佐藤正久の発言 (憲法審査会)

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○佐藤正久君 自由民主党の佐藤正久です。発言の機会をありがとうございます。
 参議院の緊急集会は、緊急事態に対応するための重要な規定です。緊急集会に対して、衆議院が解散された場合にしか対応できない、そもそも参議院だけで重要事項を決めていいのか等の指摘もありますが、緊急事態という国家の根本概念が現行憲法で規定されていない中、様々な対処法を考えておくべきであり、緊急集会もその一つの方法として活用していくべきと考えます。
 他方、緊急集会があればそれで大丈夫とすることも問題だと思います。まさに緊急事態が起きているときに、衆議院議員の任期が満了になるから解散をして、あとは参議院の緊急集会でというのは緊急事態の対処としては間違っています。これについては、憲法を改正し、緊急事態における議員の任期の延長を認めるべきと考えます。
 その際、延長期間に関する議論も必要です。例えば、東日本大震災では地方議員の任期が発災から最長八か月間延長されましたが、ロシアのウクライナ侵略のように、有事の際には今後の見通しが立たない可能性が十分あり得ます。一定の期間を設けておいた上で再延長を可能とし、選挙可能となれば速やかに任期を終了するという方法もあり得ると考えます。
 ただし、根本的な話として、そもそも緊急集会はあくまでも二院制における例外的な制度です。参議院も機能不全に陥るといった国会の機能そのものが機能しない事態に陥った場合、対処するすべがありませんが、現憲法ではこのような事態の想定はなされていないため、全く規定がありません。宣言する緊急事態の規定そのものがないことは大きな問題であり、緊急事態条項の整備は喫緊の課題と考えます。
 また、緊急事態における議論は多角的に行う必要があります。例えば、災害対策基本法百五条は、非常災害が発生し、かつ、当該災害が国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚なものである場合において、当該災害に係る災害応急対策を推進するため特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣は災害緊急事態の布告を発することができると定めています。東日本大震災は、まさに災害緊急事態に該当する事態であったにもかかわらず、結局布告されませんでした。
 東日本大震災の直後に開かれました予算委員会で私は、今まさに災害緊急事態に該当する事態ではないかと質問しましたが、時の民主党政権は、応急対策を推進するための特別の必要があると判断されるときに発動されるべきものであり、また、災害対策基本法百九条の規定にある国会が閉会中等の場合にあるといった状況にはないという説明でした。閉会中か否かに関係なく、緊急を要するのであれば、国に権限を与えて速やかに対応できるようにしておくべきところ、閉会中ではないことがこれを布告しませんという理由にしていました。
 結果、当時の民主党政権の対応が遅い、足りない、優先順位が違う等の批判が出ました。そんな批判が出ても、当時の民主党政権は、国民の権利義務を大きく規制するという非常に強い措置であるといったことも踏まえて適切な判断が必要である、また現地への災害物資の補給については、原発から三十キロ以内の地域に関しても、民間業者の協力が得られなくても自衛隊の協力を得て避難所に燃料等の物資を送り込むことができると、全力を挙げて努力をしているといった説明がありましたが、これは被災者からすると説明にもなっていないという批判もありました。
 自衛隊そのものも、災害時に協力をするといっても、全員が燃料等を取り扱う危険物取扱従事者の資格も持ってはおりません。また、防衛警備任務もあり、交代を考えながら防衛警備をやるというのも災害派遣にとってはかなり負担にもなります。実際に緊急事態に災害が起きる可能性すらあります。
 憂いがあれば備えるのが政治の責任です。様々な緊急事態に対応できるように、必要な憲法改正、法改正を行うべきと考えます。東日本大震災のときのように国会が開会中だから宣言しなかったという理屈で縛られることがないよう、参議院の緊急集会条項も含め、あらゆる事態に備えるよう、憲法に緊急事態条項の整備をしっかり進めていく必要があると考えます。
 以上です。

発言情報

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発言者: 佐藤正久

speaker_id: 11254

日付: 2023-04-05

院: 参議院

会議名: 憲法審査会