えられます。そもそも、税収見積りを正確に見通す精度を上げる努力をし、特例公債法に基づき特例公債発行額の減額に努めれば、決算剰余金の額は縮小していくはずであります。
鈴木大臣の、確保できるよう努力をするとは、税収見積りを間違う努力をする、又は特例公債の発行額の減額を小さくする努力と捉えられても仕方のない答弁であります。
したがって、最終的に決算剰余金を膨らませる、いわば粉飾決算に走る疑念が晴れることはありませんでした。しかも、決算剰余金が想定よりも上振れした場合も念頭に置いた方針も示されているのは、この疑念を強くし、言語道断であります。
そして、二つ目の、歳出改革について問題点を申し上げます。
まず、歳出改革について法律に何ら定めを置かないどころか、具体的な歳出削減の道筋、内容がほとんど示されることがありませんでした。
歳出改革というのだから、常識的には、その内容は歳出削減が大部分になると誰しもが考えるかと思います。ところが、物価が上がればそれに比例して社会保障関係費以外の歳出の予算枠が増えてもよいという考え方にのっとり、その増えた枠を全て防衛費に回すという財源確保のやり方が歳出改革の柱の一つと言える驚きの実態が明らかになりました。
歳出改革というのだから歳出削減ではないと言い訳するのでしょうが、このようなからくりを通じた机上の空論は、歳出改革の名に値しません。単なる数字いじりの財源確保ではないでしょうか。
また、三つ目の、税外収入に至っては、唯一、法律に定めはあるものの、令和十年度以降について、まだ具体的なめどが立っていないことをお認めになり、持続可能性がないことが露呈をいたしました。
以上のように、今回の財源確保の全体フレームは、もはや破綻をしております。このようなフレームをつくった責任者たる鈴木大臣が信任に値しないことは明白であります。
そもそも、財源確保の全体フレームについて、ここにいる一人一人の国会議員が真摯にチェックをすれば、今回の防衛費四十三兆円が、財源の裏づけ、安定性を欠いた砂上の楼閣であることを理解すると思います。財務大臣は財源をぎりぎりかき集めたと言われておりますが、それでもなお、決算剰余金の見立ては甘く、歳出改革は物価上昇頼みで見通しが立たず、令和十年度以降の税外収入の具体的なめどが立っておりません。
本決議案について、日程闘争とか昭和の手法などと我が党を批判している議員の皆さん、防衛財源の中身、本気でチェックしたのでしょうか。
税制措置を追加することは断じて容認できませんし、もしも国民生活が物価高で苦しむ中でそんなことをしたら、それはもはや、欲しがりません勝つまではという防衛の枠組みであり、真に日本を守れるとは思いません。
日本を取り巻く安全保障環境の変化等に鑑みれば、当然、真に必要な予算を積み上げた結果として一定程度防衛費を増額することは、私たちとしても必要だろうと考えております。
しかしながら、国民の思いを無視した増税にひた走り、国民を欺く破綻した財源フレームで押し通そうとする無責任な今の政権に、この国を託すわけにはいきません。何としてでも政権交代を実現していかなければいけない、このことを強く訴えまして、不信任決議案への賛成の討論といたします。
ありがとうございました。(拍手)