熊谷裕人の発言 (文教科学委員会)
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○熊谷裕人君 去る二月十三日及び十四日の二日間、地方における教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する実情を調査し、もって日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律案及び特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律の一部を改正する法律案の審査に資するため、栃木県及び宮城県に委員派遣を行いましたので、その概要を御報告申し上げます。
派遣委員は、高橋委員長、赤池理事、今井理事、上野理事、伊藤理事、赤松委員、臼井委員、古賀委員、斎藤委員、宮口委員、竹内委員、中条委員、松沢委員、吉良委員、舩後委員、そして私、熊谷の十六名でございます。
一日目は、まず、とちぎスポーツ医科学センターを訪問いたしました。同センターは、栃木県総合運動公園陸上競技場カンセキスタジアムとちぎ内にあり、アスリートの体力測定、測定結果に基づくトレーニング指導や栄養指導等を行っております。また、今年度は、地域運動部活動推進事業の一環として、県内複数の中学校の運動部活動を対象に、対面指導に加え、ICTを活用したリモート指導を実施しております。
同センター内の設備等を視察するとともに、実際にダンス部の指導に当たった外部指導者や栃木県教育委員会等から、生徒や顧問の教員の高い評価を得たリモート指導の内容等について説明を伺いました。また、リモート指導と対面指導の適切なバランスの取り方、部活動の外部指導者の育成に向けた取組、優先的に地域移行を進める部活動の決定方法等について意見交換を行いました。
次に、国立大学法人宇都宮大学を訪問いたしました。同大学は、国立大学法人群馬大学とともに全国唯一の共同教育学部を開設し、互いの専門性を生かして補い合うことで、特別支援学校に係る免許状の取得可能な範囲の拡大や専門教育の充実等を図っております。また、双方向の遠隔授業システムを用いた共同授業や、両大学の学生が対面で交流して教職志向を互いに高め合う特別演習等の特色ある取組も行っております。
宇都宮大学では、遠隔システムを用いて同席いただいた群馬大学関係者も交えて、共同教育学部のこれまでの成果、教職を選ばない学生が増加している要因等について意見交換を行うとともに、教員養成課程における不登校児童生徒に関する取組や附属小中学校における不登校児童生徒への支援等について説明を伺いました。
次に、高根沢町のフリースペースひよこの家を訪問いたしました。同施設は、不登校児童生徒の表面的な学校復帰を目的とせず、当該児童生徒が安心して心を休め、社会的に自立していく居場所を提供するため、町内の古民家を活用して高根沢町教育委員会が約二十年前に設置した全国的にも珍しい施設です。同施設を巣立った児童生徒は約百五十名に上り、その中には、コロナ禍を経た今も、施設との交流を持ち続けている方もいます。
同施設を拝見するとともに、同施設の児童生徒のほぼ全員が高等学校に進学できている理由、発達障害を伴う不登校児童生徒への支援に向けた関連機関との連携の在り方、学校が全ての児童生徒にとって必ずしも安心して過ごせる場となっていない背景等について意見交換を行いました。
次に、栃木県における文教施策に関して、栃木県知事、県教育長及び宇都宮大学関係者と意見交換を行いました。意見交換の中では、昨年、コロナ禍を乗り越えて県内において開催された国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会の成果や、両大会を契機としたスポーツ施設の整備に当たって県民の理解を得るために行った取組、さらには文理融合に向けた宇都宮大学の取組と課題等について、率直なお話を伺いました。
二日目は、宮城県仙台市に移動し、まず、次世代放射光施設、ナノテラスを訪問いたしました。同施設は、高輝度の軟エックス線を用いて、物質表面の化学結合状態等を可視化する研究施設であり、令和六年度の運用開始に向け、国、地域及び民間企業の出資により、国立大学法人東北大学のキャンパス内に建設が進められています。
同施設では、その性能をお聞きするとともに、工業分野のみならず医療、環境、農業等の幅広い分野において期待される活用方法等について説明を伺いました。また、他国における同様の施設と比べて非常にコンパクトな加速器、光源装置と官民が協力して整備するビームラインの設置状況や、利用者が立ち入る実験ホール等の建設状況を視察いたしました。
次に、東北大学関係者との意見交換を行いました。
同大学は、ナノテラス周辺において、同施設を始めとする様々な先端計測装置群から生み出される膨大なデータの分析を行い、産業現場の研究開発へとつなげる産学共創の場としてサイエンスパークを整備する構想を発表しています。同構想の概要のほか、若手人材育成や先端技術研究に関する取組等について説明を伺うとともに、国の国際卓越研究大学制度や高騰するエネルギー費への対応等について意見交換を行いました。
次に、学校法人日本コンピュータ学園仙台国際日本語学校を訪問いたしました。同校は、これまで世界中の延べ五十か国以上の留学生等に対し日本語教育を行っており、現在は約三百名の学生が在籍しております。
同校では、日本語教育の質の向上に向けた取組のほか、シリアやウクライナからの学生の受入れ協力等について説明を伺った後、授業を参観し、図書室などの施設を拝見しました。また、シリア、ウクライナ及びネパールの学生を交えて、日本での生活と日本語学習における困難、学校のサポート体制、今後の日本滞在の希望等について、率直なお話を伺いました。
以上、概略を申し述べましたが、おかげさまをもちまして、今回、多くの方々との非常に有意義な意見交換と実りある視察を行うことができました。最後に、今般の委員派遣に御協力いただきました関係機関の方々に対し、この席を借りまして厚く御礼を申し上げ、派遣報告を終わります。