森田祐司の発言 (決算委員会)

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○会計検査院長(森田祐司君) 会計検査院は、国会法第百五条の規定に基づき令和二年六月十五日及び平成二十九年六月五日付けで参議院議長から会計検査及びその結果の報告の要請がありました「農林水産分野におけるTPP等関連政策大綱に基づく施策」及び「東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等」につきまして、関係府省等を対象に検査を行い、会計検査院法第三十条の三の規定に基づき令和四年九月十四日及び十二月二十一日にその結果の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。
 まず、「農林水産分野におけるTPP等関連政策大綱に基づく施策に関する会計検査の結果について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、予算の執行状況について、公表資料において体系的に整理されておらず、その全容を把握することが困難となるなどしておりました。また、施策の実施状況及び施策の実施による効果の発現状況について、体質強化対策に係る主要施策において成果目標を達成していなかった事業が見受けられたり、経営安定対策に係る成果目標、KPIが設定されていなかったりなどしておりました。
 検査の結果を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、農林水産省において、予算の執行状況等の情報について、これまで以上に国民に分かりやすく提供すること、また、体質強化対策に関し、成果目標を達成していなかった事業等について、施策の実施による効果の一層の発現に向けた取組を進めていくこと、内閣官房及び農林水産省において、経営安定対策について、定量的な目標であるKPIが設定されていない中で、政策目標の実現に向けて効果的、効率的なものとなっているか、引き続き点検、見直しを行うことなどの点に留意することが重要と考えております。
 会計検査院としては、今後とも、農林水産分野におけるTPP等関連政策大綱に基づく施策の実施状況等について引き続き検査していくこととしております。
 次に、「東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等に関する会計検査の結果について」を御説明いたします。
 この報告書は、令和元年十二月四日に提出いたしました報告書におきまして引き続き総括的な検査を実施して、大会の終了後に取りまとめができ次第報告することとしておりました事項に関するものであります。
 検査しましたところ、大会のために国が負担した経費は三千六百四十一億余円、独立行政法人日本スポーツ振興センターによる大会の支援額は千二十六億余円となっており、これらと公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会及び東京都の負担分を合算するなどした大会の総経費は一兆六千九百八十九億余円となりました。また、国は、国が負担した経費の総額について示しておらず、大会の総経費について大会の前後を通じて取りまとめていませんでした。
 検査の結果を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、国は、国際的な大規模イベントについて相当程度国が関与することが見込まれる場合、国が負担する経費の総額を適時に明らかにし、また、イベント全体の経費を明らかにする仕組みをあらかじめ整備するなど、イベントの招致及び実施に対する国民の理解に資するよう十分な情報提供を行う態勢を検討することに留意するなどして適切に対応していく必要があると考えております。
 これをもって報告書の概要の説明を終わります。
 次に、会計検査院は、会計検査院法第三十条の二の規定により国会及び内閣に対して、令和五年一月十三日に「新型コロナウイルス感染症患者受入れのための病床確保事業等の実施状況等について」の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。
 検査しましたところ、確保病床の病床利用率が五〇%を下回っていた医療機関に対して会計検査院が実施したアンケート調査において、確保病床数には看護師等の人数を増員できた場合に受入れ可能となる病床が含まれていたが、実際は想定していた人数を確保できなかったため、都道府県内の患者受入れを調整する機能を有する組織・部門等からのコロナ患者等の入院受入れ要請を断っていたなどと回答した医療機関が見受けられました。
 また、各医療機関における実際の入院患者に係る診療報酬額と病床確保料の上限額とを比較しましたところ、医療機関によって大きな差が生じており、医療機関によって、得られなくなった診療報酬に係る機会損失を上回る額の交付を受けることとなったり、十分な補填となっていなかったりするなどしておりました。
 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の交付要綱等において、同交付金は、当該確保病床の運用に必要な看護師等の人員が確保できているなど実際に入院受入れ体制が整っている確保病床を交付対象とするものであることを明確に定めること、また、病床確保料の上限額の設定を見直したり、医療機関の医療提供体制等の実態を踏まえた同交付金の交付額の算定方法を検討したりして、同交付金の交付額の算定の在り方を検討するなどに留意することが重要であると考えております。
 会計検査院としては、厚生労働省における新型コロナウイルス感染症患者受入れのための病床確保事業等の実施状況等について引き続き注視していくこととしております。
 これをもって報告書の概要の説明を終わります。

発言情報

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発言者: 森田祐司

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日付: 2023-01-24

院: 参議院

会議名: 決算委員会