斎藤アレックスの発言 (本会議)
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○斎藤アレックス君 国民民主党・無所属クラブの斎藤アレックスです。
私は、会派を代表して、我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案に対し、反対の立場から討論を行います。(拍手)
ロシアによるウクライナ侵攻や緊迫する台湾情勢、度重なる北朝鮮のミサイル発射など、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、我が会派としても、自分の国は自分で守るという基本理念に基づいて安全保障政策を取りまとめ、昨年末の安保三文書の改定に先立ち政府に提言を行うなど、防衛力を抜本的に強化し、そのために防衛費を増額することは必要であるという認識に立っています。
しかし、今後五年間に必要とされる四十三兆円という数字の根拠や、防衛費を確保するための財源についての政府の説明は不十分であり、財源を確保するためとして提出された本法案についても賛成はできません。
以下、反対の理由を申し述べます。
まず、本法案は、防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源を確保するための法律案と称するにもかかわらず、その内容は税外収入の確保に限られています。そして、本法案で確保する税外収入一兆四千七百五十億円のうち、大宗を占めるのが外為特会の令和五年度剰余金を前倒しで繰り入れる一兆二千四億円ですが、これは、本法案による措置がなかったとしても、来年度の予算審議を経て一般財源に繰入れを行うことが可能であり、今国会で議論する必要は全くありません。
他方、政府は、防衛力の抜本的な強化を行うための財源の一部として、税制措置を段階的に実施し、令和九年度には、法人税、所得税及びたばこ税で一兆円強を確保する旨を閣議決定しています。しかし、本法案において税制措置に関する事項への言及は一切ありません。
なぜ税制措置は閣議決定で足りて、逆に外為特会の令和五年度剰余金の繰入れについてはわざわざ今国会で立法措置が必要なのか、委員会の答弁において、鈴木大臣は政治判断と繰り返すばかりで、何ら説得的な説明はなされませんでした。
そもそも、防衛力強化のための税制措置、いわゆる防衛増税の議論は、物価上昇を超える一定の賃上げを複数年度連続で達成するなどして、コロナ禍の経済的なダメージと失われた三十年と呼ばれる経済の長期低迷からの脱却を実現してから行うべきです。
現在の政権与党は、過去三十年間にわたる経済財政運営の失敗のツケを増税という形で国民に払わせようとしながら、その失敗に正面から向き合うことはいまだしていません。それどころか、ある自民党幹部は、テレビで、これまでの政権与党の経済財政運営の評価を聞かれて、選挙に勝っているから成功しているという趣旨の発言をするなど、今の政権与党はデータやファクトに基づかない非科学的な経済政策の評価、運営を行っているのではないかと疑わざるを得ません。賃上げと経済回復の機運をそぐ結果を招く危険性が高いその国家経営の姿勢には深刻な問題があります。
また、政府は、決算剰余金のうち、毎年〇・七兆円を防衛財源に充てるとしていますが、これまで補正予算の財源の一部として活用されてきた決算剰余金を防衛費に使えば、その分だけ補正予算編成時の国債発行が増加することとなり、防衛費の財源に赤字国債は充てないとする政府の説明には疑義が生じます。特に、新型コロナ感染拡大以降、主に赤字国債を財源として巨額の予備費が計上されてきた中で、余った予備費が決算剰余金に回り、それを防衛費の増額に流用することになれば、もはやそれはある種のマネーロンダリングにほかなりません。
このように、本法案の内容は極めて不完全なものと言わざるを得ません。政府は、防衛費を賄うための財源として、税外収入、歳出改革、決算剰余金、税制措置の四つを示している以上、それら全てを明確に具体化した法案を予算関連法案として再提出し、来年の通常国会で十分な時間をかけて審議すべきです。
最後に、政府は、防衛力強化について、昨年末の安保三文書の改定までは、検討中なので答弁できないとして国会での議論をなおざりにしておきながら、一旦閣議決定を行った後には、国会の場で中身の詳細をただそうとすると、手のうちをさらすことになるので答弁できないという不誠実な答弁に終始してきました。本法案についても、聞かれたことに答えず、関係ないことを延々と答弁するという逃げの姿勢が繰り返されました。これらは、国民の代表たる国会を、ひいては主権者たる国民を軽視するものにほかなりません。
政府におかれては、国会の場において、しっかりと、税、社会保障、そして国債発行を含め、真正面から堂々と財源の議論をしていただくことを強く求めて、本法案に対する反対討論とします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)