伊藤達也の発言 (本会議)
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○伊藤達也君 自由民主党の伊藤達也です。
私は、自由民主党・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました岸田内閣不信任決議案に対し、断固反対の立場から討論を行うものであります。(拍手)
昨夜、北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、我が国のEEZ内、石川県から僅か二百五十キロメートルという地点に落下しました。国民生活を著しく脅かす、我が国の安全保障に対する重大な挑発行為であり、断固非難をいたします。
さて、新型コロナや世界的な物価高騰、激変する安全保障環境など、日本は今、歴史を画するような内外の厳しい課題に直面をしています。国民の間には不安が広がり、将来への希望も見えにくい、まさに国難とも言える時代であります。
そうしたときに、出さなければとの強迫観念に駆られているのか、まるで会期末の慣例行事のごとく内閣不信任決議案を提出する立憲民主党の皆さんは、本当に国民に目を向けているのか、甚だ疑問です。
岸田政権は、今国会、野党の皆さんからの御意見に真摯に耳を傾け、法案修正など、時に御協力をいただきながら、丁寧な国会審議に努めてきました。国民の負託に応えるべく、お互いに汗をかいていた中での今般の不信任案提出。このような日程闘争に終始した党利党略の不信任は、時代に全くそぐわないものであります。
岸田内閣は、これまで、国民の命や暮らしを守り抜くため、あらゆる政策を総動員して足下の不安を打破するとともに、経済構造の転換や成長分野への投資といった、未来への希望を育てるための政策を打ち出してきました。
新型コロナの感染拡大から三年が経過をしましたが、日本は、岸田政権の下、国民の皆様にも御協力をいただきながら、感染の波を乗り越え、ウィズコロナに向けて着実に前進をしています。五月八日から新型コロナが五類感染症に移行され、本格的な日常を取り戻すための新たなステージが始まりました。コロナ対策と社会経済活動の両立に向けた大きな一歩であります。
コロナの影響で減少していた観光客の数も回復し、地域は活気を取り戻しつつあります。昨年一年間の全国における日本人宿泊者数は前年と比べて四〇%増となり、コロナ前の水準の九割を回復しました。また、昨年十月の水際措置緩和以降、訪日外国人旅行者数も回復基調にあり、今年四月の訪日外国人の数は百九十五万人と、個人旅行が再開されてから過去最高、さらに、今年第一・四半期の訪日外国人旅行消費額はコロナ前の九割の水準に達するなど、インバウンドも着実に回復をしています。
岸田内閣には、引き続き、コロナから全面的に日常を取り戻し、日本を本格的な経済回復、さらには新たな経済成長の軌道に乗せていくため、全力で取り組んでいただきたいと思います。
岸田内閣発足以降、日本経済は確実に回復をしています。株価は上昇し、三万円台を回復、三十三年ぶりの高値をつけました。また、昨年度の名目GDPは五百六十二兆円と、コロナ禍直前で過去最高だった二〇一九年の水準を超えました。さらに、今年度は、名目、実質共に過去最高となる見通しで、コロナを乗り越え、景気は確実に、着実に回復の道をたどっています。
他方で、ロシアによるウクライナ侵攻によって起きた物価高やエネルギー価格の高騰が、国民生活に影響を与えています。
岸田内閣では、昨年四月に事業規模十三・二兆円の総合緊急対策、十月には事業規模七十一・六兆円の総合経済対策、さらに今年三月には二兆円超の追加策と、切れ目のない対応を講じてきました。一連の対策によって、本来であれば二百円近くまで上昇していたガソリン価格は、百七十円程度に抑制されています。また、物価上昇も、米国など他の主要国が一〇%近くの物価上昇に直面する中、日本の上昇幅は三%程度に抑えられています。
岸田内閣は、常に国民の不安に寄り添い、政策を着実に進め、様々な課題に機動的に対応することで結果を出してきました。不信任に値するとの批判が全く当たらないことは、火を見るより明らかであります。
岸田内閣が掲げる最重要課題の一つが賃上げです。
岸田総理は、一月の施政方針演説で、労働移動の円滑化、さらには、生産性を高めるための学び直し、リスキリングを始めとする人への投資などを含めた構造的な賃上げの実現を訴えました。さらに、三月には、八年ぶりとなる政労使会議を開催し、政労使が一体となって賃上げに取り組むことを確認いたしました。その結果、今年の春闘では、大企業で三・六九%、中小企業においても三・三六%という三十年ぶりの高い賃上げ率を達成しました。
この流れを止めることなく、新たな価値創造による生産性の向上や価格転嫁対策の徹底など、構造的な賃上げの推進によって、賃金引上げのモメンタムを維持強化する。岸田内閣の下で、賃上げの好循環を更に加速していただきたいと思います。
我が国は、今、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しています。
岸田総理は、これまで、各国首脳と膝を突き合わせ、世界経済、エネルギー、食料危機、気候変動問題など、幅広いテーマについて議論を行い、連携を深めてきました。
今年三月、総理は、自らウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領との首脳会談や現地情勢の視察などを行いました。国際社会でウクライナ情勢が重要なテーマとなる中で、大きな意義があったと思います。実際、訪問を評価する声が七割を超えたとの世論調査の結果も出ています。
また、五月には韓国を訪問し、日韓のシャトル外交が十二年ぶりに再開しました。北朝鮮問題など安全保障環境が厳しさを増す中で、インド太平洋の安定化に向けた連携強化を確認し、日韓両国の関係改善を本格化する重要な機会となりました。
今、国際秩序は、間違いなく歴史的な転換点にあります。これほどまでに国際社会の結束が求められているときはありません。
そうした中で、五月十九日、G7広島サミットが行われました。
今回のサミットにはウクライナのゼレンスキー大統領も出席をし、G7とウクライナの揺るぎない連帯を示すとともに、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くとの力強いメッセージを日本から世界に発信しました。また、地球規模の課題解決に向け、グローバルサウスと連携を強化していく決意を示すとともに、広島という平和の誓いを象徴する地で開催されたサミットで、核軍縮に関する広島ビジョンをG7として初めて発出できたことは、歴史的な意義があったと思います。
これを含め、今回のサミットは、日本がG7議長国としてリーダーシップを発揮し、国際社会の結束を高める、歴史を刻むサミットとなりました。
岸田内閣は、昨年、五年間で四十三兆円の防衛予算を確保し、反撃能力の保有やサイバー、宇宙など新領域への対応などを進める、新たな国家安全保障戦略などを策定しました。今国会では、防衛力の抜本強化に向けて必要な財源を確保するための財源確保法が成立をしました。
防衛力の抜本強化に向け、一刻も早く、国民の命そして暮らしを守り抜くための体制を整備しなければなりません。国民の安心、安全に資する防衛力の抜本強化に向け、総理が先頭に立って進めていくべきです。
昨年の我が国の出生数は七十七万人と、過去最少となりました。急速に進む少子化、人口減少に一刻も早く歯止めをかけなければなりません。
岸田内閣は、少子化という待ったなしの課題に不退転の決意で取り組んでいます。四月には、こどもまんなか社会の司令塔となるこども家庭庁を設置、今月十三日には、少子化反転の要となるこども未来戦略方針を決定しました。今回の戦略方針では、三兆円台半ばまで予算規模の充実を図り、現在のこども家庭庁予算四・七兆円を最初の三年間で一・五倍に拡大することとしています。これにより、我が国の子ども・子育て関係予算は、一人当たりで、OECDのトップのスウェーデン並みの水準となります。
我が国が直面する少子化の反転に向け、ここからの取組が重要になります。岸田内閣には、実行に向けた取組や今後の課題の検討を加速していただきたいと思います。
本日にも、骨太の方針と新しい資本主義実行計画が決定します。
骨太の方針には、外交、安全保障の強化、人への投資、成長分野への投資を始めとする新しい資本主義の加速、少子化対策、子供政策の抜本強化など、我が国が直面する内外の諸課題の解決に向けた取組方針が盛り込まれています。
また、新しい資本主義実行計画には、スタートアップ企業の育成に向けた取組や、GX、DXの推進を始めとする戦略分野への投資など、官民が連携をして社会課題を成長のエンジンへと転換し、成長と分配の好循環を生み出すためのグランドデザインがまとめられています。
この骨太の方針や実行計画を基に、来年度予算に向けて、我々は、政府と連携をしながら、更に議論を深めていきたいと思います。
政治に近道はありません。一つ一つの積み重ねなのです。いたずらに批判を繰り返し、短絡的な判断で物事を進めても、その先には何も生まれません。真摯な言葉で建設的な議論を尽くし、政策を丁寧に着実に実行していく。真に国家と国民を愛し、国民の声に耳を傾けながら、進むべき道を、未来を切り開いていく。それが今求められている政治です。
我が党は、引き続き、内外の諸課題の解決に向け、政府と緊密に連携をしながら、一つ一つの解決策を示し、国民の負託に応えてまいる覚悟です。
改めて、今般提出された極めて理不尽な不信任に断固反対をし、否決していただくことを強くお願い申し上げ、討論を終わります。(拍手)