中西祐介の発言 (憲法審査会)

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○中西祐介君 自民党の中西祐介です。発言の機会をありがとうございます。
 前回、四月二十六日の四名の参考人の皆さんから御意見をいただきましたが、集約的に申し上げれば、手段を選ばず、一刻も早く合区を解消を求めるということであったろうというふうに思います。特に、全国知事会長であられます平井知事からは、民主主義のユニットとしての選出方法や、憲法に基づく機能である立法裁量を国会が持って選挙区制度を改正すべきという御主張は大変印象深く、共感するものであります。我々、国権の最高機関たる国会では、こうした地方六団体の皆さんの意見を通じた民意の反映というものを真摯に酌み取って、改正策に遅滞なく取り組むべきだというふうに考えています。
 次回、二〇二五年参議院通常選挙までの合区解消を実現するためには、私は二つの方策で推進すべきというふうに考えています。
 まず第一は、現在行われている参議院改革協議会の下で、院の改革も踏まえた超党派での法律改正による合区の解消というものを、法改正を目指すということであります。そして第二は、投票価値の平等の要請に関わる憲法第十四条や、平井知事御指摘の憲法第八章の充実の議論など、憲法との関係における抜本的な改革の議論を本審査会で深めるということであります。
 まず、一番目の法律改正につきましては、参議院定数訴訟における最高裁のリーディングケースである昭和五十八年判決で、投票価値の平等は選挙制度の仕組みを決定する唯一、絶対の基準としているものではなく、国会が正当に考慮することができるほかの政策的目的ないし理由との関係において調和的に実現されることに対応すべきことは、重ねて私からも主張させていただいているとおりでございます。
 つまり、昨年六月に参議院改革協議会報告書の中で、多様な民意の反映、地域代表的な性格、参議院の独自性が本院に求められると各党の御意見により記載をいただきましたが、今後の改革協の中での議論を併せて、あらゆる手だてを尽くして法律改正による合区解消を実現すべきだというふうに考えます。
 一方、後段申し上げた憲法改正の議論は、今後法律改正をしてもなお、以降の最高裁でより厳しい投票価値の是正というものを求める判断が下される可能性は否定できないという認識を持っています。現状の中、中長期的には平井知事の御言及のあった第八章の充実の議論や、四十七条に人口を基本としつつも行政区画や地勢等を総合的に勘案すべきと提起する自民党改正案等の議論も深めていただきたいというふうに考えています。
 地方自治を定める第八章では、護憲派の憲法学者とされる一橋大学の名誉教授の杉原泰雄先生の多くの御著書の中にもありますが、特に軽視され続けた項目として特筆して指摘がございます。先生の御主張を概説するならば、その軽視、地方自治の軽視は日本国憲法制定当初からのものであって、その根拠は明治憲法下の中央集権体制の建前を日本国憲法でも維持すべきと明言をしていた、当時地方制度を所管する大村清一内務大臣の言論でも明白と指摘があります。その支配的な地方自治権論が、現行憲法下でも若干の修正を加えただけにとどまっている。さらには、政治においても、また教育や研究の分野においても、誠にこの貧しい憲法における地方自治の位置付けを、国民の日常生活、括弧付きで社会的、経済的、文化的生活、それと政治生活、人権の保障と民主主義の観点から、中央集権体制の欠陥を踏まえ、現状に適合的な地方自治の憲法論を創出することが不可欠であると。それを怠れば、地域の衰退が進み、その結果として国民の生活も脅かされることになるというふうな御主張であります。
 前回の平井知事も御指摘されました、明治下での憲法制定議論の中、政府顧問のモッセが地方自治強化論者でありながら、当時の日本では中央集権体制で国力増強を優先せねばならぬ事情で時期尚早として先送りされた経緯ということも符合する話であります。
 我が国は今、大規模災害のリスクや人口一極集中の弊害に直面していることは広く共有されているところであるというふうに思います。合区解消という民主主義制度の改正を早急に取り組むべきことはもちろん、戦争で国力が衰退し、他国の占領下にあった七十七年前の時代背景で作られた憲法がいまだ変わらぬことで露見するあらゆる弊害を放置することなく、真摯に憲法議論を進めていただくことを本審査会に求め、私の意見といたします。

発言情報

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発言者: 中西祐介

speaker_id: 32053

日付: 2023-05-17

院: 参議院

会議名: 憲法審査会