石川香織の発言 (本会議)
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○石川香織君 立憲民主党の石川香織です。
私は、会派を代表いたしまして、ただいま議題となりました岸田内閣不信任決議案に賛成の立場から討論いたします。(拍手)
冒頭、ここ数日の岸田総理による解散をめぐる独り芝居、自作自演について申し上げます。
自ら解散風を吹かす総理は見たことがありません。任期半分にも満たずに解散に踏み切るためには、よほどの大義が必要です。しかし、広島サミットで人気が上がったので、今なら勝てるというよこしまな気持ちがあったのでしょうか。かと思えば、不信任案の前に早々と解散見送りの表明をしたりと、一連の行動は意味不明で、国民もあきれています。
その軽々しさに、与野党の議員だけではなく、総理があそこまでにおわせていたこともあり、自治体では、選挙の準備を想定し、週末の予定を変更するか検討させられるなど、社会全体を振り回したことにお気づきなのでしょうか。自ら解散風を吹かすという独り芝居、自作自演により国民を振り回したことは責任重大です。
まず、このこと一つを取っても、一国の総理大臣としてふさわしくないことは明らかです。
それでは、ここから岸田内閣の問題点を具体的に指摘したいと思います。
一つ目は、電気料金や食料品などの物価高騰など、国民の生活がますます苦しくなっている中、そこに追い打ちをかけて、岸田内閣は国民への増税、負担増を企てている点です。
防衛財源について、岸田内閣は、今後五年間で四十三兆円もの巨額の防衛費を確保しようとしています。着実な防衛強化は必要ですが、五年間で四十三兆円というのは余りにも巨額過ぎではないでしょうか。
しかし、岸田内閣が成立をさせた、いわゆる防衛費の財源確保法案ですが、財源確保とは名ばかりで、歳出改革、決算剰余金、税外収入、税制措置の規定が法律案に盛り込まれていないため、財源の中身が乏しく、持続可能性もない欠陥法案です。
そして、身の丈を超えるような防衛費倍増が国民の大きな負担となるのではないかという疑問に正面から答えようとしません。こういった姿勢は、国民に寄り添っているとはとても思えません。
さらに、東日本大震災の復興財源を確保する復興特別所得税が防衛費に転用されることは、国民との約束違反です。当事者である被災住民の声を聞くために被災地での地方公聴会の開催を繰り返し強く求めているにもかかわらず、衆議院では質疑を打ち切って採決を強行したことも、余りにひどいの一言です。
次に、岸田内閣が少子化対策として六月十三日に発表したこども未来戦略方針ですが、内容、予算、財源に大きな問題があります。
三年間の集中取組期間とする加速化プランの予算三兆円台半ばの中身ですが、財源確保策の結論は年末に持ち越されました。
財源の一つとされている支援金制度の詳細は不明ですが、医療保険料に定額を上乗せする案が浮上しています。保険の本来の機能が失われかねないばかりか、現役世代の手取り額が減り、企業側の事業主負担が重くなるため、賃上げ意欲がそがれる可能性があります。社会保険の仕組みを使えば現役世代の負担が重くなり、子ども・子育て支援策や少子化対策と逆行してしまいます。さらに、こども特例公債も将来世代に負担を先送りすることにつながりかねません。
使途が不明瞭な莫大な基金や、委託業者による中抜きや天下りなど、徹底的に改革をした上で、所得税の累進性強化や一億円の壁を解消する金融所得課税改革など、格差を是正する税制改革を実行することで財源を捻出するべきではないでしょうか。
児童手当の所得制限の撤廃、支給期間の延長は、立憲民主党がかねてから訴えてきました。しかし、自民党は、民主党政権時に所得制限のない子ども手当をばらまきだと批判し、その実現を大きく遅らせました。さらに、昨年の秋には児童手当の特例給付の一部を廃止し、約六十一万人の子供たちを支給対象から外し、子ども・子育て支援策を後退させてきました。
立憲民主党は、既に提出している学校給食費無償化法案のほか、高校授業料無償化の所得制限撤廃、国公立大学の授業料無償化等、教育の無償化は進めるべきであると主張しています。しかし、政府案は、年収約六百万円までの多子世帯や理工農系の学生への授業料減免等の拡大にとどまり、それでは余りにも対象者が少なく、不十分です。
また、政府の対策には、上がらない賃金や不安定な雇用など、未婚率増加の背景にある構造的な問題への解決策が決定的に欠けている点も指摘せざるを得ません。
先日、ママ議員サミットというものを開催しました。立憲民主党は、四月の統一地方選挙で若手、女性議員が多く誕生しており、その中でも子育てをしながら議員をするママ議員に焦点を当て、女性が働く上での課題を話し合うというものです。
開催時刻は、通常の会議などで設定されがちな早朝や夕方ではなく午前十一時、場所は、子連れも参加しやすいように議員会館の和室を利用したところ、参加者である地方議員だけではなく、取材に来た記者たちからも、十一時開催だと会社に戻って原稿を書いても夕方には上がれると非常に好評でした。いかに永田町を始め社会全体が男性目線で会議の時間や場所などが設定をされ、それに、あらゆる工夫をしながら何とか女性がこなしていたのかということが分かると思います。
子育てをしながら働きやすい環境や子供を産み育てやすい社会をつくるためには、もちろん大胆かつ中長期的な支援策が必要とされますが、しかし、異次元という仰々しいものだけではなく、少しの工夫や社会の意識を変えていくことがとても重要なのではないでしょうか。是非、こういうやりくり上手になる視点も岸田内閣には持っていただき、政府の想定を上回るペースで進んでいる少子化対策を本気で進める必要があります。
しかしながら、岸田内閣は子育て世代への支援が的を射ているとは思えず、現場のニーズと乖離があります。岸田内閣の少子化対策は、遅くて不十分、財源も示されず、無責任そのものであります。このままでは、少子化に歯止めがかかるとは思えません。
次に、岸田内閣の、命や人権に対しての向き合い方について指摘をします。
六月九日に岸田内閣が強行的に成立させた入管法は、多くの人々の生死が懸かった命の問題でした。しかし、政府案の収容施設内の医療体制については、廃案になった二年前の政府案とほぼ同じ規定であり、ウィシュマさんの死に対する反省がどこにも見られませんでした。
立憲民主党は、議員立法で、難民等保護法案と入管法改正案を参議院に提出いたしました。
岸田総理、今からでも遅くありません、難民の皆さんや、日本が当然守るべき命や人権を大切にすることが当たり前の国にするべきです。
LGBTなど性的マイノリティーは、性的指向、性自認を理由に偏見やハラスメントにさらされ、自死に至るリスクが高いと言われております。
立憲民主党は、昨年六月にLGBT差別解消法案を提出し、G7先進国の世界基準である同性婚を法制化する議員立法を国会に提出しています。
夫婦別姓に関しても、自民党は選択制でさえ認めようとしておりませんが、岸田内閣が女性活躍を支援といっても、何の説得力もないのではないでしょうか。
宗教二世の問題が大きな話題になった後も、統一教会による献金集めは継続され、被害者は増え続けています。解散命令請求についても、文化庁は教団に対して六回にわたり情報を収集しているものの、解散命令請求はいまだに出ておりません。
入管法、LGBT、統一教会、岸田内閣の対応は一人一人の命や人権を軽視していると感じざるを得ません。
そして四つ目は、危機管理能力の欠如です。
昨年八月、現在の内閣が立ち上がって以降、閣僚や秘書官の辞職、更迭は七人。順に申し上げます。山際大志郎経済再生大臣、葉梨康弘法務大臣、寺田稔総務大臣、秋葉賢也復興大臣、杉田水脈政務官。官邸では、荒井勝喜秘書官、そして岸田翔太郎秘書官も更迭されました。
一年にも満たない短期間にこれほどの数の閣僚や秘書官などが辞職、更迭される、このような事態で総理の任命責任が問われるのは当然です。
そして、現在、マイナンバーカードに関するトラブルが大きな問題になっています。七千三百七十二件もマイナ保険証の誤登録が発覚をし、国民の不安は高まっているにもかかわらず、従来の保険証の廃止を強行しようとする岸田内閣は、国民の命と健康を脅かしています。
六月九日に、立憲民主党は、厚労省に従来の保険証の存続の申入れをしました。誤登録により誤った医療情報につながれば、必要な医療が受けられなかったり、誤った投薬や治療につながったり、保険診療が受けられず十割負担になる危険性があるからです。
岸田総理、与党内からも来年秋の保険証廃止の先送り検討を求める声が上がっています。是非、従来の保険証廃止の方針を撤回して、まずは、原因究明、再発防止を徹底して、国民の不安を解消するべきではないでしょうか。
そして、食料安全保障についての本気度も大変疑問です。
自国で食料を生産する重要性が認識されているにもかかわらず、岸田内閣では、まだ牛乳を搾れる牛を処分すると十五万円の奨励金が出る早期リタイア事業に象徴されるように、生産基盤を弱体化させることに予算をつけています。水産業、林業の現場への支援も不十分です。
岸田内閣の急な方針転換に現場は振り回され、生産現場は二度と立ち上がれないかもしれないほどの深いダメージを負っています。お金で食料が買える時代はもう終わり始めているのです。
また、食料安全保障とセットで考えなければいけない物流業界のいわゆる二〇二四年問題も間近に迫っています。
自分たちだけではなく子供や孫がこれからも食べるものに困らず幸せに暮らしていける日本であるかどうか。未来の子供たちの生きる社会をつくるのは、今の私たち、つまり、この議場にいる私たち政治家なのです。だからこそ、政治家とは、人生を懸けて取り組む仕事であり、妥協をしたり、こそくな手を使うことは許されないことだと思っております。
これまでも、自民党は、大企業や富裕層がもうかれば、その富が庶民にこぼれ落ちてくるという政策を訴えていましたが、結局、トリクルダウンは起きませんでした。生活そのものも、心の豊かさも失われつつある日本は、今、間違いなく正念場です。
私たち立憲民主党は、闘うことを忘れ、さめた雰囲気が格好いいかのような空虚な政治がつくられそうになっても、暑苦しいぐらいの情熱を持って政治に向き合うべきだと思っております。その歩みを絶対止めてはいけないと胸を張って主張します。
改めて岸田内閣に早急な退陣を促し、私の賛成討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)