音喜多駿の発言 (憲法審査会)
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○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。
冒頭、過日に憲法審査会の、参院憲法審査会メンバーから不適切な発言があった件について、御発言の内容についてはこの場では繰り返しませんが、審査会の開催頻度については一言意見を申し上げたいと思います。
憲法審査会は、憲法改正の議論や日本国憲法に密接に関連する基本法制について、広範かつ総合的に調査を行う機関です。昨今の流動的で不確実性の高い国内、国際社会に照らし合わせれば、戦後直後に作られた憲法で対処できない問題が多数出てくるのであり、迅速かつ効果的に情報を収集し、意見交換するためにも頻繁に開催することには十分な意義があります。
昨年から衆議院の憲法審査会は活性化し、一定の国民の評価を得てきました。参議院でも与野党が協力して国民が求める議論に応えていくことが必要であり、毎週あるいは頻繁な開催を求めるものです。
また、不適切な発言については、冒頭会長から説明がありましたが、会長だけではなく、当事者又はしかるべき立場の方からもこの参院憲法審査会の場で謝罪、撤回などの対応がなされることを強く期待をいたします。
さて、今回、私は、日本国憲法第五十四条に規定された参議院の緊急集会の趣旨と必要性を確認した上で、あわせて、緊急事態が七十日を超える場合には、憲法に緊急事態条項が必要であるとの立場から、緊急事態条項改正案の提言等を行います。
憲法第五十四条は、国家の緊急事態に対処するための仕組みを提供しています。その趣旨は、単に衆議院議員が不在の場合の国会の決まりという意味だけではなく、緊急事態という、緊急事態下においても行政府の一存で行うような措置を極力防止するべきであるという、民主政治に必要な権力分立、権力濫用防止の意味が込められていると考えます。ゆえに、二院制が存続する現時点において、民主政治を徹底させて国民の権利を十分に擁護するためにも、本条は必要不可欠であると考えます。
一方で、長期にわたる緊急事態が発生した場合、参議院の緊急集会だけでは対処が困難になります。憲法第五十四条から導かれる緊急集会を開くことができる期間は、最長でも一般的には七十日までです。しかしながら、緊急事態が七十日を超えるような長期にわたる場合、この規定だけでは十分な対処ができません。
例えば、感染症の拡大によって国政選挙の適正な実施が困難になる場合もあり得ます。我が国では今回の感染症では選挙の延期の事例はありませんでしたが、イギリスでは統一地方選が一年、ポーランドでは大統領選が二か月、米国では大統領選の予備選が三か月以上延期されるなど、新型コロナによっても主要国の選挙は影響を受けました。また、ウクライナ戦争を見るに、外交努力むなしく戦禍が我が国に及んだ場合、選挙ができないほどの事態が長期にわたることも大いに予想できます。このような場合には、国会議員の任期を延長する緊急事態条項を設けることが必要です。
そこで、我々日本維新の会は、先日、国民民主党、有志の会と、日本国憲法への緊急事態条項の創設に向けて三党派合意書を結び、緊急事態条項原案を発表いたしました。
具体的には、武力攻撃、内乱、テロ、自然災害、感染症の蔓延など、広範な地域において国政選挙の適正な実施が困難になった場合、内閣の発議と国会の三分の二以上の多数の議決によって国会議員の任期を延長する緊急事態条項を設けるというものです。もっとも、緊急事態条項を導入するに当たっては、憲法上の基本的人権や自由を制限することがあるため、透明性の確保が必要です。
例えば、緊急事態条項の導入に当たっては、監視の仕組みとして、憲法裁判所の関与を必要とするほか、議員任期延長以外の国会権能維持のための措置や、絶対に制限してはならない人権に係る規定等の条文などが適切に設計される必要があります。これらについても、我々は今国会中に成案を目指しています。
このようなフルセットの緊急事態条項を設けることにより、緊急事態が長期化した場合でも、国政選挙が適正に実施されるまでの間、国民の代表たる議員が存続し、国家の運営が継続でき、かつ行政の暴走を止めることが保障されます。私たちは、これまでの経験から学び、未来の緊急事態に備えるために憲法の改正を検討する必要があります。
緊急事態条項の導入はその語感から強権的でファシズム的な印象を与えますが、我々の案はむしろ、いかなる事態においても国会機能を維持することで権力の暴走を止めるために作動するものであり、国民の生命と財産を守るために重要な役割を果たすと考えます。
是非、我々の発表した案に基づいて、緊急事態条項の導入に向けた精緻な議論が本審査会でも行われることを求めて、意見とさせていただきます。
ありがとうございます。