大塚耕平の発言 (憲法審査会)
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○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。
本日は、憲法第五十四条に定める参議院の緊急集会と、現在検討を進めている緊急事態条項の関係等について意見を申し述べます。
緊急集会の規定の制定経緯を鑑みると、当時の連合国軍総司令部が主張していたように、緊急時の暫定措置を法律による委任によって法的根拠を定めるという考え方には一定の合理性があるものと思います。しかし、憲法制定から既に七十七年が経過し、その間に公布された多くの法律がそうした委任を想定していない現状を踏まえれば、参議院の緊急集会という制度を有効活用することが合理的と考えます。
その上で、緊急集会を開催する緊要性が生じるタイミングの観点から整理して意見を申し述べます。
以下、緊急集会を開催する緊要性のある事態のことを緊急事態と定義します。
衆議院は解散の日から四十日以内に総選挙を行い、その選挙の日から三十日以内に国会を召集しなければならないと定めています。緊急事態の発生のタイミングは、第一に解散から選挙の告示までの間、第二に選挙告示から投開票日までの選挙期間中、第三に投開票日から国会召集までの間の三段階に分けられます。
仮に、第一の解散から選挙の告示までの間に緊急事態が生じた場合には、選挙の中止及びそれに伴う前議員の身分復活及び任期延長の可否が問われます。ここに現在検討している緊急事態条項の内容の意義があります。
次に、第二の選挙の告示から投開票日までの選挙期間中に緊急事態が発生した場合、第一の場合に比べれば、選挙途中での選挙中止、前議員の身分復活及び任期延長に対する納得感、合理性は低下するものと思われます。
第三に、投開票日から国会召集までの間に緊急事態が生じた場合には、選出された新議員で速やかに国会を開催すべきと考えます。
以上の整理において、第一の場合、第二の場合に、選挙中止、前議員の身分復活、任期延長がなし得ないケースには、参議院の緊急集会が意味を持つことになります。
次に、昭和二十七年と昭和二十八年における参議院緊急集会の実例については、それぞれ、最高裁裁判官国民審査執行のための中央選挙管理委員会の指名及び暫定予算等の議決のために開催されましたが、この開催理由が参議院緊急集会という異例中の異例の制度を運用するに足る事案であったか否かについては検討を要するものと思われます。
ただいま申し述べている意見における緊急事態の定義及び参議院緊急集会において決定対象とすべき事項については、可及的速やかに議論をして、国会における合意を形成する必要があると考えます。その際には、緊急事態条項の適用に伴う選挙中止及び前議員の復活、任期延長等についても合意を形成し、その内容が憲法事項に当たるのであれば、憲法改正の是非も含め有意な議論を行うべきものと認識しています。
国民民主党は、参議院における法の下の平等とは、単純な一票の平等ではなく、自身の居住する都道府県から少なくとも一人は代表を選出できる権利であることを立法府の意思として明確に主張すべきことを従前より申し上げています。参議院緊急集会の在り方についても、学説的に賛否両論があることは承知していますが、だからこそ、立法府としての参議院自らの意思を明確にすることこそが必要と考えます。
国権の最高機関という憲法上の位置付けを十分に認識し、法的根拠のない司法の判断基準を是としたり、行政府の独断を黙認することのない、自らの運営ルールを確立することが肝要だと思います。
以上で意見を終わります。