片山さつきの発言 (憲法審査会)
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○片山さつき君 ありがとうございます。自由民主党の片山さつきです。
まず、地方公共団体の憲法上の位置付けについて申し上げます。
現行の憲法では、地方自治という章に四つの条文が置かれているだけですが、歴史的、政治的、経済的、社会的、文化的にも一体性のある広域地方公共団体としての都道府県、そして住民にとって最も身近で密着している基礎的な地方公共団体としての市町村の位置付けは、憲法上明確にはなっておりません。日本国憲法は規律密度が相対的に低いとも言われますが、感染症対策や大規模災害等への対応で明らかなように、地方自治が果たしている役割の大きさを考えますと、憲法条文にしっかりと位置付けるべきと考えます。
合区問題についても、都道府県の存在の重みをしっかりと認識して考えなくてはならないと思う次第です。投票価値の平等は極めて大切な問題ですが、それのみを追求の余り、都道府県という単位が我が国の民主主義に果たしている役割を軽視してはならないと考えます。
憲法審査会で鳥取県の平井知事もおっしゃっておられましたが、令和四年に行われた三度目となる合区選挙では、鳥取県において過去最低の投票率を更に更新するなど、まさに民主主義衰退的な弊害が起きつつあります。さらに、平井知事がおっしゃっておられましたように、明治二十三年の府県制以来、都道府県というものはほぼ変わらずに民主主義のユニット、つまり都道府県の知事や議会という存在があって、これが民意を集約し、都道府県の単位で代表が選ばれ、それが国政と地方をつなぐパイプ役になってきたという現実がございます。そして、この仕組みはしっかりと我が国の民主主義に根付いており、それにもかかわらず、投票価値の平等という観点で機械的に都道府県という境目を取り払っていくことは、中長期的に見て民主主義の衰退なのではないかと懸念する次第です。
また、島根県の丸山知事もおっしゃっておられましたが、隣り合う両県の意見が国の大事業や国家的プロジェクトについて異なることもあり、その場合、合区から選出された議員の立場は御想像どおり極めて困難となるわけです。
憲法四十三条から、国会議員は国民代表と解されますが、そのことで都道府県という民主主義のユニットから代表を選びたいという国民の思いを全否定してよろしいのでしょうか。
令和二年の十一月十八日の最高裁判決でも、都道府県という意義や実体、これらのことをしっかりと一つの要素として考慮すると、そういうこと自体が否定されるものではないと、そういう判決になっております。
鳥取以外の合区対象県でも、合区制度導入以降、投票率は著しく低下しておりまして、選挙から国民を遠ざける選挙制度では国民の代表を選ぶという議会制民主主義の根幹を弱めてしまうのではないでしょうか。
既に全国知事会を始め地方六団体、そして三十五もの県議会からも見直しの要望や決議が出されております。
共同通信が行った憲法に関する世論調査結果でも、憲法改正あるいは選挙制度の変更により合区解消を求める声は合わせると七六%、片や選挙制度は変えず一票の較差是正のための合区制度を活用するは二〇%にとどまっております。このままでは人口の少ない地方の声がいずれ国政に届かなくなるのではないかという切実な危機感が日本中に広がっていると見られます。
そこで、まずは参議院を、政権選択の衆議院に対して、地方代表的な性格と多様な意見を反映させる性格に重きを置いた院であると捉え、都道府県単位の選挙区と全国比例という二つの投票行為から成る現行制度を基本にすべきと考えます。その上で、抜本的には憲法を改正して合区を解消してはどうかと考えておりますが、地方の府としての参議院の特徴に着目して、投票価値の平等ということからこぼれ落ちる利益を確保する観点で、都道府県との結び付きを参議院の役割として制度化してはどうかという御趣旨の憲法学者の御意見もあることから、法律改正による合区解消についても議論を進めることはあり得ると考えております。
投票価値の平等は極めて大切だということはもちろんでございますが、合区問題も民主主義の根幹に関わる問題との認識で、参議院憲法調査会におかれましても、憲法審査会におきましても、これまでの議論や有識者からの意見聴取などを踏まえまして合区解消に向けて具体的な議論を進めていくべきと申し上げまして、私の発言を終わらせていただきます。
ありがとうございました。