齊藤良樹の発言 (農林水産委員会)

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○参考人(齊藤良樹君) それでは、ただいま御紹介にあずかりました全農常務理事の齊藤でございます。
 この度は、このような陳述の機会を賜り、誠にありがとうございます。
 私から、畜産、酪農情勢を踏まえたJAグループの取組について御説明をさせていただきます。
 お手元の資料を一ページおめくりください。
 まずは、ここ三年程度の飼料原料情勢についてであります。トウモロコシシカゴ定期は、南米産地で高温乾燥や中国の輸出需要の高まりなどの影響を受けて、令和三年四月にはブッシェル当たり七百セントを超えて上昇をしております。
 その後、米国でトウモロコシの生育に適した天候が続いたことなどから下落しましたが、令和四年四月にかけて、南米産地の乾燥した天候やウクライナ情勢の緊迫化から急騰しました。さらに、米国における作付け遅延などにより、四月には八百セントを超えて上昇しております。これを図一で示してございます。
 (3)にありますとおり、現在は、ブラジル産の豊作見通し、米国の作付けが順調に進んでいることなどにより下落し、シカゴ定期は六百セント前後で推移しております。一時期の高値からは下落しているものの、いまだ高値であることに加えて、図二にありますとおり、外国為替の円安が継続していることから、トウモロコシの輸入価格は高値が続いております。
 中国のトウモロコシの輸入が大幅に増加しておりまして、トウモロコシ相場に大きな影響を需要面では与えるようになっております。これを図の三で示してございます。
 (5)にありますとおり、令和五年四―六月期からは、高止まりに対応した国費と民間基金財源を併用する緊急補填を予定をしているという状況にございます。
 二にありますとおり、配合飼料安定基金の発動状況についてであります。
 (1)として、令和四年七月に配合飼料価格は史上最高となりました。このときの価格を令和二年四月を基準に比較をしますと、配合飼料トン当たり三万一千八百五十円の上昇となっております。これは、発表しております全農のみの基準でございます。
 (2)にありますとおり、令和四年七―九月期には、安定基金の補填単価が過去最高の飼料トン当たり一万六千八百円となりました本会は、国とともに通常補填の財源の借入れと異常補填の財源の積立てに取り組み、補填財源を確保しております。
 (3)のとおり、全額国費の配合飼料価格高騰緊急特別対策によりまして、令和四年十―十二月期には六千七百五十円、令和五年一―三月期には八千五百円の特別交付が行われております。
 (4)としまして、令和二年四月を基準として、令和五年一月の生産者負担の増加は二万一千四百円まで抑えられております。
 国の方から、令和三年から令和四年にかけて異常積立金七百六十八億円が措置されました。民間が同額を積み立てるわけですが、全農といたしましては、二百十五億円をこの機に積立てを実施をすることを決めております。
 また、積み立てるタイミングにつきましても、金額を分割していただいたり、タイミングをずらしていただいたり、より柔軟な対応を実施していただいております。
 めくっていただきまして、鳥インフルエンザについてでございます。
 この鳥インフルエンザは、御案内のとおり、発生すると生産者経営さらには養鶏産業に甚大な影響を及ぼすことから法定伝染病に指定をされておりまして、発生しました農場は家禽全羽を殺処分するということになっております。
 (1)にありますとおり、本会は、生産農家の防疫対策支援として、令和四年に改正された飼養衛生管理基準の周知徹底のため、農水省や関係団体とともに農場の防疫に関するガイドブックを作成し配布をいたしました。
 また、令和四年度、本会の獣医師が農場の衛生指導を約二千五百回行い、全国で二千六百名を対象に研修を行いました。集合研修がコロナ禍で難しい場合に備えて、本会のウェブサイトで実践的な家畜防疫の研修動画の配信も行っております。
 三にありますとおり、消毒用石灰は自治体の配布もあり広く普及をしています。ただ、石灰は時間とともに効果が落ちるため、本会は、その効果を調べる新しい検査液を生産者に配布する取組を開始し、衛生意識の啓発を行いました。
 (4)にありますとおり、業界紙である日本農業新聞や鶏鳴新聞に、全中と共同で衛生意識の向上を目指した意見広告を三回にわたって掲載をしております。
 四ページでありますが、(1)にありますとおり、令和四年十月から五年四月に発生した鳥インフルエンザの影響により、全国の採卵鶏羽数一億三千七百二十九万羽の約一二%に当たる一千六百五十万羽が殺処分をされ、生産量は大幅に減少しております。
 生産量の減少に伴いまして、鶏卵相場は高騰が続き、令和五年三月末にはキロ当たり三百五十円に達してございます。
 鳥インフルエンザ発生後、採卵場への大雛導入には清浄性確認が必要となり、さらに、採卵開始には、ひなの育成に四か月、採卵場移動後に一か月の計五か月を要します。
 殺処分された一千六百五十万羽の産卵回復に向けて、発生農場への大雛導入は一斉に行うことはできず、生産量の完全回復には更に時間を要する状況にございます。
 五ページを御覧ください。生乳・乳製品の消費拡大と理解醸成についてでございます。
 まず、生乳の需給構造について御説明をいたします。
 令和三年度の国内の生乳生産量は七百六十五万トンでありました。そのうち乳価が最も高い飲用牛乳等向け処理量は四百万トンを占めております。酪農家の収益は、生乳が約七六%とかなりの部分を占めてございます。(3)にありますとおり、酪農経営を維持し生産基盤を守っていくためには、乳価が最も高い飲用向け処理量を拡大することが重要となります。この図にありますとおり、乳価を縦の長さで表してございます。この最も乳価が高い飲用向けである牛乳の消費拡大に加えて、業務用牛乳の拡大や乳飲料等向けでの使用拡大が必要となってまいります。
 六ページであります。消費拡大と理解醸成に向けたJAグループの取組であります。
 (1)にありますとおり、Jミルクが実施します酪農乳業乳製品在庫調整特別対策事業、脱脂粉乳の過剰在庫対策事業に協力し、くみあい飼料の製品である牛代用乳について、原料を全て国産脱脂粉乳に置き換えをいたしました。左下の図一にありますとおり、本日の日本農業新聞の別紙にこの記事を掲載させていただいております。需要が減少した脱脂粉乳の販路を確保し、需給改善にこれでもって幾分寄与したと考えております。
 (2)、酪農を取り巻く厳しい現状を改善すべく、引き続き、国産牛乳・乳製品の需要拡大に取り組み、生産者が安心して搾乳できる環境を確保してまいりたいと考えております。生乳生産を増加させる場合には、乳牛を増やす場合には、図二にありますとおり、種付けをして搾乳開始までの期間が約三年、期間を要するため、生乳が足りないという状況の中で生産量を短期間で増やすことはできません。そのため、できるだけ生産基盤を維持しつつ、需要拡大を図る必要があります。
 我々JA全農は生産者団体であります。今、生産者は歯を食いしばって生産抑制に取り組んでおりますが、でき得れば、輸入乳製品が生乳換算で四百六十九万トンございます、こちらを調整弁としてお使いいただければ、生乳生産基盤は毀損しないものというふうに考えているところでございます。
 四ページ、あっ、失礼しました、七ページを御覧いただきたいと思います。生乳・乳製品の消費拡大と理解醸成のJAグループの取組の二つ目でございます。
 酪農の理解醸成や牛乳・乳製品の消費拡大のため、関係部署や協力会社と連携して、商品開発を始め様々なことに取り組んでおります。コロナ禍の影響などから生乳・乳製品の需給が緩和する中、消費者の皆様に現状の酪農家のことを知ってもらい、応援消費をいただけるよう、日本の酪農を応援シリーズ、牛乳を五〇%以上使用したミルクティー、カフェオレ、抹茶ミルクの三種類の商品を開発し、順次販売をしております。令和三年十二月販売、発売の以降のシリーズ累計で百二十万本でございます。これをどう評価するかでありますが、百二十万回、目に触れていただき、この酪農の事情について理解を深めていただいたというふうに考えております。
 手前どもの営業開発部と連携をし、ニッポンエールブランドの商品として、大手飲料社ともコラボをし、牛乳・乳製品を使用した商品を開発し、全国販売をしております。これが図二に示された商品でございます。
 (6)にありますとおり、子会社である協同乳業を通じまして、五十周年を迎えた農協牛乳の販売を中心に農協シリーズ商品を販売するほか、ファミリーマートと協業した農協ミルクについてもシリーズ化し、販売をしております。
 八ページがJAグループの取組③でございます。
 協同乳業と連携し、酪農と牛乳・乳製品の魅力を発信する酪農の輪プロジェクトの一環として、本会のアグベンチャーラボを中継して酪農家と消費者をリアルタイムでつなぐオンライン牧場体験を図四のとおり開催をしております。これは、コロナ禍の中で、いかに酪農に親しんでいただくかということで企画したものでございます。
 令和三年夏、四年春並びに四年の夏、五年の春にそれぞれ六十組、四回を抽せん招待、応募総数は五千六百を超える家庭となりました。また、令和四年春は、子供食堂、十二か所四百名を無料招待し、オンラインで同じプログラムを実施しております。
 八にありますとおり、牛乳の消費促進を後押しするため、協同乳業を始めとした本会出資の農系乳業及び関係県本部と連携し、令和四年十二月十一日に牛乳無償配布を開催。全国的な牛乳無償配布や酪農などの理解醸成の取組を図五のとおり強化をしております。
 (9)として、酪農家のつぶやきと題して、実際のスーパーにある農協牛乳の販売スペースにPOPを展示して、酪農家の思いや豆知識について発信をしてございます。図の六にありますとおりでございます。
 九ページは、今後の取組というものであります。
 農林水産省のあふ食堂を始め、厚生労働省、財務省、法務省の食堂で国産の牛乳・乳製品を使ったフェアメニューの提供、あるいは牛乳の飲み比べ、四十七都道府県の給食牛乳パックの展示などを行う牛乳月間フェアを実施しているところであります。
 また、大人気の絵本とのコラボレーションによりましてスペシャルパッケージの農協牛乳を発売するなど、取組を強化しております。
 (12)のとおり、六月十八日の父の日にも、同様に、Jミルク土日ミルクコンテンツと連携した理解醸成を実施する予定でございます。
 最後に、国産農畜産物の理解醸成の広告を載せてございます。この①から④の広告について、三月二十七日と二十八日の両日、日経新聞を始め、地方紙も含め全国二十四紙にこの記事を掲載をいたしました。内容は、御覧のとおり、SDGs版、生産者の声、消費者の声、そのコンビネーションというものでありますが、反響でありますが、ヤフーニュースや全国紙にとどまらず、地方紙に一部掲載されたこともあって、ツイッターでは、好意的なものとして、悲しく苦しい気持ちになりました、日本の農家を守りたいです、農家の悲鳴が聞こえるようだ、一方、批判的なものとして、コスト反映した日本産に勝ち目はないのではないかという御意見ありましたが、おおむね、好意的なものと批判的なものでは七対三であったというふうに認識をしてございます。
 また、四月二十七日に、日本新聞協会の広告委員会が十八歳から六十九歳以下の男女三百人を対象に毎日のメディアに接しているか調査しており……

発言情報

speech_id: 121115007X01320230601_003

発言者: 齊藤良樹

speaker_id: 27343

日付: 2023-06-01

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会